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tajim

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Oct 3, 2005
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今日の学校帰りの電車の中での出来事。

120%ほどの乗車率の電車に、それでも席を見つけて座った。
数駅停まり、いくらか乗客も減ってきた頃、隣の車両から移ってきた若い女の子が2人、ちょうど空いたばかりの私の目の前の席に座った。
年頃はどう見ても14~15歳。カジュアルなトラックスーツにジージャン、大きなイヤリングと、しゃべり方は労働者階級のコックニー。
ナイキのトラックスーツ以外はブランドものこそ身につけていないものの、立派なCHAVの候補生と言う感じ。
スーツ姿のサラリーマンばかりの社内で若い女の子がいるだけで目立つが、その上やたら大声で話すので注目を浴びている。

と、片方の女の子がポケットからなにやら小さなサランラップの包みのようなものを取り出した。手の中で開くその包みを見ると、ハーブのような乾燥した葉っぱが入っている。
タバコが高いイギリスでは、巻きタバコをする人も珍しくない。

でも、彼女の持っている包みの中に入っているのは明らかにタバコではない。タバコほど細かくなく、数種類の植物が混ざったような、緑色に近い色をした「なにか」。
これは、麻薬だ。

一口に麻薬と言っても、植物系のマリワナやカナビス、化学系のエクスタシーやLSDなど、色々ある。でも、普段よく目にするのはあまり強くない植物系のもの。
実際ロンドンに暮らしていると、そういったものに出くわす確率は意外に高い。誰かのバースデーパーティ、学生のクリスマスパーティなんかに参加すると、必ずといっていいほど誰かが持ってきている。同じ部屋で吸っている人がいるとにおいが強いのですぐに分かる。ドラッグはまわして吸うのが礼儀らしく、おなじ部屋にいると手渡されたりもする。
急死したりすることもある化学系の強いドラッグに比べて、タバコ程度の害しかないとも言われ、最近ではそういう弱いドラッグを合法化しようという動きすらある。

でも、それでもまだイギリスでは麻薬一般は違法。どんなに害が少なくても、どんなに普通に目にするものでも、人前でおおっぴらに吸う人はいない。
ましてや込み合う電車の席で取り出すなんて、ちょっと信じられなかった。
女の子は一つまみその葉っぱを取ると、Rizzlerに取り分けて、もう一人の女の子に渡した。
どうやら友人の間でもただでは無いらしく、もう1人の子はポケットからコインをジャラジャラと取り出すと、その子にいくらかを渡した。
これは立派な麻薬取引!?
と、いぶかしむ私を尻目に彼女達はそれをRizzleで巻き始めた。あっという間にくるくると綺麗に巻き上げると、ライターを取り出すので、まさか電車の中で吸うつもりかしら、と思うとさすがにそこまではしなかった。でも、吸うのが待ちきれないかのように、ライターの火をかざしては、手でもみ消す、という行為を繰り返す。


ここで不思議に思ったのが、他の乗客の態度。
私の隣にいたサラリーマン風の男性も、他の席の乗客も、新聞を読んだり音楽を聴いたりしていてみんな見てみ見ぬふり。
たまにちらっと横目で見る人もいるが、何も言わない。
目の前では、明らかに未成年の子供が2人、麻薬を売り買いし、巻いて今にも吸い出しそうなのに。

これが、イギリス人なんだ、と思った。

だいたい他人に迷惑をかけない限り、自分の責任の範囲内で行動する限り、他人のビジネスには口を挟まない、という傾向のあるイギリス人。
個人それぞれがそれぞれの意見を持っていてしかるべきだし、自分の意見を押し付けようとする行為は嫌われる。
目の前で、いかにも労働者階級の子供が2人、違法行為をしても、道を踏み外そうとしていても自分達には関係ない。
そしてたぶん、社会的な落差、隔たりみたいなものも助けていて、自分達には関係の無い人たちのしている関係の無いこと、という風にとらえているように見える。

これがイギリスが誇る「個人主義」の行き着く先なのかと思うと、複雑な気持ちになった。





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Last updated  Oct 4, 2005 06:27:35 PM
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