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2006年12月18日
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テーマ: お勧めの本(8172)
カテゴリ: カテゴリ未分類



「誰か」で、自転車によるひき逃げ事件を解決した「逆玉」の主人公が、今回は、連続毒物殺害事件と、主人公の会社で首にしたアルバイト女性の引き起こすトラブルに巻き込まれ、心ならずも素人探偵として事件に関わっていく。

今年後ミステリーナンバーワンの呼び声も高いが、確かにそれもうなずける傑作ミステリー。
宮部はこうした市井の人物を描かせたら他を寄せ付けない人物造形をするが、今回もその力量を遺憾なく発揮。登場人物がそれぞれに欠点を持ちながらも一生懸命に生きていく様を丁寧に描き出す。こうした人物造形が、悲惨な事件であり、陰惨な犯人の性格を描きながらも、読後感を汚くしないことにつながっていると思う。

謎解きも見事ながら、新しい形の犯人像を造形する中で、「勝ち組」「負け組」が喧伝される世の中が続けば、「負け組」の人間がこうした復讐にでることもあり得るのではないかと思わされた。

一読、だれもが感じるのは、これほどひどくはないが、こういう風に何でも悪い方に受け取ってトラブル起こす人はいるよな、と感じる人が多いのでは無いだろうか。

殺人や事件を描く以上、決して爽やかな後味とはいかないのは当然だが、それでもなお、人間を信じようとする作者の姿勢に共感する。

一読、損のない小説です。






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最終更新日  2006年12月18日 16時34分20秒
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