PR

×

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

tajim

tajim

Sep 21, 2005
XML
カテゴリ: 日本人英語脱却法
私の友人(日本人)とご主人(イタリア人)の間に子供が生まれ、3人はロンドンで暮らしていた。夫婦の会話は英語。でも、日中は常に母親が日本語で話しかけている。子供が最初に何語で話し出すのか、とても興味があった。

バイリンガルは言語習得が遅いと言うが、その子も2歳になるまでほとんど言葉を発しなかった。母親の言っていることは分かっているようだけど、自分では何もしゃべらない。
そんな子供が、ある日とうとう口にした言葉が「No!」。もちろん、英語。
でも、そのほかにしゃべり始めた言葉は日本語だと言う。これは面白いと思った。どうして「No」なのか。

考えてみると、日本語には「No」に当たる語がない。
「違う」「だめ」「いや」「やめて」「嫌い」
そんな全てを一語で表せるのだから、英語の「No」はかなり幅広い。
「とにかく目の前に起きていることがイヤ!」
という力強い否定の一言なのだ。



そういえば、日本人はよく英語で"I think it's not right."というような間違いをする。「そうじゃないと思う」という日本語の思考法に基づくんだろうけど、英語ではこれはおかしい。何がおかしいかって、NoはNoでしょう。「think」という語は「思う」とは違う。肯定形で使われれば「何に肯定的な感情を持っている」ということ。逆に「I don't think」という否定形になれば、それは何かに対する否定の感情の表れとなる。英語の語順では思うことの内容は後に来るから、とにかくそれから話されることが否定なのか肯定なのかを先に知る必要がある。

I think [what John said last night was right.] (昨日ジョンが言ったことは正しいと思う。)

を否定にした時、

I think [what John said last night was NOT right.]

こうなってしまっては肯定なのか否定なのか分かりにくい。聞き手にとっては、途中まで肯定だと思って聞いていたら急にひっくり返された、そんな印象になる。話し手はジョンの言ったことに対して反対なわけだから、NOTが先に来たほうが伝わりやすい。

I do NOT think [what John said last night was right.]

と言えば、"I do NOT think" まで言った時点で、話し手のスタンスが分かる。「私は反対だ」ということ。



同様に、日本人はよく英語の否定疑問形に対する返事で困る。

Don't you like Sushi? (お寿司は好きじゃないの?)



ここでまた日本語と英語の思考の違いが顕著になる。

英語なら絶対に"Yes, I like Sushi."か "No, I don't like Sushi."になる。Yesと肯定しておいて I don'tと否定することは出来ない。そこにあるのは、相手の質問に対してと言うより「寿司が好きか嫌いか」という事実に対する絶対的な「肯定」か「否定」の感情のみ。普通の疑問形で聞かれても、否定疑問形で聞かれても、返事には変わりはない。質問されなくたって、「YES!I like Sushi.」というのは普遍)の事実なのだ。

ジョンレノンがオノヨーコに出会った時、オノヨーコの展示物の一つに梯子と扉があり、自分で梯子を上っていって扉を開けると、ひとこと「Yes」と書いてある。それにジョンがえらく感動したとかいう話がある。これは日本語の「はい」では無理。「そうです」でも「好き」でもない。「Yes」というのは全てに対する肯定。全てを否定する「No」に対する力強い肯定の一言なのだ。

そんな風に考えると、英語って言うのは本当にYesかNoかの意思表示が大事な言語だと分かる。英語で話していると、常に「賛成」なのか「反対」なのか、「好き」なのか「嫌い」なのかの二択を迫られているような感がある。でもいったんこれに慣れると、今度は文を最後まで聞かないと肯定か否定かが分からない日本語は、まどろっこしくも思えてくる。今となっては否定疑問形に日本式に答えることが出来なくなってしまった。私の頭の中でこの二つの考え方を両立することは出来ないらしい。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  Sep 21, 2005 10:13:10 PM
コメント(1) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: