我が子の帰宅、就寝に関心をもたなければ、帰る場所としての家庭といえないのでは。
川越少年刑務所の視察は、3回目でした。今回は藤林県議が出所後の社会復帰に焦点を当てた視察に蒲生県議とともに同行しました。前回は2年前、刑務官ら職員宿舎の劣悪な住環境を視察なさる森田実先生に同行しました。
2人とは面識がなかったという被疑者が逮捕されてからまもなく一週間になる。報道では、過去の犯罪歴や犯行に至る経緯、犯行前後の行動の異常性まで次々と明らかになっているが、この事件を振り返ってもう一つ大きな疑問があるとすれば、2人はなぜ深夜外出ならぬ「プチ家出」という行動に走り、周りの大人たちはそれを止められなかったのかという点である。
確かに、思春期の子供が心に抱える悩みや葛藤を周囲の大人が理解するのは難しい。スマートフォンが普及し、LINEやSNSといったコミュニケーションツールが多様化した今の時代であればなおさらである。閉ざされた情報空間の中でごく限られた交友関係だけが深まり、子供の心の微妙な変化がつかみにくくなった―。それは最も近くにいる親であっても、きっと同じ思いだろう。
むろん、2人を連れ去り、殺害・遺棄した犯人への許しがたい憤りや、将来ある2人を奪われた家族の心痛は、察するに余りある。ただ、事件に巻き込まれる前に、被害に遭った2人を守る手立ては本当になかったのか。今回の事件を通して、どうしても考えたいのは、子供の安全を守る親や大人の責任だと思う。
本日のテーマの中で紹介した元横浜市長、中田宏氏のブログによれば、市長時代の平成15年、子供の「夜間外出禁止令」を提案し、保護責任のある親への罰則も含めて検討したことがあったという。
現在、各都道府県で定められている青少年健全育成条例では、子供の深夜外出自体は禁止していない。罰則を定めて禁止しているのは、正当な理由なく子供を連れ回す行為であり、深夜外出については保護者への罰則はなく、「努力義務」とされている。これは事件が起きた大阪府も同様である。
それだけに中田氏の提案は、親の責任の所在を明らかにし、かなり踏み込んだ中身だったと言えるが、結局実現には至らなかった。それでも中田氏自身が述懐するように、「罰則化が目的ではなく問題提起することによって世の中がもう一度、意識しなおすきっかけにしたかった」という思いは、共感できる。
ただ、罰則化の導入については、検討する余地がいくらでもある。ネット上では「法律で規制して片付く問題ではない」「夜間外出が悪いのではなく、外出して何をするかが問題」「親のしつけの問題であり、短絡的すぎる」などといった意見も多く、こうした声も決して無視はできない。
だからこそ、今回の事件を契機に大人が子供の夜間外出の是非について真剣に議論し、子供の安全を守るより良い方法を模索するべきではないのか。子供の深夜外出には常に危険がつきまとう。警察の補導強化や地域の見守りといった側面からだけではなく、子供にとって最も身近な存在である親の責任についても真正面から向き合うことこそ、大人の責務であると信じたい。(iRONNA編集長、白岩賢太)
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