山口小夜の不思議遊戯

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2005年09月25日
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 (在校生代表)
 久松山の、夜明けです。
 たくさんの光が、射し込んできます。
 醇風創立、150周年の・・・  

 (中略)

 今日、ご卒業の皆さま、おめでとうございます。


 おめでとうございます。

 (卒業生代表)
 ありがとう。

 (卒業生全員)
 ありがとう。

 三月に入って、分校でも卒業式の練習に余念がなくなってきた折も折、同じ六年である神生(かにゅう)の宇佐美博道が、その大将の立場をあらたに森雅弘にゆずった話が流れると、武人はことの重大さを実感しはじめ、ある日の午後、学校がひけてから彼は喜平じぃの家をふらりと訪ねた。

 老人は機嫌がよかった。
 彼は子供たちを率いる者に足る強靭な意志と、それに見合う優しさを持った武人を愛しており、自ら出向くわけでなくとも、この少年が会いにきたことは、彼を喜ばせていた。

 ふたりはしばらくのあいだ、黙ってあぐらをかいていたが、やがておもむろにあたりさわりのない雑談をぽつぽつと交わし始めた。

 しばらくして、喜平じぃは会話をある核心までひきこんだ。


 喜平じぃは、武人がなにごとかに煩悶しているであろうことを敏感に感じ取った。
 それから、人生の達人らしい手管を弄して、さりげなく善い徴(しるし)となりうるものはどうかと聞いた。

 ふたりの目があった。

 ──ひとつ、あるだ。
 武人は言った。


 一節がすらすらと口から流れ出した。
 新しい大将のこと、綾一郎、尚敦のこと、そして豊のことが。

 武人は話し終えると、喜平じぃはふうと息を吐き出した。
 ──おまいはいつも善い物思いをするな、いしきな。それによくものを見通す。
 喜平じぃはにこりとした。

 ──では言おう。
 彼は言った。

 ──おまいは、おまいのすべきことを、したいようにするがええ。


 本日の日記---------------------------------------------------------

 喜平じぃは、当時ですでに卒寿を超えていたという記憶があります。
 ──元気よのぅ
 と賞されるたびに、
 ──死に方を忘れてしもた。
 と笑っておりました。

 重い病気の人があっても、
 ──あれは死ぬための優待キップをもろたんじゃ。
 と、とても善いことのように言うのです。

 村で喜寿のお祝いがあったとき、
 もちろん喜平じぃも呼ばれてその場にいたのですが、
 喜寿(77歳)の人たちに向かって、
 ──少年団。
 と呼んでおりました。

 というわけで、
 おとといは親戚の喜寿のお祝いだったのですが、
 私はひそかに、親戚と親戚の同期の方々を見上げて、
 おお、少年団だ・・・。
 と思っておりました。

 このブログを読んでくださっている、生まれも育ちも鳥取の方が、
 ──わたしは現在五十代ですが、この先何百年も生きるつもりです。
 とメールをくださいました。

 鳥取の人は、いきがいいのです。

 彼らの言葉がすべてを物語る。

 都会の人間は強いというより、押しが強いだけ。
 鳥取の人と比べれば、多弁・雄弁ではあるでしょうが、
 喜寿の人を少年と呼び、先は何百年も生きると言い切る、
 この気迫に追従できる者がいるだろうか。

 私はもっと心がけて、自らの多弁をいましめよう。

 明日は●大将の任命●です。子供たちがいよいよひとところに召集されます。タイムスリップして、名将いしきなの采配に耳をそばだてにきなんせ。





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最終更新日  2005年09月25日 07時39分36秒
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