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2005年08月23日
鳥取物語(三年生編) 第二章 第一節 ●小夜、みくまりと遊ぶ●
(2)
テーマ:
鳥取フリーク集まれ!(15)
カテゴリ:
カテゴリ未分類
●あともうひとり
みくまりは小夜より1コ上だったが、同じ三月生まれということもあって、気が合って仲良しになった子だった。
三月の七日に生まれたみくまりは、本名は黒沼みなである。三と七で“み、な”だ。越してきてすぐは道端で一人遊びをしていた小夜に持ち前の好奇心で近づき、初めに集落の子供たちに紹介してくれたのも、この優しい子だった。
みくまりというのはただの愛称ではない。それにはちょっと長い説明がいる。
相生の人々は、名前をたくさん持っているのだ。すなわち、名字が義務付けられる前から互いに呼び合っていた屋号の他、その者がどういった者なのか、相生の御詞ですぐにわかるような呼び方があった。すなわち、家督を継ぐような有望な男子は“いしきな”である。
例を挙げると、屋号が“あぶらや”で、そこの長男であり、子供たちの間ではがき大将でもある日野西武人などは、“あぶらやのいしきな”と呼ばれるのである。副将の猪越剛は、力ある助け手という意の“ににぎ”。喜平じぃの孫の米倉和義は、“すみやのてつ”と呼ばれる。“てつ”とは、長老や族長の孫全般に用いられる呼び名だった。
戸籍に載せるいわゆる“本名”なるものは、国に義務づけられているから便宜上登録しているものであって、相生では本人の口にさえのぼることは少なかった。いわば、本名のほうが仮名なのである。
そういうわけで、みくまりは“あっけらかんとした三女”というような意味の、彼女の仮名である。
更に言うならみくまりの家は神祀(相生の御詞で‘かみまつりん’)の際に神々に願を訴える訴(うたい:日本語の“歌う”はこの大和言葉から派生した?)の役割を担っているため、屋号はそのまま“うたい”である。ゆえに彼女は“うたいのみくまり”だ。
小夜は傍らのみくまりに言った。
──そやね。
みくまりはナマ返事である。
──こんな遅なったら、うちらのほうで帰り道が見えんようになるで、きっと。
──そやそや。
みくまりはうわの空で返事しながら、相変わらず熱心に沼の底を見込んでいる。
──みくまり、一番星え。
──うーん。
暮れかかった空を見上げたついでに、みくまりはのびをすると、あつ・・・とつぶやいて長靴をぽいと放り出した。
──さあ、やめたあ。
──帰ろうや。
みくまりはやっと同意すると、小夜とふたりしてとったおたまじゃくしの巨大化した生物、通称“どたまじゃくし”を入れた袋を小川から引き上げにかかった。
小夜は“どたまじゃくし採集器”略してタモを取りにいったのだが、
──わっ!
──わーっ!!
最初の“わっ”は、隠れていた清二郎とめっかちのあげた声だった。
清二郎とめっかちはげらげら笑いながら、手にしたタモを小夜に示した。
──タモにひっかかったのは、おまいの方だえ!
──あんたぁなぁ!
小夜は敵をにらみつけた。
特にめっかちの方は今回が初めてではなかった。前からちょろちょろとうるさくちょっかいを出してきていたので、小夜の言葉はおもにめっかちに向けられたものだった。
──このあまっちょ、テレビの言葉しかいわん。
言われためっかちも斜視気味の目をきょときょと動かしながら、すぐやり返してきた。小夜自身はだいぶ方言も上達したと思っていたのだが、ネイティブに言わせればまだまだテレビのような標準語に近く聞こえるのだろう。
──あんたら、なんねっ!
気がつくと、みくまりも長靴を脱いでびしょぬれの素足のまま、ふたりを追いかけようとしていた。
──うわーい!!
悪たれふたりは、歓声をあげて逃げだした。
──まぁったく、しようもないやっちゃ。小夜ちゃん、ああいうときはな、あんぽんたーんとでも言ってやたらええ。
みくまりはぷりぷりしながら、清二郎とめっかちの投げていったタモを取り上げて、手早く網を巻きつけた。
そして、どうせ手から足から濡れとるのやし、とおたまじゃくしの入った袋をそのまま肩にしょいこみ、小夜は二人分のタモを持って家路を急いだ。
──明日、こいつら飼う池つくろうっちゃ。
別れ際に濡れねずみのみくまりは、おたまじゃくし袋を指さして笑った。
小夜はそうやって言葉も、そしてそれ以外のとても大事なことを、一つずつ学んでいきつつあった。
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最終更新日 2005年08月31日 12時42分35秒
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