
テン・テン・ツク・テン・テケ・テン・テン・テケ・ツク・テン
・シャン・テン・の・スッ・テケ・テン・・・
え~、今年も新年となりまして、
正月は冥土の旅の一里塚、目出たくもあり目出たくもなし・・
昔、一休禅師というえらいお坊さんがお詠みになりましたそうですが、
年は明けても、不景気はちっとも明けねぇ・・
なんて洒落てる場合じゃあございませんよ。
内閣が入れ替わり立ち代わり
閣僚も入れ替わり立ち代わり、
変わってないのは不景気だけだそうでございますが・・、
へい、さようでございます・・、ホ~ントに不景気なのでございます。
えェ、噺家が云うんですから、間違いありません。
今どきの床屋談義でございまして・・・、
客1
「あぁ、不景気だからなァ・・。客も減ったのかい?」
床屋
「客ァ減らないんですがね・・。回数が減ってます」
客1
「なるほどなァ・・。おれもそうしょうか・・」
新年だ、さっぱりとやってくんねェ」
床屋
「へい、いらっしゃい。どれっくらいにします・・?」
客2
「そうさなぁ・・、今月ァ、左ィ半分やってくれィ。
・・・右ィ半分は翌月回しだ」
客3
「ちょっと待ってくれィ。
割り勘に乗ってくる奴が4~5人揃(そろ)うまでョ・・」
オヤジ、一生懸命に計算してます・・・
客1
「ちげぇねぇ。ゆんべ、金ぇ降ろそうと、近くのATM機に行ったら、
根こそぎ持って行かれちまった後だった」
床屋
「驚きましたなァ・・」
客2
「うちの会社で開発したATM機を使ったらよかったのに・・」
床屋
「へぇ・・、どんな機械で・・?」
客2
「泥テキやろうが持って行こうとするだろっ・・
するってェと、機械が大声で『泥ボー、泥ボー』って叫び続けるんだな」
床屋
「へぇ・・、そいつぁ、いいですねぇ・・」
客3
「そんななァ生ぬるい。うちの会社で開発した金庫なんざア・・
泥テキやろうが持って行こうとするだろっ・・
するっテェと、金庫が大声で『泥ボー、泥ボー』って叫び続けるんだ」
客2
「それじゃあ、同じじゃあねぇか・・」
客3
「その先がちがうんだな。
10回ぐらい叫んだところで・・突然自爆するってぇ寸法だァ。
泥テキもろとも木っ端みじんだな」
床屋
「金庫の中身はどうなるんで・・?」
客3
「さぁ、・・・そいつぁ、今年の開発テーマだナ」
艶っぽい話ってないですかねえ・・?」
客1
「いい女を振り向かせる薬ってのはどおでェ・・」
床屋
「そんな薬があるんですかい・・?」
客1
「昔から云われてるだろ・・イモリの黒焼きってやつよ。
こいつの粉を振り掛けると、女が惚れてくるってネ」
客2
「粉を振り掛けるなんざァ、旧いねえ・・。おれはスプレーだな。
じゃこうネコのエキスにスッポンのエキス、それにマムシのエキスを
加えたやつだ」
床屋
「効くんですかい・・?」
客2
「効くのなんのって、おれのからだを見てみねェ。
キスマークの地紋ができてらァ」
客3
「そんなもんじゃあ、生ぬるいねえ」
床屋
「もっとすごいのが有るんですかい・・?」
客3
「おれが使ってるやつァ、コウモリのエキスにスカンクのエキス、
サメとマントヒヒとカバとコブラにサソリと毒蜘蛛(くも)と、
あと、なんだかわけの分からねぇエキスをごちゃ混ぜにしたやつョ」
床屋
「効くんですかい・・?」
客3
「効くのなんのって、おれのからだを見てみねェ・・。
骨と皮だけにされちまってらァ」
床屋
「さっきから、なんで骸骨がしゃべってるんか、
ガテンがいかなかったんでやすが、
・・・ははあ、そういうわけで・・」
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