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2003.10.29
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カテゴリ: 音楽
楽天広場に出店を開いて、これで丸二ヵ月経過。


ある言葉を耳にすると反射的に思い出すことがある。
たとえば「domestic」→『邪宗門』。
これは高橋和巳さんの小説の中で、旧制高校の生徒が生煮えの芋をかじって叫ぶ冗談が染みついてしまったのです。
「どめすちっく!」→「家庭の!」→「固いのぉ!」

regretなんて言葉も、ユーミンの歌を思い出す。
ところが頭の悪いことに、これがいつも間違っている。
「regret」→「安いサンダルをはいてた」


これは私の記憶回路がショートしてまして、正しくはこうなんです。
「regret」→「憎んでも覚えてて」
強烈な印象を受けた二曲の歌詞がまざってしまったんですね。

「青春のリグレット」(1985)
 ♪ 私を許さないで 憎んでも覚えてて ♪

「DESTINY」(1979)
 ♪ 今日にかぎって 安いサンダルをはいてた ♪

今はこういう言い方をしないけど、以前は「ユーミン派」「みゆき派」などという分類が可能でありました。
まあ、一途なファンが多いのかもしれませんが、私の場合は70年代はユーミンの方を聴いていて、80年代以降は明らかに「みゆき派」でありました。
ほら、リゾートで信州とか湘南とかに出かけたりしないから。
近いんだけどね。

まったく若い娘に弱いんだから。

このごろはなくなってほっとしている質問が、「モーニング娘。の中で誰がいい?」
すまんです、誰がいいなんて、とてもとても。
「どうでもいい」が私の回答でした。
なんといっても個体識別ができない。

誰でもできるか。

ず~っと、アイドルというものに興味がなかったのです。
小泉今日子さんはかなり好きでしたが、それはNHKの近所で偶然本人を見かけて、とってもかわいかったから。
メディアで見かけても、いまひとつ実感わかないのね。
生身の女性の方が好きでした。
おお、すごくいやらしい発言だぞ。

それでも、南沙織というとちょっと胸がキュンとなるかな。
これはね、吉田拓郎&かまやつひろし「シンシア」という曲が好きだったんです。
ゆったりとしたフォークロック調で、ブルースハープ(ハーモニカじゃ)の音がかぶさってくる曲に弱いのね。
フィドル(バイオリンじゃ)やスチールギターも可です。

1974年の曲。
高校2年生の時(からン年間)好きだった子のイメージを重ねて聴いていたのでしょう。

ここのところ思考回路が回顧モードに入りっぱなしだったので、高校時代に好きだった女の子の名前などふと漏らしてしまう。
男女比が[6:1]ぐらいの学校だったし、自分としてはハードボイルドな日々を送っていたので、女の子と話すことはほとんどなかった。
でも、元来は惚れっぽいタチなんで、密かな片思いをじゃんじゃん繰り返すわけだ。

あやりん(仮名♀十代)が言う。
「今頃はいいオバサンだぜ。子供なんか三人ぐらい産んじゃって。」
「どしてそーゆーことを言うかなあ!」(半ばマジ)
「きれいな思い出なんだよね。」
すかさずフォローを入れる、あんたはオトナだ。

片思いはきれいな思い出になってくれるなんて私が気づいたのは、つい最近だよ。



ミカちゃんは僕より一つ年下だった。

高校2年の夏、僕たちは学校のバンガローに泊まる届けを出した。
ふざけた団体名にしたら先生に怒られたので、「水泳部」などという名前にした。
仲間に水泳部なんて一人しかいなかったのに、それで許可が下りる。
これもなんだか欺瞞だよね。

そのころ僕は毎年夏風邪をひいていた。
野球の応援や高原教室で冷房の利いたバスに何時間も乗らされると、必ず風邪をひいてしまうのだ。
7月の終わりに数日寝込み、そして8月に静かな長い夏休みを迎える。

怪しげな僕たち「水泳部」と同じ時期にバンガローにやってきたのは、テニス部の女の子たちだった。
人数が少ないとはいえ見慣れてしまった同級生の女の子たちと比べると、1年生の女の子たちは新鮮に見えた。
おとなしい野獣である「水泳部」は、ろうそくの明かりを囲んで蚊取り線香の煙に燻されながら、どの子がかわいいなどと品定めをした。
僕は髪の長い小柄な女の子がかわいいと思った。
友人と見解が異なるのは、このような場合は幸いである。

学校ではまったく女の子と会話をすることがなかったのに、海辺のバンガローでは少しだけ口が開いた。
ただただ泳いで、食事を作って片付け、夜中にこっそり酒を飲みながらくだらない話をする数日が続いた。
その間にどこをどうしたものか、その子と一緒にボートに乗る機会までできてしまった。
髪の長い子はたまたま僕と苗字が同じだったので、自然にファーストネームで呼び合うことができた。
ミカちゃん!

1973年8月11日本当に月並みな言葉しか思いつかない。
ボートに乗った水着のミカちゃんはまぶしかった。
何か楽しいことを言わなけりゃと思いながらも、やっぱり言葉が浮かんでこない。
泳ぐときは髪を束ねてあるのだが、あの長い髪がそんなに小さくまとまるものなのか。
そんなくだらないことしか言えなかった。
見りゃわかるだろ。

もちろん時は美しいからといって止まるはずもなく、幸せな瞬間はすぐに終わってしまった。
まったく接点のない日常が戻った。
が、友人たちを驚かせたのは、誰も予想しなかった、その後の僕のしぶとさである。
僕は年賀状と暑中見舞いを出し続けた。
毎回ちゃんと返事が来た。
そのハガキは当時の宝物になった。
受験参考書「試験にでる英単語」にミカちゃんの似顔絵を描いた。

その後僕は東京で暮らすようになり、それから一年後ミカちゃんは名古屋の大学に進学した。
夏休み、僕はミカちゃんの実家に電話をかけた。
お母さんが電話に出て、明るい声でミカちゃんを呼んでくれた。

寒い夏で、トレーナーを着ていても薄ら寒かった。
久しぶりに見るミカちゃんの髪はショートカットになっていた。
晴れていたらあの公園に行こうと思っていたと、ミカちゃんが丘の中腹にある平和祈念公園を指さした。
喫茶店で何時間も話をした。
高校時代の彼氏と別れたのだという。
それじゃあオレが代わりに、とは思わなかった。
大学の話をして、下宿生活の話をして、サークルの話をして……。

冬休みにも会った。
同じように何時間か話をした。
これで終わり。
たったこれだけ。

ダッフルコートを着たミカちゃんは、樹村みのりさんのコミック「ポケットの中の季節」の表紙の女の子に似ていた。
かぐや姫の曲「おもかげ色の空」の歌詞を思い出した。
年賀状と暑中見舞いの返事は、今も机の引き出しの中にあるはずだ。
ミカちゃんは僕より一つ年下で身長は152cm、小さくて、とってもかわいかったんだよ!

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Last updated  2004.12.08 04:30:57
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