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Aug 21, 2007
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昨日は東京に向かう電車の中でふと思いついて、帰りに渋谷まで足を伸ばして映画を見てきました。知人が撮影にかかわっているということもあるのですが、新聞などでもかなり話題になっている映画だったので見ておきたかったのです。

特攻

見たのはドキュメンタリー映画「 TOKKO-特攻- 」。アメリカ育ちの日系人と日本育ちのアメリカ人の二人の女性が作った映画です。

「カミカゼ(神風)」と呼ばれた元特攻隊員4人のインタビューと、当時を知る人たちや日米の研究者たち、特攻隊の攻撃によって沈められた艦から生き延びた元アメリカ兵たちの証言で構成されています。

冒頭の、特攻攻撃を受けたアメリカ軍艦から撮影された映像が衝撃的。「日本の国のため」と信じて自らの命を賭けて突撃していった特攻隊員については、悲劇的でもの悲しいイメージがあったのだけど、アメリカ側から見たら、まさに人間爆弾。悲哀も郷愁もない、ただの殺戮兵器そのもの。戦争のイメージというのは、その人がいる立場によってこんなにも違うものなんだと思い知りました。

この映画を作る発端になったのもそういうイメージの相違だったようです。日系のリサ・モリモト監督はいつも穏やかな印象しかなかった日本人の叔父が戦時中に特攻隊の訓練を受けていたと知って衝撃を受けたそうです。なぜなら、アメリカで教育を受けた彼女の中では特攻隊というと「アメリカの軍艦に喜んで体当たりして自爆する狂信者」というイメージがあったから。

今は亡き叔父から直接、特攻隊について聞くことはできないけれど、生存している元特攻隊員へのインタビューから叔父がどのような思いで特攻隊の訓練を受けたのか知ろうとしました。

アメリカ側、日本側双方の特攻隊についての資料を綿密に調べて当時の様子を探っています。日本人の私でさえ、「そうだったのか」と認識を新たにすることも多いです。断片的には聞くことはあっても、こうやって一編の映像作品として提示されることで、当時の状況がまとまりをもって理解できます。

資源を持たない日本は、燃料の輸入を止められてガソリンに松ヤニを混ぜて飛行機を飛ばしていたとか、当時の軍の上層部ではすでに敗戦を覚悟していたけれどそれを口に出しては言えなかったとか。



この映画はもともとアメリカで公開されて話題になり日本での上映が決まったそうです。アメリカ人にとっては、バケツリレーとか竹槍訓練なんていうのは聞けば笑ってしまうようなエピソードなんでしょうね。

映画全体としての感想は、今まで見たどの戦争ものとも違ったものでした。ただただ悲しい。日米双方に多くの死者を出し、いったい誰が得をしたんだろう。どちらも、加害者であり被害者。いったいなんのための戦争だったのか。

当事者たちは、お互いに自らの国のため、家族を守るためと信じて戦っているのです。でも、国民が死んでしまったら、「人」がいなくなったら、「国」は滅びます。「人」がいてこそ「国」があるんだから。人を大事にしないで、国の為だなんて、本末転倒。

戦争を始めよう、と決めた人間がいるわけですよね。国のために戦って来い、死んで来い、って言った人間がいるわけですよね。そういう人たちは、逆に言えば戦争を止める決断だって出来た訳ですよね。極端に言えば、自分一人が犠牲になるから多くの国民の命を危機にさらす戦争は絶対に止めよう、という決断だってできたかもしれない。

戦争を始めよう、武力で攻撃されたら武力でやりかえそう、っていうのは、実は簡単な気がします。それよりも、武力ではなく、話し合いで解決しましょう、と言うほうが勇気が入ります。だって、相手側からしたらその人一人を抹殺してしまえば戦争に持ち込めるかもしれないんだから。一人の人間としては、「暴力、武力は使いません」って宣言するほうが、怖い。

映画館には、年配の男性の姿が多かったです。特攻隊や戦争に思い入れがありそうな方々。この映画を見た上で、それでもやっぱり日本は軍隊を持つべきだ、と思う方もいるかもしれないし、戦争は二度としてはいけないと思いを新たにする方もいるかもしれません。映画の感想は、人それぞれだと思いますが、ともかく多くの方に一度は見てもらいたい映画です。十代の若い人たちにも見せたい映画でした。学校で上映すればいいのに。

映画に登場するおじいさんたちの言葉は、すこし聞き取りにくいところもあったので、全編に日本語の字幕があったらいいのにと思いました。(英語のインタビュー部分には日本語字幕、日本語のインタビュー部分には英語の字幕がついていました)

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最終更新日  Aug 21, 2007 05:40:59 PM
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