大腸肛門専門外科医のひとりごと

大腸肛門専門外科医のひとりごと

2005.09.07
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テーマ: 癌(3566)

【大腸内視鏡】





内視鏡だと病気が見つかった場合、その場で処置(切除)ないし検査(生検)ができる

診断と治療を一度で済ませられるメリットがあります。

ただし、大腸内視鏡は術者の技量でかかる時間、痛みなどを生じる確率に差があります。

はっきり言ってしまえば下手な先生にやられると

痛くて時間がかかる

ということです。

前にも書いたかもしれませんが、大学病院や大きな研修指定病院のような教育機関だと

修行中の先生が多くいるわけで、その先生たちが育つには経験が必要です。

そのためには多少我慢してもらいながらも検査をやらなければいけないので患者さんに



開業医の先生でも上手な先生はいっぱいいます。

口コミやネットでも、あの先生は上手という評判はある程度聞こえると思いますので

近所で上手な先生を捜す、もしくは大きな病院ならば最初からどうしても上の上手い先生

に絶対やって欲しいと強調するようにしましょう。

まあ、教育機関にいる私としてはご協力いただきたいところですが。

海外ならば上手い先生の方がお金がかかるとかありますけど、

日本は誰がやってもお値段一緒ですしね。

でもこういったことをたとえば外来で声高に主張すると、当然ながら

嫌な顔をされること請け合いです。

あんまり自分の意見をがんがん言ってくる患者さんって、こちらの立場からしてみれば

あまり、気持ちのいいものではありませんから。

権利や希望を主張することは大事ですが、大人の対応をしてください。



その先生が信頼できそうなら、

「先生が検査をしてくれるんですか?」

「やってもらうなら先生がいいんですけど」

などといいますと、心の中では

「お前がやれよ」



実際のところ、

「じゃあ、わたしがやりますから」

「上手い先生にお願いしておきますよ」

てなことになることが多いのではないでしょうか。

もちろん全てそう上手くいくとは限りませんが・・・。

「○○先生がお上手と聞いたのですけれども」

などというのもいいかもしれません。

ただ、大腸内視鏡検査もけっこう予約が立て込んでることが多いです。

特に検診のシーズンのあとだとぎゅうぎゅうで、希望通りにいかないことも多いでしょう。

目安としては「痛くないですか?どのくらい時間かかりますか?」ときいて、

「ほとんどの人は大丈夫」「だいたい5~10分くらいで入りますよ」

という先生はまあ、大丈夫かな?

特にトラブルなくスイスイ入れるとだいたい5分以内に奥まで入ります。

名人といわれる先生は3分くらいで入れちゃう。

5~10分くらいならば上手な先生でしょう。スターウォーズ(SW)でいうマスタークラスでしょうか。

ヨーダ様ですね。

10~15分なら標準クラス。

15分~なら見習い=たとえて言うならパダワン(SW)クラスですかね。

修行中の先生でしょう。

あくまで個人的意見、かつ全ての患者に当てはまるわけではないですよ。


検査前の前処置として、注腸同様下剤をかける必要があります。

よく使われている前処置薬として「ニフレック」という薬を飲みます。

厳密にはポリエチレングリコールといいまして、下剤ではなく腸の中を洗浄する薬です。

これが飲みにくいと評判でした。

2Lの水に溶いて飲むのですが、塩っぽい味で、はっきり言ってまずいです。

しかしながら、最近新しくなり味が改善されました。

たとえて言うなら

「あまくないアクエリアスレモン」

といった感じ。

以前に比べればかなり飲みやすくなってます。

どうしてもだめという人は注腸の時にもでてきた「マグコロールP」という薬を

コップ1杯でなく1.8Lで溶いて飲むやり方もあります。

こっちの方が飲みやすいという人も多いです。

「ニフレック」は新聞記事にもなりましたが、腸閉塞をきたしているような患者さんで

内服したことによる腸管破裂などの合併症が報告されました。

通常の注意を守って内服する限りはまず問題ありませんが、不安な人は先生に確認してください。


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Last updated  2005.09.21 12:30:25
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