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昨年の4月4日に母が亡くなった。母の家の後始末に毎金、土曜通って、3か月掛かった。 6月の中ごろ、我が家の軒に若いペアつばめが来て、玄関ドアの上のわずか7センチの枠の上に巣を作った。外壁を塗り直した時、塗装屋が巣を壊してから3年目だった。1羽入れば満員という小さな小さな巣で、コドモも4羽しかいなかった。 「お母ちゃんがツバメになって来たのかな?」と、旅立つまで毎日見ていた。 今年、3月の末につがいが戻って来て、何日もかかって巣を大きくした。人間と同じで、最初の住まいは失敗なのだ。 先週は1羽が昼も夜も座っていたので、(もう卵、生まれたのかなあ)と思っていた。「今年は5羽、育てるネ」ショータンと話して楽しみにしていた。 ところが日曜日の朝、ナニモノかに巣が壊されて、玄関ポーチに散らばっていた。ドア枠に残っているのは1/4ぐらいで、ポーチに散らばっているのは藁と土くれだけの哀れな残骸だった。卵のかけらもコドモも無い。なにもないのに座っていたのだろうか? 誰が壊したのだろうか。ヘビか? 猫か? モズかカラスか? 人間か? 補修用のセメンと散らばった藁を混ぜて巣を作り直してやろうと思った。材料だけ置いておけば、自分たちで作るかも知れない。つばめ夫婦がいつもの所に止まって、グチグチギチギチ文句を言っている。よその家のツバメ達も覗きに来て、同じようになにか喋っている。 家の中にいると、応接間の窓の外を、ひらひら飛んでいるのが見える。 ショータンが、「おれが昼前に作ったる」と言った。何故昼前かというと、テレビの見たい番組がない時間だからだ。 昼前、外へ出て応接間の窓を見上げると、雨樋の上端に2羽が止まっていた。めいめい、嘴に藁しべを咥えている。樋と二階の庇の間に、土も少し置いてある。 ショータンが出て来た。「あそこに新しい巣、作りかけてるわ」「あ。ほんま。考えたな。あそこやったら、もうちょっと大きな巣が作れる」 今朝、25センチぐらいで、巣の形になりかけていた。
2013.04.29
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3月19日 症状が少し落ち着いた8日目、物療が始まった。 ショータンの足はまだ腫れていて歩けないので、クリニック通いもタクシーだ。 ミスターツイトツが、病院までお送りします」と迎えに来た。ショータンは、纏めてあった領収証を見せて、「雑費がかさむ。あんたとこの保険会社はどうするつもりなんかなあ」と言った。ツイトツ君は思案したけどなにも言わなかった。 クリニックの玄関で、「待ってます」と言うので、私とショータンは中へ入った。物療が済んで私が出てくると、ツイトツくんは電話を掛けていた。ショータンはまだ、MRIでも撮りに行っているようだ。「さっきの領収証の分、お渡ししときます」 ミツイスミトモに電話していたらしい。 22000円。メモ用紙に「預かり金」としてサインして引き換えにお金を受け取った。30分あまり待っている間、ツイトツくんはなにをしていたのだろう。 ツイトツくんが帰ってすぐ、私のケイタイに保険会社の係員から連絡が入った。「今日、おタクまでタクシー・チケットをお持ちします」 ショータンが言わなかったら、私はずっとタクシー代払っていただろう。保険会社って、ずるいんだなあ。
2013.04.28
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3月14日--------事故から四日目------ テラモト病院で貰った紹介状とCDを持って、近くのキワクリニックへ行った。老朽化した紀和病院を南側に建て直し、キワクリニックはその向かいに建っていた。各科診察室のドアが円形に並んでいて、スカッとしたきれいなクリニックだ。 若いセンセイは白衣を着てマスクをし、テラモトのCDは見ずに、問診のあと改めてショータンの足のレントゲン写真やMRIを撮った。ショータンの腫れている左手の甲に簡単なギブスを付けて包帯した。私は胸に、サポーターを巻いて貰った。役に立つのかなあと思っていたけど、サポーターをするとかなり楽になった。 鎮痛薬と胃薬と湿布薬を1週間分出してくれた。スミトモの事故係に電話したので、費用は全部自賠扱いだったが、病院往復のタクシー代は、またしても実費だった。 テラモト病院というと、車椅子の老人たちが奥の方からぞろぞろ出て来る光景を思い出す。テラモトのドクターが紹介所を受け取った方だったら、紹介状を読んでCDを見て、「日にち薬やなあ」と言うだけだったろう。入院しなくて良かったとつくづく思う。
2013.04.17
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-----続いて 事故3日目 3,13 事故から三日目、入院に必要なものを詰めたボストン・バッグと大きな紙袋二つを持って、タクシーでテラモト病院へ行った。住まいの近くの病院ならワン・メーターで行けるのに、片道7,700円だった。大阪タクシーは、5,000円以上になったら割引があるが、ハシモトのタクシーはそのまんまだ。見舞いに来たり迎えに来たりしてもとんでもなく高くつく。交通事故のパンフレットには、保険屋が諸経費仮払いをすると書いてあったけど、ミツイスミトモの事故係は一度も私たちの前に現れない。 10時20分前に病院に着いたが、玄関ロビーは人でいっぱいだった。何処の病院にもある『入院受付』の窓がない。ショータンは、昨日電話で入院の予約をしたと受付の事務員に話した。 人が出入りする度に自動ドアから風がまっすぐに入って来る場所の長椅子で待った。なかなか名前も呼ばれないし救急で来た時のカンゴフも出て来ない。ショータンは何度も整形外科の診察室へ行ったが、「もう少しお待ちください」と言うだけだった。「まず診察と言うねんけど、お前の名前はないねんて。一緒に事故に遭うて、診察してもうて、診察券もちゃんと貰うたのにナ」「ここで別に診察して貰わんでええけど」「折角来てんからもう一回診察してもうて、キワ病院へ紹介状書いてもらえ」 11時になり、12時になり、ロビーはかなり空いた。この病院は食堂もなさそうだ。 ショータンが、玄関わきの喫茶室で軽い食事が出来ると聞いて来た。荷物を持って、昼食を食べに行った。サンドイッチやカレーやうどんがあった。うどんが700円だったから、700円のカレーを注文した。こんなに待たされるのだったら、お弁当を持って来るんだった。 普通、予約入院なら10時過ぎには病室に案内されていて、持って来た荷物を整理し、患者にはお昼ご飯が出るのだけど...... 食事代も現金で払い、領収書を書いて貰った。 ロビーの人達はどんどん居なくなって、結局、名前を呼ばれたのは2時だった。「待ったか? おれの患者はいっぱいやろ。おれは人気あるねん」 と、医者はニヤニヤして得意そうに言った。 それでショータンは、入院する気を無くした。 11日に、お薬は貰って帰らなかったとドクターに言ったら、また処方箋を書いてくれた。 キワ病院への紹介状を書いて貰った。『会計』の事務員は、「14000円です」と言った。アホか。ミツイスミトモは何をしているのだろう? またまた電話した。保険会社の係りが電話してから、紹介状を渡してくれた。 処方箋を持って向かいの薬局へ行くのはやめた。 第一タクシーで家へ帰った。車の中でショータンは言った。「あんな病院に入院したら、点滴だけで何万円も取られるワ」 わかってるよ。「入院するのなら近くの病院の方がええ」と私が言ったらガーガーと怒るから言わなかっただけだ。つまらないこと得心する為に時間がかかる。
2013.04.11
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3月13日 事故2日め 我が家の世界1の万能薬を塗ってあげようと言うのに、ショータンは腰痛の時に南大阪医療センターで貰っていた鎮痛剤だけを飲んで寝た。 翌日ショータンは何処にも行かずに、朝の九時過ぎから午後2時までパソコンで株の売買をしていた。2時過ぎに、我慢しきれなくなったのか、テラモト病院に「明日から4、5日入院したいと思います」と電話した。 両足が膝からつま先まで青染んで丸太みたいに真ん丸に腫れていた。うちの薬を貼ったら楽になるのに、アホや。他人が見ていない処で最良の方法を取っても、保険会社は文句言わないのに。 テラモト病院は、入院の用意をして明日の10時頃に来てくださいということだった。運転手がいないから、遠くへ入院したら放っておけて私がラクになる。 わたしはあの病院で再度診察して貰おうという気はない。
2013.04.09
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------続いて------ 3,11 帰ってすぐ、我が家の家伝薬を綿花に伸ばし、胸骨の上にべったりりと貼って、絆創膏で止めた。ワケの判らない薬を貰うよりはこの方が安心で効力は確実だ。 ショータンの足はかなり痛そうだったから、薬を付けて包帯しようかと言ってみたが、「要らん」と言った。ショータンはバカだから、医者の薬しか信用しない。まあいい。我慢するのはショータンなんだから。 夕食は簡単に、煮豆や佃煮類とお漬物と梅干しと味噌汁で済ました。うちの夕飯はいつも6時だ。夕飯後、電話で、ミスター・ツイトツが電話して来て、「お見舞いに行きます」ということだった。今夜はパソコンも止めて早く寝ようと思っていたのに、迷惑なことだ。応接テーブルの上には最近、余分なものがごちゃごちゃ置いてある。胸は、手を伸ばしても咳をしても痛いのに...と思いながら片付け始めた。ショータンは、食堂の方へ来てもらえと言った。こっちもやっぱり、いろいろと片付けなくてはならない。病院へついて来もしなかったのに、なんで家に押しかけてくるのだろう? 7時半ごろ、ミスター・ツイトツは奥さんと一緒にやって来た。 食卓の椅子に座ってもらい、お茶だけ出した。楽しいお客の時はコーヒー、そうでないときはお茶にしている。 ショータンは、「あんたなんで、ブレーキ掛けんかったんでっか」と訊いた。「掛けました。アッと思ってブレーキ踏んだけど、遅かったんです」 ブレーキをしっかり踏んだやつが、3回もバウンドした挙句、8メートルも後ろへ弾んで止まるか? 当てられた車の運転手が足挟まれたりドアが潰れてしまったりするか?「60キロ以上出てましたで」「そんなに出てません」 それなら、よそ見運転だったのだ。 二人が帰ってから見ると、テーブルの上に大きな紙バックが置いてあった。「お見舞いです」とも言わなかった。 中は和菓子で、和風洋風のどら焼き15個とカステラだった。明日から当分買い物行けないのだから、ご飯のおかずになるものとか、お寿司とか、果物がよかったのに。「甘いもんばっかり。賞味期限は1週間やて」「アホなやつやな。おれは糖尿やのに......」 私もショータンも甘いものは好きだけど、体重が増えるのは好きではない。
2013.04.06
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3月11日-------4 家から40キロほども離れたこんな病院に、入院なんてとんでもない。まして希んで来たのではなく、救急車のおにいさん達に連れて来られただけなんだから。そもそも、ショータンが希望した南大阪医療センターは、いま救急病院に指定されているのに、受け入れを断られたというのが腑に落ちない。観光バスが、契約している土産物店へ客を連れて行くのと同じような感じがする。「松葉杖、貸して頂けませんか?」と看護師に言った。「うちは、杖の貸し出しはないんです」 おかしな病院だ。 診断書を書いて貰うのに、更に30分ほど待たされた。なかなか名前を呼ばれないので、会計のカウンターへ「診断書はまだですか」と訊きに行った。「さーっき、お呼びしましたよ」「あっちで待ってましたから、ぜんぜん聞こえませんでしたわ」 ほかに患者の姿も無いのに、看護師か事務員が持って来てくれてもよさそうなものだ。救急車で運ばれて来て、ひとりは歩けないと言っているのに。「診察と診断書とお薬の処方箋、合計14,600円です。それから、このお薬はこの向かい側にある薬局で貰ってください。7000円ほど掛かります」「えー? 事故で来たんでっせ。加害者の保険屋から、連絡来てますやろ」 向こうの椅子からよっこらしょと立ち上がり、ビッコ引いてよちよち歩いて来たショータンが、言った。「いいえ。なにも連絡ありませんよ。一旦自費で支払っていただいて、あとで返して貰われたらいいんじゃないですか?」「なに言うてんねん。救急車で来たのに、誰が支払いするのか訊かんと診察しはったんですか。警察か救急車の人が、連絡先言うて行ってまっしゃろ」「いいえ」「ちょっと電話貸してください」 わたしはケイタイを持っているけど、ショータンは事故に関しての電話代はこちらで持つつもりがない。事務員は奥のデスクにいる男性にどうしましょうかと相談した。男性はちらとこちらを見て、事務員になにやらくしゃくしゃと言った。「あー。お電話は、お貸し出来ません。玄関に置いてる電話でお掛けください」「なんにも融通きけへんねんなァ。こんなアホな病院、ないで」 さっき私が警官に貰った紙に、自分の名前と電話番号と、加害者の姓名電話番号を書いてくれてあったので、仕方なくケイタイでテキに電話した。「あんたが事故起しといて、ほんとは病院まで来て診断の結果を見届けるのがほんまと違いますか。3時間も4時間も経ってるのに、怪我の具合も見にけぇへん、保険屋にもちゃんと連絡してへんて、どういうことですか!?」 ショータンは、電話の相手に噛みついた。「保険屋には連絡しましたけど、病院の方にしてないんですか。すぐに、電話してくれるよう言います」ということだった。 保険屋から病院へ支払承諾の電話があったので、会計の女は診断書と処方箋を渡してくれた。「バカにしやがって。大体、こんな病院へ連れてくるというのが怪しからん。そもそも、テキが自分の家へ帰ってるというのが厚かましい」 痛い脚を引きずって病院の玄関を出て、信号を渡って向かいの薬局へ行った。薬局の女が紙を2枚、カウンターに置いた。「これに、住所氏名と生年月日、既往症と、ほかいろいろと記入してください」「いま事故で、前の病院へ来たんです。その処方箋に自賠と書いてませんか」「病院とうちは別なんです。うちでお薬買われるんでしたら、これ......6300円になりますけど...」「もう、よろしい。そんなもん、要りまへんワ」 外へ出た。ケイタイでタクシーを呼んだ。 家まで、6950円だった。ショータンはお金を払って、領収書を貰った。
2013.04.02
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