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地獄の辞典 第二回
梵天
大梵天王(だいぼんてんのう)。『悪魔の事典』、『オカルトの辞典』、ともに記載がある。『オカルトの辞典』には、大宇宙(マハーブラフマン)の中心にある巨大な館に棲まう「男神」とある。いわずとしれたヒンドゥー教の神話の神だが。ブラフマー神、ヴィシュヌ神、シヴァ神の三兄弟の長兄に相当する。この三兄弟のうちヴィシュヌ神は、〈維持〉をあらわし、シヴァ神は、〈破壊〉をあらわし、そして、ブラフマー神は、〈創造〉をあらわしている。しかしながら、ブラフマーが〈創造〉をあらわしているといっても、彼(ブラフマー)が宇宙(大宇宙(マハーブラフマン))を創造したわけではなく、ブラフマーが造物主というわけでもない。その点がキリスト教、ユダヤ教、イスラム教など一神教の〈神〉とのちがいである。
仏教による解釈
仏教によるブラフマーの解釈では、彼、ブラフマー即ち梵天は、非想非非想天(有頂天)という高位の時空間に存在することとなっている。これは、無色界における最高の階層ということになる。ヒンドゥー教の神話大系のほぼ最高神といっていい位置づけなので、それにふさわしい解釈となっている、といえる、だろう。
ブラフマーが宇宙(大宇宙(マハーブラフマン))の創造主ではない、ということは先述したとおりである。ヒンドゥー教の神話では、ブラフマーがその存在を始めた時、宇宙はたしかにそこにすでに存在していたのである。ブラフマーが開眼した時、そこには、静かな大海が存在していたとある。とはいえ、ブラフマーが実質上の最高神であり、神々の始祖神であることにはかわりないのである。