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2008.12.03
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カテゴリ: ホームスクール
息子が最近プレッシャーに悩んでいる。真剣に悩みだしたのは、おそらく今年の夏からだ。


ところが、そういうこととはちょっとずれている悩みなのだと最近気がついた。全く息子(息子の人生)は常に早足で、親はどんなに目を配っている気でいても、ふと気がつくと遠くに独り取残されていることが多い。いまさらと思われるかもしれないが、息子はどうも過去に対してプレッシャーがあるようだ。元HSの悩みである。

誤解の無いように加えると、息子は元HSとういう一つの人生のステージを後悔しているわけでも恥じているわけでもない。むしろひそかに彼の誇りになっているし、確実に人格の土台になっている。「父親の圧力」と「毎日剣道&親友達と密着生活」という二つの理由から中学校へ通いだした息子ではあるが、この三年間で、よりHSでの学求心や向上心へのゆるぎない活力の源=自由、時間、広い見地、などを実感できたと思う。

息子の中学校生活自体は、おかげさまで非常に恵まれていたと思う。管理職も含めた良い教師たち。先輩、友人、喧嘩相手、彼を憧憬のまなざしで見る後輩や女子生徒たち。(剣道着着用時は案外もてたらしい。)素敵な学び舎にお気に入りの体操服。変わらないHS時代の友人関係や活動。のんびりした家庭生活。思春期にはもってこいの部活顧問や父親との根深い確執。等など・・・。

本人にとっては、リアルタイムでの色々な苦労があったと思うが、HS時代に培ったすぐれた洞察力と機転、人間関係調整能力などで、多々の困難を乗り越えることが出来た。これについてはおおむね、本人も彼を迎え入れた学校側も満足であっただろう。

が・・・。一つ課題となる事が・・・。それは彼自身の著しい学求心の低下である。

「HSのやり方でなくとも、学校と塾でしっかり学んでいれば、大丈夫。」と息子は最初どこかで思っていたのだろうと思う。確かに最初は、家で集中して学んでいなかった科目が足を引っ張っていたため、TOPクラスではないにしても成績は中位より結構上だった。しかしHS時代の学び方から次第に遠ざかり、自分にあった教材ではなく、学校教材中心の集団学習に移行していくにしたがって、彼の蓄積された知識は古びて、学力は次第に落ちていった。学力が落ちていったのはすなわち、時間やテクニックの不足ではなく学求心の不足が一番の原因だった。

 あくまで本人にとっては「剣道&友達との密着生活」目当てで、学習は二の次三の次の学校生活だったとはいえ、周囲の目は次第に曇っていく。
 「もともとできる子なのだから、いずれ頑張れば成績は上がる。」的楽観から「成績が伸び悩むのは、本人が怠けているからだ。」という辛口的批評が群がってくる。これは常図ね口に出される事ではなく、そういう視線が各方面から常に突き刺さるのである。特にこの受験を控えた時期になるとなおさらだ。

家で勉強していても学力がついたのだから学校ではもっと学力がつくはずなのに。
HSも良いが、HSでは得られなかったものを学校に通うことで取り戻して欲しい。

こういう考え方が一般だったかもしれない。だが、HSOBの人、現在学校とはなれて独自の方法で、社会や生活と密着しながら学んでいる人たちにしてみれば、こういう考えはいささか誤りであるという思いがあるだろうと思う。いや、その思いは実に正しい。

 私は、断言する。息子は幼い頃「学校へ行くと馬鹿になる。」(学校へ通う人が馬鹿なのではない。息子自身が学校教育にあわないのだ。)と言ったが、本当に各方面で成長が止まり馬鹿になったと思う。そしてそれは予測していた。だから私自身は結果には悩んではいないが、
息子が学校に通うことには当初、断固として反対だった。だが、本人が決めてしまったのだから仕方が無かった。

息子はどこかで実にもったいない事をしたと思っているようだ。しかし人生のうちのたった三年間なので、回り道はしても良い。私は、息子が無能でも怠け者でも、勉強嫌いでもないことを知っている。彼は、ただ選択を間違ったのだ。というより誤った選択を補う努力にかけていた。もっとHS的な要素を、学校生活の中に取り込むことをして良かったと思う。HSと学校はきっぱり別と線を引かなくても良かったと思う。潔すぎたのかもしれない。あるいはそれだけの余裕が無かったのかもしれないが・・・。この余裕の無さは、本人だけの責任ではない。家庭の状況や私の健康問題が十分影を落としている。 そのことは私は心の中で詫びている。色々後悔もしている。あの状況下では、たとえ息子がそれを望んでいたとしても、HS生活に戻る事は難しかった。 だが、それも人生の荒波の一つだ。避け様が無いことだった。それも、息子に与えられた試練。与えられた試練には常に、啓示と到達の門が待っているはずだ。

今後、どういう進路をとるか息子の判断にゆだねようと思う。HSに戻った方が良いのではないかと、今では夫も思っているかもしれないが、けして口には出さない。責任が取れないからだと思う。そう、もはや親では責任が取れない歳になってきている。

私の実家の祖父は、彼がHSの時代には何も文句らしい事は言っていなかったが、心配はしていただろうと思う。最近は、孫のもがき苦しむ姿に、色々な人生のあり方、学ぶと言う事の本当の意味などを大正生まれの元教員なりに考えて色々コメントをくれる。そのコメントが実に、HS時代のよき理解者達が口にしてくれた言葉とそっくりなのである。

「学校の勉強や学校生活の中では、うまくいかなくても、それは人生の落伍者とはいえない。学校の外にでた時に真価が発揮される子もいる。」と、祖父の教職歴や経験から、当時の子供たちの行く末を鑑みながら感慨深げに言う。「昔はそれがわからなかった。」とも・・・。
齢80何歳にして達したらしい。息子と対立している夫に対しては「父親としての期待や悩みはわかるが、後年理解してくれるだろう。」とも・・・。

今現在、息子は高校進学を望んでいるようなので、中学卒業後直ちにHSに戻ると言う選択肢は無いだろうと思う。しかし、学校に通って自分にとっての失敗だったと思うことの数々を取り戻すための時間と環境を、彼は今より欲っしているだろうと思う。色々悩みながら手探りで・・・。



それを評価しているから、あまり現状に苛立ちもしないのだと思う。最近、結構学校化していたなと反省もする点は多々あるのだが。もしも、「学校」という教育施設しか知らなかったら、私はもっと悩み落ち込んでいたかもしれないが。HSと言う営みが私を幾重にも強くしていてくれたのだと思う。

息子の学力不足は、けして取り返しの不可能なほど深刻な状況ではない。そう思える人が結構周囲にいると言うだけだ。それに単に学力ならいつでもどこでも身につける事が出来きる。ただ今の息子に必要なのは、衰えた学求心だと思う。 自分の速度で自由に楽しく学ぶ、 と言う事の大切さ、それ画で切るだけの心の余裕、環境を少しでも満たせる事ができる進路を見出して欲しいと願っている。

高校生活は、大学受験を目標にした学びではなく、人生を精神的に豊かにする学びができる場であって欲しい。大学生活は、彼の生き様を豊かにする学びの場であって欲しいのだ。

生まれつきの才能や環境、高い学歴や仕事の成功、そして経済的な豊かさ。それらは、けして人の一生を万全として満たしてくれるものではない事を、私たちは知っている。ありあまる豊かさや、過ぎた高みは、人を奈落に突き落とす一歩手前であるように思う。本当の豊かさや高みは、その人だけではなく、多くの人を同時に幸福にするための土台であるべきだ。






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Last updated  2008.12.03 16:54:18
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