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2005/08/09
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カテゴリ: カテゴリ未分類
戦争はなぜ起こるか

これについてかなりはっきり言っているのは「アメリカの民主政治」(日本語訳は講談社学術文庫3巻)を書いたトクヴィルです。フランスの貴族であったトクヴィルは1831年から1832年にかけてアメリカに旅行し、いろいろ見聞・洞察したことを書いていますが、この本はいわばフランスの貴族政治とアメリカの民主政治を比較した本といえるでしょう。
とくに面白いのは軍隊と戦争について書いた部分(訳書で3巻の469~509ページ)です。
かいつまんで言うと、民主制国家の軍隊は貴族制の軍隊よりも戦争を好むというものです。です。
貴族制国家は軍隊のトップや将校は最初から貴族で、下士官や兵隊は庶民です。貴族は軍隊に入っても最初から上級官であるから、名誉をあげるとか階級があがるとか俸給が上がるとかいう欲求はない。ところが、民主制国家では、軍人は貧民出身が多く、彼らは軍隊内で階級が昇進するにつれ、権力が増し、俸給があがることを熱心に求めている。しかし平時においてはそういう機会はまれである。だが、戦争になったとき、手柄を立てて昇進する機会がぐんと増える。待ち望んでいた野心を満たすことができる。したがって戦争を求める欲望は軍人という特殊社会内で熾烈になり、やがて政府は彼らの不満を抑えるより、彼らに戦争を与えるほうが楽だと察するようになる。とくにこの野心は社会との靭帯を断って職業軍人という特殊社会にはまりこんだ下士官に強く、彼らは革命、クーデターを起こすことも厭わない。
トクヴィルはこの問題を解決するには将校の地位の数を増やすことだが、これも一時的な糊塗策でしかありえず、根本的な解決策は、そういう野心を持たずいつも平常の社会に戻りたがっている庶民感覚の兵隊の数をふやして軍隊社会を一般社会の風に染まらせること、同時にすでに最上級の地位に昇進して野心をもたなくなった老齢の将校の力を増やすこと、軍人でいるよりも商工業にうつった方が野心を満足させられる機会が多いことを覚らせることだとしています。
これは、わが国のかつての軍人社会をみると実によくあてはまっています。明治以来没落士族や士族以外の貧しい家の子どもが、入学費も学費が要らない軍人の養成学校に入って昇進を目指した。幼年学校、士官学校、陸軍大学校、海軍兵学校などに志望が殺到し、明治末、大正、昭和以後はペーパーテストで成績のよい者が選抜されて上級将校になり、農村出身の若い下級将校などが熱心にクーデターや戦争を求めたことなどはまさにその通りです。
軍人についてハ、すでに書いたように、彼らは戦争の専門家、技術者で戦争のことしか考えない人種ですから、きわめて単純、こういう人たちがやがて政治の中枢を握り、日本の運命を誤らせたのはご存知のとおりです。したがって戦後の憲法で軍隊を文人管理にしたことはきわめて意味のあることでした。


なぜアメリカは戦争を求めるか。だんだんわかってきたことは、「歴史を創る」ためであるらしい。
「歴史を創る」というと、何か偉大なことであるかのように思いますが、要するに世界の現実を時々刻々自前で変えていかないかぎりアメリカはもたないということです。それによってアメリカというより、それで利益を受ける人間を繁栄させてきた。アメリカの連邦政府は内政のこまごましたことは州政府がやるので免除されています。したがって海の向こうの外交、軍事に力が集中する。産軍共同体というすごいものが存在し、科学技術をもちいた軍事力は天井知らずに巨大化し、国防総省が異常に強くなっていることを思うと、さきほどのトクヴィルの指摘を思い浮かべるわけです。
私がくりかえし言いたいのはこういうシステムのなかに日本の自衛隊が組み込まれることの恐ろしさです。次はアメリカのトランスフォーメーションについてしらべたことを述べます。





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Last updated  2005/08/09 10:18:52 AM


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