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220131:村田沙耶香のこと■ソウル共同の記事からの引用です。この記事どこかがおかしいのですが。分かりますか。――韓国の文在寅大統領は30日、北朝鮮のミサイル発射を受け、同国による核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射の凍結措置が「破棄目前まで近づいたと考えられる」と述べ、強い危機感を示した。――破棄目前まで近づいた、は認識の甘さがあらわれています。とっくに破棄しまくっているんですけど。■村田沙耶香(むらた・さやか)は『授乳』(講談社文庫)を推薦作として紹介しています。最近では『コンビニ人間』(文春文庫)が海外で話題になっています。ところが新しく文庫化された二冊は、なんだかシュールなタイトルで驚いています。まだ未読です。タイトルのみ紹介させていただきます。――となりの脳世界(朝日文庫)――変半身(ちくま文庫)山本藤光
2022年01月31日
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220130:内海隆一郎の作品■イギリスをはじめヨーロッパ各国は、コロナへの規制を緩和しはじめました。理由は、以下CNNニュースからの引用です。――症例数以上に重視されているのは、現在世界で猛威を振るっているオミクロン株の重症化率が低いらしいという点だ。――つまりオミクロンを、単なる風邪と位置づけたということです。まともな見識だと思います。■内海隆一郎(うつみ・りゅういちろう)は、人情豊かな作風でたくさんの作品を読んでいます。本日は私の蔵書のご紹介。作品名の頭の■は文庫、〇は単行本、▽は収録作品、――は書評掲載本、×は在庫なし本です。■欅の木(小学館文庫D-2)○欅の木(小学館2010谷口ジロー・作画)――山本藤光の文庫で読む500+α掲載■蟹の町(講談社文庫31-1解説:伊藤桂一)▽あの秋/木津川/蟹の町/雪洞にて・蟹の町――角川書店アンソロジー:本屋でぼくの本を見た(角川文庫)■欅通りの人びと(講談社文庫31-2解説:宮沢俊樹)■帰郷ツアー(講談社文庫31-3解説:清原康正)▽熱海まで/筆跡/娘の立場/スペイン土産/真夜中の電話/先輩の娘/二十九歳/帰郷ツアー ■人びとの旅路(新潮文庫8-1解説:永倉万治)■街の眺め(文春文庫9-1解説:串田孫一)■一杯の歌(文春文庫9-2)■北の駅(徳間文庫8-1解説:高橋ちはや、初出1995)×だれもが子供だったころ(河出文庫7-1解説:山口泉)■風の渡る町(小学館文庫2-1宗肖之介)〇風の渡る町(徳間書店1992)■居酒屋志願(小学館文庫2-2解説:清原康正)▽居酒屋志願/その日まで/二人の噂/湯けむり/小さな風景/人びとの挿話 (収載作品)■湖畔亭(集英社文庫8-1解説:高橋ちはや)▽湖畔亭/蛍の宿/海鳴り温泉/晩秋の宿 (収載作品)■波多町(集英社文庫8-2解説:稲葉真弓)○波多町(集英社1992)――筒井康隆:本の森の狩人(岩波新書)■鰻のたたき(光文社文庫10-1解説:宗肖之介)×鰻の寝床(光文社文庫10-2解説:宗肖之介) ○鰻の寝床(光文社1997)×風のかたみ(光文社文庫10-3解説:宗肖之介/kindle)▽ゴールデンバット/オルガンの音/残り蛍/青いバット/ショットグラス/うたごえ/ツあの故郷/風のかたみ (収載作品)■郷愁(光文社文庫10-4解説:斎藤眞爾)▽キルトの模様/メタルブルー/花野へ/Eメール―・エレジー/ジャンク・マジック/帰郷/冬の星/帰郷――サウダーデ (収載作品)×人びとの忘れもの(ちくま文庫9-1解説:常盤新平)〇人びとの忘れもの(筑摩書房)■金色の棺・藤原三代の謎を開く(ちくま文庫9-2)×人びとの情景(PHP文庫3-1解説:岩下寿之)▽駅前商店街の人びと/人びとの情景 (収載作品)■人びとの季節(PHP文庫3-2解説:吉田永宏)×父から娘に贈る「幸福論」(PHP文庫3-3解説:平田好輝)■狐の嫁入り(PHP文庫3-4解説:東郷隆)〇木に挨拶をする(筑摩書房)〇地の螢(徳間書店)〇島の少年(河出書房新社1997)〇魚の声(集英社)〇北のジム(集英社)〇遅咲きの梅(筑摩書房)〇丹塗りのぽっくり(筑摩書房)〇懐かしい人びと(PHP)×懐かしい人びと(PHP文庫3-5解説:安宅夏夫)〇30%の幸せ(メディアパル)×翼ある船は(講談社)〇朝の音(朝日新聞社)〇早春の故郷を離れて(毎日新聞社)【内海隆一郎】1937年生まれ。「ハートウォーミング」と呼ばれる独自のスタイルによって市井の人々を描くことを得意とし、これまで5作品が直木賞候補となった。1969年(昭和44年)、処女小説「雪洞にて」が第28回文學界新人賞を受賞した。しかし翌年、受賞第一作である小説「蟹の町」が第63回芥川賞候補となるも落選。山本藤光
2022年01月30日
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220129:江坂遊『猫の扉』がいい■またも方向性をひっくり返しました。今度は結果オーライなのですが。安部元首相の叱責があったし、高市政調会長の追求もあったし、グダグダ岸田もこうせざるを得なかったのでしょう。以下、当該記事です。――世界文化遺産の国内推薦候補に選ばれていた新潟県の「佐渡島の金山」について、政府がユネスコに推薦する方向で調整に入ったことがわかりました。(テレNEWS24)■江坂遊(えさか・ゆう)は『あやしい遊園地』(講談社文庫)でがぜん注目したショートショート作家です。ユニークなアンソロジーを編んでいました。タイトルは『猫の扉』(扶桑文庫)で、サブタイトルに「猫ショートショート傑作選」とありました。網羅されている著作者は、星新一、内海隆一郎、筒井康隆、ペロー、ラヴゼイ、サキなど、そうそうたる作家がならんでいます。猫好きの方にはお勧めです。山本藤光
2022年01月29日
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220128:有吉佐和子『非色』が売れています■ウクライナへの、ロシアの侵攻が迫っています。アメリカやヨーロッパは、次々に侵攻した場合の制裁を発表しています。抑止に動いています。しかし日本政府は、まったくの音なしです。ここで甘い態度をみせると、台湾が危険になります。中国は各国の対応をみています。■河出文庫で復刻された有吉佐和子『非色』がちょっとしたブームになっているようです。有吉作品はたくさん読んでいますが、本書の存在は知りませんでした。今、なぜ?と思って調べてみました。安岡章太郎は、『軟骨の精神』(講談社文庫)で絶賛していました。以下、本書のガイドをAmazonから。――待望の名著復刊! 戦後黒人兵と結婚し、幼い子を連れNYに渡った笑子。人種差別と偏見にあいながらも、逞しく生き方を模索する。アメリカの人種問題と人権を描き切った渾身の感動傑作!■さっそく書店へと走ることにします。山本藤光
2022年01月28日
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220127:村山由佳『はつ恋』を読んでみた■デイリー新潮に笑ってしまった記事がありました。――反日教授として知られる韓国・誠信(ソンシン)女子大学の徐坰徳(ソ・ギョンドク)教授が、昨年来ヒートアップする「中韓キムチ論争」に言及し、「韓国のキムチをなぜ中国は奪おうとするのか。韓国人は少なくとも他国の重要な発明品を盗もうとはしない」などと発言した。――この人には韓国の本質が見えないのでしょうね。■村山由佳作品では、『BAD KIDS海を抱く』(集英社文庫)を高く評価しています。最近は、ほとんど新作を読む機会がありません。先日書店で、『はつ恋』(ポプラ文庫)のタイトルに魅せられて思わず買い求めました。男女の濃厚な交わりを描けるまでに成長した村山由佳は、どんな甘酸っぱい物語を紡ぎ出しているのかに興味がありました。ところが読んでみると、中年の男女の物語でした。これではいつもと同じ物語です。主人公を中高生にした、はつ恋物語を読みたかったのですが。山本藤光
2022年01月27日
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220126:遠田潤子『ドライブインまほろば』文庫に■何もしない岸田政権の支持率が下がりません。大手マスコミは、安部や菅のように岸田を叩きません。政府もマスコミも、中国にはものいわぬスタンスは同じです。だから以前のような、首相の揚げ足はとらないわけです。■中国の人権侵害に対する非難決議案の文面は、骨抜きになっています。佐渡金山の世界遺産登録は、韓国の猛反発で申請をたじろいでいます。保身のために風邪のようなオミクロンに、蔓延防止策を打ち出しました。何一つ踏み込まないまま、向かい風を避けているのが岸田政権の施策です。■遠田潤子(とうだ・じゅんこ)は、『雪の鉄樹』(光文社文庫)を推薦作として紹介しています。ところが最近文庫化された『ドライブインまほろば』(双葉文庫)は、走り読みの段階で推薦作を上回るできばえでした。じっくりと再読して、どちらに軍配を挙げるかを検討したいと思います。山本藤光
2022年01月26日
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220124:『有栖川有栖の密室大図鑑』がいい■高市早苗政調会長の問いに、林外相は次のように答えました。以下、産経新聞から。――「佐渡島の金山」(新潟)の世界文化遺産推薦に関し「韓国への外交的配慮を行うことは全くない。韓国側の独自の主張は受け入れられず、強く申し入れを行った」と述べた。「登録を実現する上で何が最も効果的かという観点から総合的な検討を行っている」とも重ねて説明した。■先送りしないと断言していないので、この答弁なら申請は流れるでしょう。韓国では日本は強制労働を認めた、と大喜びしています。まるで韓国に忖度したとしか思えません。■『有栖川有栖の密室大図鑑』(創元推理文庫)は、クリスチアナ・ブランド『ジェミニー・クリケット事件』(『招かれざる客たちのビュッフェ』創元推理文庫)に所収されてます)の書評を書く参考に、と読み始めました。これがめっぽう面白くて、ついに41作のすべてを読んでしまいました。密室ミステリは楽しい。いずれご紹介させていただきます。山本藤光
2022年01月25日
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220123:小田雅久仁『残月記』購入■政府は、新潟県の「佐渡島の金山」(佐渡金山)のユネスコ世界遺産登録申請を見送る可能性があります。これはゆゆしき事態です。韓国の猛反発におじけづき、日本の誇りを捨てたのではたまりません。情けない岸田政権。先送り。見送り。毅然とした政策決定ができない、岸田には呆れています。■本日9時からのNHK国会中継に、高市早苗政調会長が登壇するようです。佐渡金山の申請見送りに関して質問すると、ネットでは情報が拡散中です。期待してテレビを観ます。■小田雅久仁(おだ・まさくに)は『本にだって雄と雌があります』(新潮文庫)で、注目していた作家です。近作『残月記』(双葉社)の評価が非常に高いので、買い求めてきました。少し先になりますが、読むのを楽しみにしています。山本藤光
2022年01月24日
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220123:奥泉光「桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活」シリーズ好調■ABEMA TIMESの記事のお裾分けです。元横綱たちの、共通の見識はみごとです。――「塩を大量にまくと滑る」説について元横綱・白鵬の間垣親方が「稽古が足りないからですね」とバッサリと切り捨てる一幕があった。――元横綱・稀勢の里の二所ノ関親方からも出ていた。十日目の取組で豊山が敗れた後に足元の滑り具合を気にするような素振りを見せた際、二所ノ関親方は「未完の大器」と期待を寄せる豊山について「弱いから滑る」「言い訳にしてはいけない」と叱咤激励の言葉を送っていた。■いいね、この言葉。ぐずぐずの岸田首相に届けてもらいたい。■奥泉光「桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活」はシリーズ化されて、最近第3作『ゆるキャラの恐怖・桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活3』(文春文庫)が出ました。これまでの2作は大いに笑わせてくれたので、今回も期待大です。奥泉光は純文学路線を進んでいましたが、このジャンルでも豊かな才能を十分に発揮しています。『吾輩は猫である殺人事件』(新潮文庫)以来、この作家のミステリに魅せられ続けています。山本藤光
2022年01月23日
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220122:加賀乙彦『わたしの芭蕉』復刊文庫に■北朝鮮は、核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射の再開を示唆しました。これで脅威は一挙にふくらみます。岸田首相の施政方針演説では、国防についてまったく触れられていません。この宣言がでても、まだ動かないのですか。■松尾芭蕉に関する著作は、ずいぶん読んできました。ざっと列記すると次のとおりです。――安部公房・ドナルド・キーン:反劇的人間(中公新書)――嵐山光三郎:悪党芭蕉(新潮文庫)――嵐山光三郎:芭蕉紀行(新潮文庫)――大岡信:「折々のうた」の世界(講談社ゼミナール選書)P46、120――大輪靖宏:なぜ芭蕉は至高の俳人なのか(祥伝社)――桶谷秀昭:日本人の遺訓(文春新書)――谷沢永一:紙つぶて(全)(文春文庫)――田辺聖子:田辺聖子の古典まんだら・下巻(新潮社)――田辺聖子:文車日記・私の古典散歩(新潮文庫14-4)――山本サトシ:芭蕉・奥の細道事典(講談社α文庫)――鷲田小弥太:日本を創った思想家たち(PHP新書596)■加賀乙彦『わたしの芭蕉』(講談社文庫)の存在は知っていました。しかし入手できないままでした。それが復刊されました。うれしいことです。しかも帯には「活字を大きくしました」とありました。開いて読んでみましたが、老人にもやさしい活字でした。「奥の細道」の関連本はたくさんあります。ただ芭蕉の素顔に迫った本は、読んだことがありません。楽しみに書棚の「待機本コーナー」に収めました。ちなみに「奥の細道」の書評は発信しています。山本藤光
2022年01月22日
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220121:今村翔吾・米澤穂信が直木賞■中国のジェノサイドに対する非難決議がようやく、今国会でなされるようです。文案を見て驚きました。「中国」という国名を削除。「人権侵害」を「人権状況」に変更。こんな腑抜けな非難なら、しないほうがマシです。情けない、岸田政権。■韓国の大統領選挙が迫っています。誰が当選しても、反日は変わらないのですが。韓国のマスコミは「第二のギリシャになる」と、警戒感を強め始めました。スキャンダルの暴露合戦から、ばらまき政策合戦へと突入したからです。どちらが当選しても、韓国経済は地に落ちるというわけです。■第166回直木三十五賞は、今村翔吾『塞王の楯』(集英社、候補3回目)と米澤穂信『黒牢城』(KADOKAWA、候補3回目)に決まりました。個人的には、柚月裕子『ミカエルの鼓動』(文藝春秋、候補2回目)を推していたのですが。まあ順当でしょう。芥川賞の砂川文次は未読の作家でした。山本藤光
2022年01月21日
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220120:知・教養・古典・山本藤光の文庫で読む■知・教養・古典ジャンルで書評を発信している著作のリストです。このジャンルは文庫以外の作品も取り上げています。【知・教養・古典・山本藤光の文庫で読む】……01~10…………野中郁次郎・紺野登:知識経営のすすめ(ちくま新書)花村太郎:知的トレーニングの技術(ちくま学芸文庫西堀栄三郎:石橋を叩けば渡れない(生産性出版)モーム:世界文学読書案内(岩波文庫)丸谷才一:思考のレッスン(文春文庫) 宮本常一:忘れられた日本人(岩波文庫 神坂次郎:縛られた巨人・南方熊楠の生涯(新潮文庫)ジャック・ウェルチ:わが経営(上下巻、日経ビジネス人文庫)イザベラ・バード:日本奥地紀行(平凡社ライブラリー)与謝野晶子:全訳・源氏物語(全5巻、角川文庫 ……11~20…………梅棹忠夫:知的生産の技術(岩波新書)渋沢栄一:論語と算盤(角川ソフィア文庫)瀬戸内寂聴:奇縁まんだら(日経文芸文庫)ドナルド・キーン:ドナルド・キーン自伝(中公文庫)黒岩比佐子:音のない記憶(角川ソフィア文庫)中西進:日本人の忘れもの(全3巻、ウェッジ文庫)宇野千代:私の文学的回想記(中公文庫)P.F.ドラッカー:プロフェッショナルの条件(ダイヤモンド社)洪自誠:菜根譚(岩波文庫)山崎光夫:ドンネルといわれた男・北里柴三郎(上下巻、中公文庫)……21~30…………橋本治:これで古典がよくわかる(ちくま文正岡子規:笑う子規(ちくま文庫)須賀敦子:ヴェネツィアの宿(文春文庫)小林秀雄:無常という事(新潮文庫)川喜田二郎:発想法・創造性開発のために(中公新書早川良一郎:散歩が仕事(文春文庫 阿刀田高:楽しい古事記(角川文庫) 松下竜一:豆腐屋の四季(講談社文芸文庫)赤瀬川原平:新解さんの謎(文春文庫)郡司利男:国語笑字典(カッパブックス)……31~40…………菅野昭正:書物の達人・丸谷才一(集英社新書)小林秀雄・岡潔:人間の建設(新潮文庫)福沢諭吉:学問のすすめ(角川ソフィア文庫)九鬼周造:いきの構造(岩波文庫)岡潔:春宵十話(光文社文庫)山崎朋子:サンダカン八番娼館(文春文庫)養老孟司:バカの壁(新潮新書)斎藤孝:読書力(岩波新書)柳田国男:遠野物語(河出文庫。佐藤誠輔・口語訳)山村修:遅読のすすめ(ちくま文庫)……41~50…………江藤淳:成熟と喪失・〈母〉の崩壊(講談社文芸文庫)干刈あがた訳:堤中納言物語(講談社「21世紀少年少女古典文学館7)新渡戸稲造:武士道(PHP文庫)河合隼雄:こころの処方箋(新潮文庫)松尾芭蕉:おくのほそ道(角川ソフィア文庫)花田清輝:復興期の精神(講談社文芸文庫)串田孫一:ギリシア神話(ちくま文庫)丸山真男:日本の思想(岩波新書)S・R・コヴィー:七つの習慣(キングベアー出版)石川啄木:一握の砂(新潮文庫)……51~60…………秋山利輝:丁稚のすすめ(幻冬舎)佐野眞一:宮本常一が見た日本(ちくま文庫)谷崎潤一郎:陰翳礼讃 (中公文庫)外山滋比古:思考の整理学(ちくま文庫)稲田浩二・稲田和子:日本昔話100選(講談社+α文庫)小山鉄郎:白川静さんに学ぶ・漢字は楽しい(新潮文庫)高野登:サービスを超える瞬間(かんき出版)荻野文子:ヘタな人生論より徒然草(河出文庫)佐木隆三:復讐するは我にあり(文春文庫)五木寛之:私訳・歎異抄(PHP文庫)……61~70…………李栄薫ほか:反日種族主義(文藝春秋)D.カーネギー:道は開ける(角川文庫)木村秋則:リンゴが教えてくれたこと(日経ビジネス人文庫)マキアヴエツリ:君主論(岩波文庫)出久根達郎:作家の値段(講談社文庫)斉須政雄:調理場という戦場(幻冬舎文庫)小関智弘:仕事が人をつくる(岩波新書)谷沢永一:紙つぶて・全(文春文庫)坪内祐三:一九七二(文春文庫)……71~80…………三木卓:私の方丈記(河出書房新社)斎藤美奈子:文章読本さん江(ちくま文庫)大泉康雄:あさま山荘銃撃戦の深層(上下巻、講談社文庫)竹田恒泰:日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか(PHP新書)池内紀:すごいトシヨリBOOK(毎日新聞社)北上次郎:新刊めったくたガイド大全(角川文庫)矢野健太郎:数学物語(角川ソフィア文庫)W・A・オールコット:知的人生案内(知的生きかた文庫)松下幸之助:夢を育てる・私の履歴書(日経文芸文庫)大塚ひかり:竹取物語・ひかりナビで読む(文春文庫)……81~90…………立花隆:サル学の現在(上下巻、文春文庫)池田晶子:14歳からの哲学(トランスビュー)常盤文克:知と経営(日経ビジネス人文庫)内海隆一郎・谷口ジロ画:欅の木(小学館文庫)鶴見俊輔:思い出袋(岩波新書)田辺聖子:今昔まんだら(角川文庫)ボブ・シャーウィン:ICHIRO(朝日文庫)田坂広志:知性を磨く(光文社新書)俵万智:サラダ記念日(河出文庫)ダニエル・ゴールマン:EQ・こころの知能指数(講談社α文庫)……91~100…………朝日新聞学芸部編:読みなおす一冊(朝日選書)畑村洋太郎:失敗学のすすめ(講談社文庫)後藤武士:読むだけですっきりわかる日本史(宝島文庫)アドラー:人生の意味の心理学(100分 de 名著)本多秋五:物語戦後文学史(上中下巻、岩波現代文庫)桐光学園+ちくまプリマー新書編集部・編『何のために「学ぶ」のか・中学生からの大学講義1』(ちくまプリマー新書)ピート・デイヴィス:四千万人を殺した戦慄のインフルエンザの正体を追う(文春文庫)立川談四楼:声に出して笑える日本語(知恵の森文庫)岩崎夏海:もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら(新潮文庫)今村聡・海堂尊:医療防衛(角川oneテーマ21新書)………101~110………山岸淳子:ドラッカーとオーケストラ組織論(PHP新書)名指導で読むなつかしの高校国語(ちくま学芸文庫)小谷野敦:もてない男・恋愛論を超えて(ちくま新書)東海林さだお:ショージ君の青春記(文春文庫)ケント・ギルバート:日本人だけが知らない 世界から尊敬される日本人(SB新書)松浦弥太郎:松浦弥太郎の仕事術(朝日文庫)川北義則:いまはダメでも、きっとうまくいく(PHP文庫)三角寛:山窩奇談(河出文庫)小林信彦:現代〈死語〉ノート(岩波新書)北嶋廣敏:右と左の面白ネタ事典(PHP文庫)……111~120…………三田誠広:書く前に読もう超明解文学史(集英社文庫)服部真澄:骨董市で家を買う(中公文庫)池田清彦:やぶにらみ科学論(ちくま新書)藤井孝一:週末起業(ちくま新書)岩中祥史:札幌学(新潮文庫)鳥居正男:いばる上司はいずれ終わる(プレジデント社)阪本啓一:ゆるみ力(日経プレミアシリーズ新書)松山真之助:マインドマップ読書術(ダイヤモンド社)堀公俊:ファシリテーション入門(日経文庫)木村憲洋+川越満:イラスト図解・病院のしくみ(日本実業)……121~130…………くらたまなぶ:「創刊男」の発想術(日経ビジネス人文庫)岸見一郎:アドラー心理学入門(ベスト新書)【+α作品】黒岩比佐子:伝書鳩・もうひとつのIT(文春新書)山本藤光:仕事と日常を磨く人間力マネジメント(医薬経済社)山本藤光
2022年01月20日
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220119:海外文学・山本藤光の文庫で読む■これまで書評を発信した海外文学作品リストです。「山本藤光の文庫で読む500+α」をご覧ください。【海外文学・山本藤光の文庫で読む】……01~10…………ドストエフスキー:カラマーゾフの兄弟(全5巻、光文社古典新訳文庫)サマセット・モーム:月と六ペンス(光文社古典新訳文庫)E・ブロンテ:嵐が丘(新潮文庫) スタンダール:赤と黒(上下巻、光文社古典新訳文庫)カフカ:変身(光文社古典新訳文庫)セルバンテス:ドン・キホーテ(全6巻、岩波文庫)ヴェルヌ:十五少年漂流記(集英社文庫)バルザック:ゴリオ爺さん(新潮文庫)ヘミングウェイ:老人と海(新潮文庫)ヘルマン・ヘッセ:車輪の下で(光文社古典新訳文庫)……11~20…………デュマ:モンテ・クリスト伯(全7巻、岩波文庫)シェイクスピア:マクベス(新潮文庫)カミュ:異邦人(新潮文庫)ジョージ・エリオット:サイラス・マーナー(岩波文庫)ジェームズ・ジョイス:ユリシーズ(全4巻、集英社文庫)ルイス・キャロル:不思議の国のアリス(新潮文庫)トルストイ:戦争と平和(新潮文庫)C・ブロンテ:ジェーンエア(上下巻、光文社古典新訳文庫)スウィフト:ガリヴァー旅行記(新潮文庫)……21~30…………カポーティ:遠い声遠い部屋(新潮文庫)デフォー:ロビンソン漂流記(新潮文庫)サリンジャー:ライ麦畑でつかまえて(白水Uブックス)ユゴー:レ・ミゼラブル(全5巻、新潮文庫)アンネ・フランク:アンネの日記(文春文庫)チェーホフ:桜の園(新潮文庫)ジェイン・オースティン:自負と偏見(新潮文庫)チャンドラー:ロング・グッドバイ(ハヤカワ文庫)メルヴィル:白鯨(上下巻、新潮文庫)……31~40…………ウィングフィールド:クリスマスのフロスト(創元推理文庫)トーマス・マン:魔の山(上下巻、新潮文庫)ジッド:狭き門(新潮文庫)フローベール:ボヴァリー夫人(新潮文庫)シリトー:長距離ランナーの孤独(新潮文庫)サガン:悲しみよこんにちは(新潮文庫) デュラス:愛人(河出文庫)マーガレット・ミッチェル:風と共に去りぬ(全5巻、新潮文庫)ブルースト:失われた時を求めて(光文社古典新訳文庫)スティーヴンソン:ジーキル博士とハイド氏(角川文庫)……41~50………… アーサー・ミラー:セールスマンの死(ハヤカワ演劇文庫)D・H・ローレンス:チャタレイ夫人の恋人(新潮文庫)モーパッサン:女の一生(新潮文庫)アガサ・クリスティ:ABC殺人事件(創元推理文庫)ホロヴィッツ:カササギ殺人事件(上下巻、創元推理文庫)アイリッシュ:幻の女(ハヤカワ文庫)アベ・プレヴォー:マノン・レスコー(岩波文庫)ポー:モルグ街の殺人(新潮文庫) H.F.セイント:透明人間の告白(上下巻、新潮文庫) ロマン・ロラン:ジャンクリストフ(全4巻、岩波文庫) ……51~60…………D.ブラウン:天使と悪魔(全3巻、角川文庫)フィッツジェラルド:グレート・ギャツビー(新潮文庫)トマス・ピンチョン:スロー・ラーナー(ちくま文庫)イプセン:人形の家(新潮文庫)ピエール・ルメートル:その女アレックス(文春文庫)マーク・トゥエイン:トムソーヤの冒険(光文社古典新訳文庫)モリエール:人間ぎらい(新潮文庫)エミール・ゾラ:居酒屋(新潮文庫)ヘンリー・ジェイムズ:ねじの回転(光文社古典新訳文庫)ケイン:郵便配達は二度ベルを鳴らす(光文社古典新訳文庫……61~70…………カトリーヌ・アルレー:わらの女(創元推理文庫)アンデルセン:マッチ売りの少女(新潮文庫)ダンテ:神曲(全3巻、集英社文庫)スタインベック:怒りの葡萄(上下巻、ハヤカワepi文庫)ラファイエット夫人:クレーヴの奥方(岩波文庫)チェスタトン:ブラウン神父の童心(創元推理文庫P・G・ウッドハウス:ジーヴズの事件簿・才智縦横の巻(文春文庫)ゴールディング:蝿の王(ハヤカワepi文庫)P・D・ジェイムス:女には向かない職業(ハヤカワ文庫)ヴァージニア・ウルフ:灯台へ(岩波文庫)……71~80…………ラクロ:危険な関係(角川文庫)グレアム・グリーン:ヒューマン・ファクター(ハヤカワepi文庫)クロフツ:樽(創元推理文庫)ホーソン:完訳・緋文字(ワイド版岩波文庫)ジョン・ル・カレ:寒い国から帰ってきたスパイ(ハヤカワ文庫)インドリダソン:湿地(創元推理文庫)ソポクレス:オイディプス王(岩波文庫)A・C・クラーク:幼年期の終わり(ハヤカワ文庫)ノヴァーリス:青い花(岩波文庫)ストウ:アンクル・トムの小屋(河出文庫)……81~90…………ラディゲ:肉体の悪魔(光文社古典新訳文庫ハインライ:夏への扉(ハヤカワ文庫)キイス:アルジャーノンに花束を(ハヤクワ文庫)ブラッドベリー:華氏451度(ハヤカワ文庫SF)ルイザ・メイ・オールコット:若草物語(新潮文庫)オーウエル:動物農場(ちくま文庫、開高健訳)エラリー・クイーン:Yの悲劇(創元推理文庫)ゴーゴリ―:鼻(岩波文庫)モンゴメリ:赤毛のアン(新潮文庫)D.ケネディ:仕事くれ(新潮文庫)……91~100…………バーネット:小公女(新潮文庫)O・ヘンリー:賢者の贈り物(光文社古典新訳文庫)ディケンズ:クルスマス・キャロル(新潮文庫)テッド・チャン:あなたの人生の物語(ハヤカワ文庫)マンスフィールド:園遊会(マンスフィールド短編集・新潮文庫)マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー:刑事マルティン・ベック 笑う警官(角川文庫)ワイルド:幸福の王子(バジリコ)サルトル:水いらず(新潮文庫)サン・テグジュペリ:星の王子さま(新潮文庫)スティーヴ・ハミルトン:解錠師(ハヤカワ文庫)……101~110…………コリン・デクスター:ウッドストック行最終バス(ハヤカワ文庫)エンデ:モモ(岩波少年文庫)シュリンク:朗読者(新潮文庫)カズオ・イシグロ:日の名残り(ハヤカワepi文庫)コクトー:恐るべき子供たち(岩波文庫)ジュネ:泥棒日記(新潮文庫、朝吹三吉訳)ロアルド・ダール:オズワルド叔父さん(新潮文庫)コレット:青い麦(光文社古典新訳文庫)ロフティング:ドリトル先生航海記(岩波少年文庫)パトリシア・ハイスミス:太陽がいっぱい(河出文庫)チャベック:ロボット(岩波文庫)……111~120…………デボラ・インストール:ロボット・イン・ザ・ガーデン(小学館文庫)魯迅:阿Q正伝(岩波文庫) ボードレール:悪の華(集英社文庫)リルケ:マルテの手記(新潮文庫)ヴォネガット:タイタンの妖女(ハヤカワ文庫SF)H・G・ウェルズ:タイム・マシン(創元SF文庫トゥルゲーネフ:初恋(光文社古典新訳文庫)ゲーテ:若きウェルテルの悩み(新潮文庫)コエーリョ:アルケミスト(角川ソフィア文庫)アシモフ:ミクロの決死圏(ハヤカワ文庫SF)……121~130…………リチャード・バック:かもめのジョナサン・完成版(新潮文庫)ディクスン・カー:三つの棺(ハヤカワ文庫)ウオラー:マディソン郡の橋(文春文庫)アミーチス:クオーレ(新潮文庫)G・バタイユ:マダム・エドワルダ(光文社古典新訳文庫F.エマーソン・アンドリュース:さかさ町(岩波書店)ラ・フォンテーヌ:ラ・フォンテーヌ寓話(洋洋社)ソン・ウォンピョン :アーモンド(祥伝社)O・S・カード:消えた少年たち(上下巻、ハヤカワ文庫SF)フイリップ・K・ディック:ユーピック(ハヤカワ文庫SF)……131~140…………ディヴィッド・トーマス:彼が彼女になったわけ(角川文庫)ジュディ・マーサー:喪失(講談社文庫)【+α】シェイクスピア:ハムレット(角川文庫)ドストエフスキー:罪と罰(上下巻、新潮文庫)トルストイ:アンナ・カレーニナ(光文社古典新訳文庫)
2022年01月19日
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220118:日本近代文学・山本藤光の文庫で読む500+αリスト■これまで書評を発信した日本近代文学作品のリストです。順番は好感度の高いものから、エイヤーで並べています。【日本近代文学・山本藤光の文庫で読む】 (1945年以前生まれの作家)。……01~10…………安部公房:砂の女(新潮文庫)山本周五郎:青べか物語(新潮文庫)川端康成:雪国(新潮文庫)幸田露伴:五重塔(岩波文庫)夏目漱石:吾輩は猫である(新潮文庫)司馬遼太郎:坂の上の雲(全8巻、文春文庫)太宰治:斜陽(新潮文庫)谷崎潤一郎:痴人の愛(新潮文庫)吉川英治:三国志(全10巻、新潮文庫)志賀直哉:暗夜行路(新潮文庫)……11~20…………半村良:晴れた空(上下巻、祥伝社文庫)井伏鱒二:山椒魚(新潮文庫) 梶井基次郎:檸檬(新潮文庫)三島由紀夫:潮騒(新潮文庫)井上ひさし:吉里吉里人(上中下巻、新潮文庫)志賀直哉:暗夜行路(新潮文庫) 菊池寛:恩讐の彼方に(新潮文庫)森鴎外:舞姫(岩波文庫)芥川龍之介:羅生門(新潮文庫) 永井荷風:腕くらべ(岩波文庫)……21~30…………織田作之助:夫婦善哉(新潮文庫)島崎藤村:夜明け前(全4冊、新潮文庫)井上靖:天平の甍(新潮文庫)中勘助:銀の匙(角川文庫クラッシックス)黒井千次:時間 (講談社文芸文庫)石川淳:紫苑物語(講談社文芸文庫)倉田百三:出家とその弟子(新潮文庫)伊藤左千夫:野菊の墓(新潮文庫) 藤沢周平:蝉しぐれ(文春文庫)大江健三郎:万延元年のフットボール(講談社文芸文庫)……31~40…………有島武郎:生まれ出づる悩み(新潮文庫)林芙美子:放浪記(新潮文庫)中島敦:山月記(新潮文庫)長塚節:土(新潮文庫)円地文子:なまみこ物語(新潮文庫)幸田文:流れる(新潮文庫)堀辰雄:風たちぬ(新潮文庫)田山花袋:蒲団(新潮文庫)宮沢賢治:グスコーブドリの伝説(岩波文庫)遠藤周作:沈黙(新潮文庫)……41~50…………樋口一葉:たけくらべ(新潮文庫)深沢七郎:楢山節考(新潮文庫)尾崎紅葉:金色夜叉(新潮文庫)泉鏡花:高野聖(新潮文庫)福永武彦:草の花(新潮文庫)岡本かの子:老妓抄(新潮文庫)吉行淳之介:夕暮まで(新潮文庫)二葉亭四迷:浮雲(新潮文庫) 三浦哲郎:忍ぶ川(新潮文庫)宮本百合子:伸子(新潮文庫)……51~60…………大岡昇平:野火(新潮文庫)小島信夫:抱擁家族(講談社文芸文庫)松本清張:点と線(新潮文庫)石井桃子:ノンちゃん雲に乗る(角川文庫)山崎豊子:白い巨塔(全5巻、新潮文庫)澁澤龍彦:高丘親王航海記(文春文庫)安岡章太郎:海辺の光景(新潮文庫)筒井康隆:家族八景(新潮文庫)三浦綾子:氷点(上下巻、角川文庫)坂口安吾:桜の森の満開の下(岩波文庫)……61~70…………開高健:裸の王様(新潮文庫)武田泰淳:森と湖のまつり(新潮文庫)野間宏:暗い絵(講談社文芸文庫)天藤真:大誘拐(創元推理文庫)谷川俊太郎:谷川俊太郎詩選集(全3巻、集英社文庫)壺井栄:二十四の瞳(新潮文庫)古井由吉:杳子(新潮文庫)丸山健二:夏の流れ(講談社文芸文庫)倉橋由美子:スミヤキストQの冒険(講談社文芸文庫)梅崎春生:桜島(講談社文芸文庫)……71~80…………有吉佐和子:紀ノ川(新潮文庫)堀田善衛:広場の孤独(集英社文庫)阿川弘之:雲の墓標(新潮文庫)国木田独歩:武蔵野(岩波文庫)河野多恵子:後日の話(文春文庫)車谷長吉:赤目四十八瀧心中未遂(文春文庫)小檜山博:出刃(河出文庫)野坂昭如:火垂るの墓(新潮文庫)下村湖人:次郎物語(上中下巻、新潮文庫)江戸川乱歩:屋根裏の散歩者(新潮文庫)……81~90…………島尾敏雄:死の棘(新潮文庫)森瑤子:情事 (集英社文庫)森詠:那珂川青春記(集英社文庫)庄野潤三:夕べの雲(講談社文芸文庫)佐藤春夫:田園の憂鬱(新潮文庫)佐々木邦:苦心の学友(講談社文芸文庫)大庭みな子:三匹の蟹(講談社文芸文庫)船戸与一:山猫の夏(講談社文庫)藤原伊織:テロリストのパラソル(講談社文庫)宇野千代:おはん(新潮文庫)星新一:ポッコちゃん(新潮文庫)……91~100…………小林多喜二:蟹工船(新潮文庫)小松左京:日本沈没(上下巻、小学館文庫)石川達三:蒼氓(そうぼう)(新潮文庫)水上勉:雁の寺(新潮文庫)鶴田知也:コシャマイン記(講談社文芸文庫)野呂邦暢:草のつるぎ(講談社文芸文庫ワイド)中野重治:梨の花(角川文庫kindle版)向田邦子:思い出トランプ(新潮文庫)志水辰夫:行きずりの街(新潮文庫)吉村昭:戦艦武蔵(新潮文庫)………101~110………渡辺淳一:失楽園(上下巻、講談社文庫)横光利一:機械(新潮文庫)泡坂妻夫:亜愛一郎の狼狽(創元推理文庫)津本陽:龍馬(全5巻、角川文庫)徳田秋声:あらくれ(講談社文芸文庫)葉山嘉樹:セメント樽の中の手紙(角川文庫)山本有三:路傍の石(新潮文庫)室生犀星:蜜のあわれ(講談社文芸文庫)辺見庸:赤い橋の下のぬるい水(文春文庫)島田清次郎:地上・地に潜むもの(青空文庫/季節社)……111~120…………眉村卓:なぞの転校生(講談社文庫)田中英光:オリンポスの果実(新潮文庫)石坂洋次郎:青い山脈(新潮文庫)三木卓:野鹿のわたる吊橋(集英社文庫)辻征夫:ぼくたちの(俎板のような)拳銃 (新潮社)徳冨蘆花:不如帰(岩波文庫)高見順:如何なる星の下に(講談社文芸文庫)干刈あがた:ウホッホ探険隊(河出文庫)滝井孝作:無限抱擁(講談社文芸文庫)須川邦彦:無人島に生きる十六人(新潮文庫)……121~130…………田辺聖子:私的生活(講談社文庫)城山三郎:部長の大晩年(新潮文庫)角野栄子:魔女の宅急便(全6巻、角川文庫)鮎川哲也:黒いトランク(創元推理文庫)小林信彦:東京少年(新潮文庫)椎名誠:哀愁の町に霧が降るのだ(上下巻、小学館文庫)――――――――――――【+α】夏目漱石:坊ちゃん(新潮文庫)川端康成:伊豆の踊子(新潮文庫)山本藤光
2022年01月18日
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220117:書評を書いた日本現代文学作品■これまで書評を発信した日本現代文学の作品リストです。好感度の順番で整理してあります。ただしエイヤーの感覚なので、あまり参考にしないでください。末尾に「+α」とあるのは、1著者1作品を原則としていますので、先に発表したものと入れ替えて残っている作品となります。【日本現代文学・山本藤光の文庫で読む】(1946年以降生まれの作家) ……01~10…………浅田次郎:壬生義士伝(上下巻、文春文庫)宮部みゆき:火車(新潮文庫)飯嶋和一:始祖鳥記(小学館文庫)重松清:とんび(角川文庫)池井戸潤:下町ロケット(小学館文庫)小川洋子:博士の愛した数式(新潮文庫)東野圭吾:秘密(文春文庫)村上春樹:1Q84(全6冊、新潮文庫)桜木紫乃:ホテルローヤル(集英社文庫)川上弘美:センセイの鞄(文春文庫)……11~20…………よしもとばなな:キッチン(角川文庫)上橋菜穂子:獣の奏者(全4巻+外伝、講談社文庫)中上健次:枯木灘(河出文庫)横山秀夫:クライマーズ・ハイ(文春文庫)三浦しをん:まほろ駅前多田便利軒(文春文庫)北村薫:スキップ/ターン/リセット(いずれも新潮文庫)朝倉かすみ;田村はまだか(光文社文庫)中島京子:FUTON(講談社文庫)伊坂幸太郎:アヒルと鴨のコインロッカー(創元推理文庫)角田光代:八日目の蝉(中公文庫)……21~30………… 原田マハ:楽園のカンヴァス(新潮文庫)奥泉光:シューマンの指(講談社文庫) 清水義範:蕎麦ときしめん(講談社文庫)西加奈子:サラバ!(上下巻、小学館)恩田陸:六番目の小夜子(新潮文庫)村上龍:半島を出よ(上下巻、幻冬舎文庫)天童荒太:永遠の仔(全5巻、幻冬舎文庫)宮本輝:泥の河/蛍川(新潮文庫)松浦理英子:親指Pの修業時代(上下巻、河出文庫)辻村深月:島はぼくらと(講談社文庫)……31~40…………ねじめ正一:高円寺純情商店街(新潮文庫)盛田隆二:夜の果てまで(角川文庫)有川浩:阪急電車(幻冬舎文庫) 中村文則:掏摸(スリ)(河出文庫)海堂尊:チーム・バチスタの栄光・上下巻(宝島文庫)川上健一:翼はいつまでも(集英社文庫)江國香織:号泣する準備はできていた(新潮文庫)村山由佳:BAD KIDS・海を抱く(集英社文庫)佐々木譲:笑う警官(ハルキ文庫)島田荘司:占星術殺人事件・改訂完全版(講談社文庫)……41~50…………宮下奈都:スコーレNo.4(光文社文庫)三上延:ビブリア古書店事件手帖(メディアワーク文庫)高嶋哲夫:イントゥルーダー(文春文庫)花村萬月:ゲルマニウムの夜・王国記1(文春文庫)あさのあつこ:バッテリー(全6巻、角川文庫)乙川優三郎:霧の橋(講談社文庫)百田尚樹:ボックス!(上下巻、講談社文庫)湊かなえ:告白(双葉文庫)渡辺容子:左手に告げるなかれ(講談社文庫)中田永一:くちびるに歌を(小学館文庫)……51~60…………唯川恵:肩ごしの恋人(集英社文庫)乃南アサ:凍える牙(新潮文庫)乾くるみ:イニシエーション・ラブ(文春文庫)窪美澄:ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)歌野晶午:葉桜の季節に君を想うということ(文春文庫)黒野伸一:万寿子さんの庭(小学館文庫)綿矢りさ:蹴りたい背中(河出文庫)柳美里:フルハウス(文春文庫)芦原すなお:青春デンデケデケデケ(河出文庫)柴崎友香:春の庭(文春文庫)……61~70…………松村雄策:苺畑の午前五時(小学館文庫)朝井リョウ:桐島、部活やめるってよ(集英社文庫)山本文緒:恋愛中毒(角川文庫)桐野夏生:柔らかな頬(文春文庫)姫野カオルコ:昭和の犬(幻冬舎文庫)住野よる:君の膵臓をたべたい(双葉文庫)石田衣良:娼年(集英社文庫)本谷有希子:異類婚姻譚(講談社文庫)原宏一:かつどん協議会(集英社文庫)小川糸:食堂かたつむり(ポプラ文庫)……71~80…………森沢明夫:虹の岬の喫茶店(幻冬舎文庫)小池真理子:恋(ハヤカワ文庫)吉田修一:最後の息子(文春文庫)真保裕一:ホワイトアウト(新潮文庫)荻原浩:明日の記憶(光文社文庫)東山彰良:流(講談社)米澤穂信:ボトルネック(新潮文庫)小路幸也:東京公園(新潮文庫)薄井ゆうじ:くじらの降る森(講談社文庫)矢作俊彦:ららら科学の子(文春文庫)……81~90…………佐藤友哉:デンデラ(新潮文庫)遠田潤子:雪の鉄樹(光文社文庫門田隆将:死の淵を見た男(角川文庫)佐藤多佳子:しゃべれども しゃべれども(新潮文庫)大島真寿美:戦友の恋(角川文庫)朱野帰子:わたし、定時で帰ります(新潮文庫)赤坂真理:ミューズ(河出文庫)立松和平:光の雨(新潮文庫)高樹のぶ子:光抱く友よ(新潮文庫)青山文平:つまをめとらば(文春文庫)……91~100…………山崎ナオコーラ:人のセックスを笑うな(河出文庫)石黒達昌:新化(ハルキ文庫)内舘牧子:終わった人(講談社文庫)西村賢太:暗渠の宿(新潮文庫)中脇初枝:魚のように(新潮文庫)蘇部健一:六枚のとんかつ(講談社文庫)法月綸太郎:キングを探せ(講談社文庫)佐伯一麦:ア・ルース・ボーイ(新潮文庫)柏葉幸子:霧のむこうのふしぎな町(講談社文庫)川越宗一:熱源(文藝春秋)首藤瓜於:脳男(講談社文庫)……101~110…………森博嗣:すべてがFになる(講談社文庫)真藤順丈:宝島(講談社)東川篤哉:密室の鍵 貸します(光文社文庫)桃谷方子:百合祭(講談社文庫)絲山秋子:沖で待つ(文春文庫)藤堂志津子:熟れてゆく夏(文春文庫)森見登美彦:新釈走れメロス(祥伝社文庫)佐川光晴:生活の設計(『虹を追いかける男』双葉文庫)堂場瞬一:チーム(実日文庫)岡嶋二人:99%の誘拐(講談社文庫)……111~120…………馳星周:不夜城(角川文庫)貴志祐介:青の炎(角川文庫)片山恭一:世界の中心で愛をさけぶ(小学館文庫)宇山佳佑:桜のような僕の恋人(集英社文庫)新野剛志:八月のマルクス(講談社文庫)中山可穂:猫背の王子(集英社文庫)大石直紀:パレスチナから来た少女(光文社文庫)北川歩実:透明な一日(創元推理文庫)伊井直行:服部さんの幸福な日(新潮社)土橋章宏:超高速!参勤交代(講談社文庫)……121~130…………町田康:きれぎれ(文春文庫)瀬尾まいこ:そして、バトンは渡された(文春文庫)目取真俊:水滴(文春文庫)村田沙耶香:授乳(講談社文庫)黒川博行:アニーの冷たい朝 (創元推理文庫)柚木麻子:ランチのアッコちゃん(双葉文庫)堀江敏幸:熊の敷石(講談社文庫)谷瑞恵:思い出のとき修理します(集英社文庫)川端裕人:夏のロケット(文春文庫)島本理生:ナラタージュ(角川文庫)……131~140…………白川道:海は涸いていた(新潮文庫)戸梶圭太:溺れる魚(新潮文庫)田口ランディ:コンセント(幻冬舎文庫)凪良ゆう:流浪の月(東京創元社)垣谷美雨:老後の資金がありません(中公文庫)折原一:倒錯の帰結(講談社文庫)松岡圭祐:催眠(小学館文庫)阿部和重:ABC戦争(講談社文庫)佐藤正午:ジャンプ(光文社文庫)永瀬隼介:閃光(角川文庫)……141~150…………平野啓一郎:日蝕(新潮文庫)殊能将之:美濃牛(講談社文庫)古処誠二:フラグメント(新潮文庫)松村栄子:生誕(朝日新聞社)宮木あや子:校閲ガール(角川文庫)金原ひとみ:蛇にピアス(集英社文庫)久間十義:刑事たちの夏(上下巻、中公文庫)本多孝好:真夜中の五分前(2冊セット、新潮文庫)魚住直子:非・バランス(講談社文庫)若合春侑:脳病院へまゐります。(文春文庫)……151~160…………道尾秀介:向日葵の咲かない夏(新潮文庫)井上尚登:T.R.Y.(角川文庫)狗飼恭子:冷蔵庫を壊す(幻冬舎文庫)安達千夏:あなたがほしい(集英社文庫)―――――――――――――――――――――【+α】辻村深月:凍りくじら(講談社文庫)浅田次郎:鉄道員(ぽっぽや)(集英社文庫)重松清:ナイフ(新潮文庫)重松清:ビフォア・ラン(幻冬舎文庫)宮部みゆき:かまいたち(新潮文庫)宮部みゆき:蒲生邸事件(文春文庫)村上春樹:ねじまき鳥クロニクル(全3巻、新潮文庫)
2022年01月17日
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220116:宇山佳佑『桜のような僕の恋人』書評アップしました■ポプラ社「百年文庫」全50巻は、順調に販売されたのでしょうか。私の蔵書「百年文庫11・穴」には、「読書人」(2010年10月22日)の切り抜きが挟んであります。新書サイズで50巻のタイトルは、すべて漢字一文字。アンソロジーとしては、ひどくイメージしにくいものでした。私はそのなかから「湖」「日」「夢」「俤(おもかげ)」「野」のタイトルを選んでいます。収載作に興味があったからで、全巻を揃えたいとは思いませんでした。アンソロジーのシリーズ化は難しく、ポプラ社の英断に拍手を贈った覚えがあります。■宇山佳佑『桜のような僕の恋人』(集英社文庫)の書評をアップしました。国内作家「う」のページにアクセスしてください。山本藤光
2022年01月16日
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宇山佳佑『桜のような僕の恋人』(集英社文庫)美容師の美咲に恋をした晴人。彼女に認めてもらいたい一心で、一度は諦めたカメラマンの夢を再び目指すことに。そんな晴人に美咲も惹かれ、やがて二人は恋人同士になる。しかし、幸せな時間は長くは続かなかった。美咲は、人の何十倍もの早さで年老いる難病を発症してしまったのだった。老婆になっていく姿を晴人にだけは見せたくないと悩む美咲は…。桜のように儚く美しい恋の物語。(「BOOK」データベースより)◎デビュー作ができるまで物語の大筋は知っていました。おそらくほとんどの読者も、そうだと思います。主人公の美咲はやがて「人の何十倍もの早さで年老いる難病を発症してしまう」(文庫裏表紙より)のを知って本書を読む場合、興味は奇跡が起きて病は癒やされるのか否かとなります。あるいは最悪の結末を迎え、そこから新たな物語が動き出すのを見届けることになるかもしれません。病と恋の構図の物語は、枚挙にいとまがありません。堀辰雄『風立ちぬ』(新潮文庫)を筆頭に、昭和では大島みち子・河野実『愛と死をみつめて』(大和書房)がベストセラーになっています。一方、ちょっと不思議な病を題材にした小説も数多くあります。代表的な作品はキイス『アルジャーノンに花束を』(ダニエル・キイス文庫、小尾芙佐訳)であり、最近ではソン・ウォンビョン『アーモンド』(祥伝社、矢島暁子訳)を高く評価しています。両作品とも、「山本藤光の文庫で読む500+α」で紹介しています。宇山佳佑(うやま・けいすけ)『桜のようなぼくの恋人』(集英社文庫)は、どうせそれらの作品の二番煎じだろうくらいの気持ちで読み始めました。ところが読み進めるにつれ、不思議な現象に見舞われました。それは主人公の晴人と美咲の、言葉のキャッチボールの妙でした。第一段階は二人の出逢いです。客として入店した晴人は、美容師の美咲に恋をします。ここでは二人の会話はまったく弾まず、悪送球や落球続きのキャッチボールとなっています。そして第二段階では、ぎこちない二人のやり取りが始まります。清水義範『永遠のジャック&ベティ』(講談社文庫)を彷彿させてくれるような、ちぐはぐさに笑ってしまいました。直球しか投げられない晴人の愛情に、美咲は少しずつ惹かれていきます。この段階の会話は、圧巻でした。あとで知ったのですが、著者は脚本家だったのです。脚本家にとって、良質な会話は命です。(補)『永遠のジャック&ベティ』――英語教科書でおなじみのジャックとベティが、50歳で再会したとき、いかなる会話が交されたか? 珍無類の苦い爆笑、知的きわまるバカバカしさで、まったく新しい小説の楽しみを創りあげた奇才の、粒ぞろいの短篇集。ワープロやTVコマーシャル、洋画に時代劇……身近な世界が突然笑いの舞台に!(Amazonより)宇山佳佑は1983年生まれ。脚本家としてスタートしています。脚本家としてのデビュー作は、2011年に発表された「スイッチガール」という少女マンガが原作でした。その後、映画と出版のコラボ企画「ガールズステップ」で宇山が提案したプロットが採用され、小説の執筆も依頼されるようになりました。(ここまでは「好書好日」2021.7.18のインタビュー記事を参考にしています)したがって、小説家としてのデビュー作は、『ガールズ・ステップ』(初出2015年、集英社文庫)となります。本書には原作があり、それを小説としてリライトしたものです。つまりこれは、デビュー作とはいえないかもしれません。宇山佳佑の純然たるデビュー作は、『桜のような僕の恋人』(初出2017年)とするべきでしょう。そのあたりについて本人は、次のように語っています。――初めての小説のテーマは先方からいただいたものでした。そこで次は自分が書きたいものをと、編集者さんに自分からお願いして書かせてもらったのが『桜のような僕の恋人』です。(「好書好日」2021.7.18)インタビューの続きです。――この作品のプロットも大学時代に思いついたものだ。いつかかたちにしたいと思っていたものの、駆け出しの脚本家が自ら提案する機会は少ない。そこでずっと引き出しのなかにしまっていた。そんな作品が、59万部を越すベストセラーになった。(「好書好日」2021.7.18)◎転調へ導く筆運び第三段階では、美咲が晴人の好意を受けとめます。そして相思相愛の関係となり、ぎこちなかった言葉のキャッチボールに、リズムと敬愛の念が加わります。この転調へ導く筆運びは、一級品です。二人の青春は桜色に彩られていきます。そして、美咲の病が発覚します。人の何十倍も早く、老化現象が進む病です。ここに至るまでに、著者は何度も小さな伏線を張ります。疲れやすくなった。白髪が生えてきた。しかしストーリーをわしづかみしている読者には、効果がありません。美咲は日々老化が進行する病に、なすすべもありません。現代医学では対処できない希有な病。兄は必死に奇跡を求め、美咲のために尽くします。美咲の病について、晴人には知らされません。そして美咲から晴人への、決別宣言がなされます。ここまでが浮沈の激しい第三段階です。第四段階は、晴人の壁打ちキャッチボールになります。詳細には触れません。宇山佳佑は見事に、二人の波乱に満ちたキャッチボールを締めくくってみせます。最後にちょっとだけ、この作品を読むための予備知識を書いておきます。晴人は美咲に、「自分はカメラマンだ」と嘘をつきます。その嘘は作品全体に小さ影を落とし続けます。その嘘の影は、作品の展開と伴走して薄れていきます。そして消え失せた影は、美咲の死後に濃密になって出現するのです。美咲も決定的な嘘をつきます。以下は「青春と読書」(集英社情報誌、発行日不明)からの引用です。これは『恋に焦がれたブルー』(集英社)の刊行記念インタビューで、宇山佳佑が語った言葉です。――僕は、若い登場人物が大人になっていく姿を描くときに、親とか、親以外の大人の助けが必ずあるべきだと思っています。この言葉を胸にして読むと、晴人の会社の上司や同僚、美咲の兄の振るまいがより鮮明なものになります。そして読者はタイトルに含まれている単語「桜」が、物語に鎮座する場面に出逢うことになります。晴人は死の直前の美咲と……。あらかじめストーリーを知っていたものの、随所で感心させられた一冊でした。山本藤光2022.01.15
2022年01月15日
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220115:筒井康隆『人類よさらば』笑える■馳星周(はせ・せいしゅう)は『不夜城』(角川文庫)を「山本藤光の文庫で読む500+α」で紹介しています。作家以前は「本の雑誌」で坂東齢人として、主にハードボイルド小説の書評を書いていました。それらが『バンドーに訊け』(文春文庫)というタイトルで刊行されています。そんな懐かしい人が直木賞作家にまでなりました。昨日用があって、久しぶりに『バンドーに訊け』をひもときました。書評にも才気があふれていました。■筒井康隆の著作は、ほとんど揃えているはずでした。それが『人類よさらば』(河出文庫)を書店で発見したのです。未知のタイトルでした。立ち読みして腹を抱えて笑いました。未公開の短編を所収した、爆笑ショートショート集でした。笑えることを保証します。山本藤光
2022年01月15日
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220114:極上アンソロジー、SFとミステリ■SF作品はもっぱら『20世紀のSF』(全6巻、河出文庫)にたよっています。全6巻の表題作の著者を紹介します。この全集が優れているのは、時代別に各10篇ほどの作品が集められていることです。まるでSF世界の、文学史を読んでいる気がしてきます。――20世紀のSF1・1940年代・星ねずみ(フレドリック・ブラウン)――20世紀のSF2・1950年代・初めの終わり(レイ・ブラッドベリ)――20世紀のSF3・1960年代・砂の檻(J.G.バラード)――20世紀のSF4・1970年代・接続された女(ジェイムズ・テプトリ・ジュニア)――20世紀のSF5・1980年代・冬のマーケット(ウイリアム・ギブソン)――20世紀のSF6・1990年代・遺伝子戦争(ポール・マコーリイ)■昨日書店をサーフィンしていて、上質なミステリのアンソロジーを発見しました。『短編ミステリの二百年』(創元推理文庫)です。すでに全6巻が完結しています。そして第6巻には、クリスチアナ・ブランドの「ジェミニー・クリケット事件」が所収されていました。小森収の編集ですので、さすがのラインナップだと感心しました。残念ながら電子版はありません。拡大鏡の助けを借りての読書は、非常に疲れます。早く電子版を出してください。山本藤光
2022年01月14日
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220113:2つの「ジェミニー・クリケット事件」■まだ駆け出しの会社員のころ、PHPの「ブックチェイス」という情報誌に現代文学の書評を連載していました。出版社や著者から次々と本が届き、2日で1冊のペースで読んでいました。先日、高嶋哲夫『イントゥルーダー 真夜中の侵入者』が文春文庫となりました。前作『イントゥルーダー』は、連載の第一回で取り上げた作品です。高嶋哲夫はいまだに、大切な作家として追いかけています。■『北村薫の本格ミステリ・ライブラリー』(角川文庫)のなかに、クリスチアナ・ブランド「ジェミニー・クリケット事件」という短篇が所収されています。この作品は『招かれざる客たちのビュッフェ』(創元推理文庫)に所収されていました。だからパスをしようとしました。ところが巻頭に、北村薫がこれは「アメリカ版」で、『招かれざる客たちのビュッフェ』の方は「イギリス版」であると書いているのです。結末の異なる2つの作品があったとは、知りませんでした。というわけで、現在「アメリカ版」を匍匐前進で読んでいます。この作品は書評を書くことになります。この作品は私の読んだミステリのなかでも、指折りの絶品でしたので。山本藤光
2022年01月13日
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220112:村田喜代子『飛族』文庫に■政府は極超音速ミサイルを迎撃するために、電磁砲の開発を決めたようです。敵基地攻撃能力の保有を含め、ようやくまっとうな防衛戦略確立に舵を切ったのは喜ばしいことです。理想的な開発は、攻撃してきたミサイルをUターンさせて、敵国の基地に着弾させる技術です。日本なら笑い事ではなく、できるように思えてしまいます。■村田喜代子『飛族』(文春文庫)は、谷崎潤一郎賞の受賞作です。帯コピーを借りれば「ふたりの女性が、離島に住んでいる。92歳と88歳で」という作品です。何だか読んでみたくなりませんか?■宇山佳佑『桜のような僕の恋人』(集英社文庫)の書評を書き上げました。数日最終校正をして、お届けしたいと思います。私はダメ青年の成長物語として読みました。山本藤光
2022年01月12日
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220111:松本侑子『みすずと雅輔』の書評を書くぞ■コロナ第6波到来と、マスコミが大騒ぎしています。コロナ>インフルエンザの図式は正しいのでしょうか。私にはコロナ=インフルエンザ、またはインフルエンザ>コロナとしか思えないのですが。インフルエンザ同様の対応なら、こんな閉塞感は生まれません。■昨日、わかりやすい哲学書の紹介をしました。年末に読んだなかで、赤線だらけになった一冊がありました。紹介し忘れていました。小浜逸郎(こはま・いつお)『日本の七大思想家』(幻冬舎新書)は、丸山眞男、吉本隆明、小林秀雄などの思想をわかりやすい言葉で紹介してくれています。■さらに角川ソフィア文庫の2冊も、表紙のかわいらしいイラストにつられて読みました。こちらはやっぱり難解でした。――フロイト『精神分析入門』(上下巻、角川ソフィア文庫、安田徳太郎・安田一郎訳)――アラン『幸福論』(角川ソフィア文庫、石川湧訳)■NHK「100分de名著」の今月は、「金子みすゞ詩集」を取り上げています。解説の松本侑子は、『みすずと雅輔』(新潮文庫)の著者でもあります。本書は年末に再読し、書評の準備をしていたところです。昨日の第一回放送を観て、全四回が終わってから発信することにしました。第一回は感動的な話でした。山本藤光
2022年01月11日
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220110:平原卓『読まずに死ねない哲学名著50冊』重宝しました■本日からブログを再開します。あまり長く休んでいると、具合が悪いのかと電話がきます。今年も百枚ほどの年賀状が届きました。そのうちの8枚には「今年をもって年賀状を終わりとします」と書かれていました。70歳をすぎると、そんな心境になるのは理解できます。私も年賀状印刷には、うっとうしさを感じています。でも生きている証だと一筆入魂しています。■門田隆将のツイッターの転記です。――「敵基地攻撃能力の保有に対して立憲民主党はどういう考え方なのか」との質問に「まず、敵基地攻撃というもので、何を防ごうとしているのか。これはチョットよく分りません」と泉健太代表。絶句。国民の生命、財産、そして領土を守るのが政治家の使命ではなかったのか。何の為に政治家に? ただ唖然...――私も唖然。小学生にもわかることなのに。この発言については、動画も添えられています。泉のまじめな表情に、寒気を覚えました。■休筆中は、もっぱら哲学や心理学の本を読み漁りました。もっとも堅苦しい類いのものではなく、やさしい解説本でしたが。何冊か紹介します。軽い読物なのですが、もやもやがすっきりとしました。いちばん役に立ったのは、平原卓『読まずに死ねない哲学名著50冊』(フォレスト出版)でした。水先案内書として重宝しました。■鷲田清一・永江朗『哲学個人授業』(ちくま文庫)と久恒啓一『図解でわかる・難解な世界の名著のなかみ』(中経文庫)も難しいパズルを解いているときのような、気持ちにさせてくれました。山本藤光
2022年01月10日
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