風来坊

2006年02月21日
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以前見た映画の中でとても印象的な言葉があった。
それが、

『forget(忘れる)』
『forgive(許す)』


どうしようもない、
変えようができない状況に対して、
そのことを
『forget』
忘れようとするのか、考えないようにするのか、
『forgive』
許そうとするのか、受け入れようとするのか。





いろんな子どもたちと毎日接している。


先日、ある子どものお母さんが目の前で、
涙を流した。
張り詰めていた思いが溢れ出た瞬間だったと思う。

この女の子は未熟児で生まれ、
処置の悪さか何か詳しいことはわからないが、
右の肺はつぶれ、
おまけに重度の喘息をもち、
生まれて現在(小2)にいたるまで、
入退院を繰り返してた。
当然のように、


学校に最近通えるようにはなったが、
まったく勉強はできないので、
それを補う理由で自分が教えることとなった。

しかし、実際勉強を教え始めると、
いろいろな問題が起きてきた。

奇声を発したり、
席をすぐに離れたりする。
お母さんに極度に甘える。
ものを粗末に扱う。
字を乱暴に書くなどなど。

頭の中でいろいろな単語がよぎる
この子は、ひょっとしたら・・・。

たぶん、
お母さんは何とか子どものためにと、
いろいろな塾だとか学校だとかに救いを求めて来たんだと思う。
しかし、教えようとするものが諦め、投げ出してしまう。
お母さん自身も、
うまく子どもをコントロールすることができず、
幾度となく自分の気持ちのコントロールもできなくなる。


何気なく発した僕の言葉、
「ごめんなさい、
お母さんも理解していただけると思うんですが、
うるさくて一緒に勉強できないと言う子がいるので、
こちらの教室で僕と1対1で勉強してもらいますね。」


この言葉の後、
お母さんは涙を流しながら、
声を荒げて、

「先生は、迷惑と思ってるんですね、
迷惑って思われてる状況では、
もうここで勉強させることはできません・・・」

いろいろ話をしました。
自分の気持ちを伝えました。

お母さんも落ち着きを取り戻し、
そして最後には、
はじめてみるいい表情にお母さんが変わりました。
お母さんは、
「もう娘のすべてを受け入れました。」
と。




僕は本当に子どもが好きである。
今の仕事が天職だと言える。

さまざまな子どもの本質をみて、
それを受け入れる(forgive)ことが、
僕にとっての出発点。


親と子。

逃げ出すことのできない関係だからこそ、
『forget』
するのではなく、
『forgive』
なんだと思う。


俺もいよいよ
子を持つ、親になる。





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最終更新日  2006年02月21日 18時20分51秒
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