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2006.07.16
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実は、昨日このblogを読んでくださったbilbo1817さんのBBSに、私がたまたま書いた、HONDA
の風洞についてのコメントがあるのですが、今日、偶然にも新聞紙上でその問題に答えるかのような記事が
載りました。
私のコメントは「HONDAが実車サイズの最新の風洞を完成させましたが、それはとりもなおさず、気体の地表
境界面付近の高速移動物体にかかわる気流の振る舞いをシミュレートできるシステムと可視的に解析できるソフ
トウエアが少なくともHONDAには存在していないことを雄弁に示していると感じます。」
というものだったのですが、まさに、地球シミュレーターという世界でも屈指のスーパーコンピューターシ
ステムが必要なほど困難で膨大な演算を要求する課題だったと言うわけです。そしてそのソフトをHO
NDAは持っていないと書きましたが、きっとそれは間違いでしょう、持ってはいても、精度と速度は充分
でないというところでしょうか?
今回の東京大学生産技術研究所では、当に私が必要だと言うところの可視的にしかも非常に高速に解析
できるソフトが開発されたわけで、これをHONDAやTOYOTA、SAF1が優先的に使えるようになれば良
いがなあ~等と思ってしまったわけです。
タイミング的にドンピシャの記事で私は驚きましたが、私が7月9日のblogに書いた「F1のキーテクノロジ
ーとは何か」に書いたことそのものを実現できるシステムが地球シミュレーターであり、そのソフトがわが国で
は東京大学が完成させたと言うことで、これで、HONDAやTOYOTA、SAF1がこの技術使えれば、
設計してすぐに、シミュレーターで解析できるので、実際に僅かに形状の異なるいくつもの部品を作って
実車に取り付けて風洞実験を行うという作業をしなくても、ほぼソフトウエア上で物になるかどうか判断
がつくようになるため開発のスピードは飛躍的に速められることになるはずなのです。
HONDA、TOYOTAなら、地球シミュレーターに近い能力のスーパーコンピュータを導入できるでしょう
から、是非このソフトを利用してもらいたいものです。
まあ、HONDAもTOYOTAもおそらくこれまで当然同様なアプローチを独自に試みていたはずですが、
この規模のシステムで正確な解析が迅速に出来ることが示されたと言うわけでなので、自前のシステム
とソフトより正確で処理速度が圧倒的に速く精密に解析できるなら、是非ともこの成果を有効に使ってルノー
やフェラーリと対等以上に戦ってもらいたいものです。
来年はHONDAとTOYOTAとSAF1でトップ争いをして欲しいものです・・・・・笑。
 





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最終更新日  2008.04.11 20:00:02
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空力だけは概算?  
ROLAN727  さん
大型コンピューターによるシュミレーション技術は新化が激しいのですが、空力部門だけは風洞が頼りというのは不思議ですね。実験を繰り返すしかないという状況に風穴を開ける「地球シュミレーター」のソフトは面白いと思います。風洞を借りている?AGURIなどはのどから手が出るほど欲しいでしょうね。開発の現場で使いこなすには時間がかかるかも知れませんが。 (2006.07.20 08:52:39)

Re:空力だけは概算?(07/16)  
遼 銀河  さん
コメント、有難うございます。

現時点のF1各チームのエンジンの差は非常に少なく、(現状を超える新技術が無い等)サスペンションジオメトリーはコンピュータによる解析技術が進歩したため、タイヤの発生するグリップ力を数値化すれば、即座にタイヤと路面の接地角度が予想できるので、タイヤメーカーからの温度とグリップ力の関係シートが入手できれば、車体のロール率とサスペンションのスイングによるキャンバー変化の最適化が可能になってしまいます。
そうして考えてみれば、やはり最大の差別化が可能な部分はエアロダイナミックスだと思うのです。

地球シミュレーターと言う3年前なら世界最速のスーパーコンピューターを使って得られる解析結果はさすがに精度、速度共群を抜いているはずです。
空気の密度を計算する上で、一つの空気の粒子と言う観念をどのくらいのサイズに置き換えて計算するか?と言うところで、スーパーコンピューターの地球シミュレーターが優れていたと思われます。
金属などの固体の応力解析は有限要素方で私のPCでもほとんど正確演算できますが、気体の力学的振る舞いに関する基礎的な公式は航空機の技術とともに進歩してきたはずで、F1のように地表すれすれの境界面付近の振る舞いについての計算方が充分確立していないことが挙げられると思うのです。
そのため、風洞によるトライアンドエラーの繰り返えしと言う古典的な手法が生き残っていると思われました。
でも、もし地球シミュレーターがSAF1で使えることが確実になれば、ボディーとパーツの正確な三次元モデルさえモデリングできれば、それを東大に送って依頼することがインターネットで行えるはずですから案外使える可能性はあると思います。
オペレーターはたぶん一人で良い筈なので、その費用を払えば後は、地球シミュレーターの使用権の問題だけかと思います。
(2006.07.20 11:12:24)

Re[1]:空力だけは概算?(07/16)  
Strikes Back!!  さん
確かにスーパー・コンピュータを用いたシュミレーションは現代のエンジニアリングの重要な部分を占めるまでに成長はしていますが、これらは風洞実験とともにあくまでもシミュレーションの域を出ません。
今のオープン・ホイールのウィング・カー、いわゆるフォーミュラ1などはタイアの偏磨耗による形状変化、搭載燃料の変化による応力変化までは対応できないでいるのが現状です。
フル・フェアリングのスーパーGTマシンなどはかなり正確にシミュレーション・データが生かされるようにはなってきましたが、やはりタイア・コンパウンなどのオリジナル・ヴァリエーション(個体差)などによってシミュレーション通りには行かないことも事実です。
なるべく、ドライヴァーの負担を軽減するための解析ですが、何か一つでもパラメータが狂うとグランド・エフェクトそのものが狂うことになりますから、レーシング・ティームの中ではデータはあくまでもデータでしかなく、結局のところはドライヴァーの感性性能に頼っているのが現状です。
(2006.07.21 16:32:09)

Re[2]:空力だけは概算?(07/16)  
遼 銀河  さん
Strikes Back!!さん
レース現場からの声と感じました。貴重な書き込みありがとうございます。

私は、機械系のエンジニアなので、シミュレーションはマシン設計に役立てると言う以外のことは想定していませんでした。つまり、フォーミュラで言えばシャーシやサス、フェアリング、ウイング、などのあらゆる部品を設計する際に、三次元でモデリングし、個々の強度をまず検証し、全体としては組立図で空力の検証をしようと言うわけです。マシンの設計者の立場に立てば、全てに優れたものを選ぼうとする訳で、そのためにアイデアを凝らすことになります。
机上の論理が空論にならないのは実際に作り、風洞でテストし走らせることで洗練されるからでしょう。
デザイナーは、マシンのパフォーマンスを上げることにだけ力を注ぐことになると思うわけで、此処で言う地球シミュレーターによるシミュレーションはレースの中での戦略やタイヤの消耗やグリップの低下を予測するシミュレーションとは趣を異にすると思います。
地球シミュレーターの成果は当にマシンコンストラクションにとって画期的な、精密な気流の振る舞いが可視化出来たことにあります。そしてそれはライドハイト等だけでなく、タイヤ表面にグレーニングがあるときのタイヤ周りの空力特性も明らかに出来るレベルと考えられます。当然荷重がかかってボトミングしたり、ピッチングまたローリングしたときもシミュレートできるわけで、現在のF1のグランドエフェクトとウイングの効果、ドラッグの減少を実現する設計に比類なき威力を発揮できると考えられるわけです。
地球シミュレーターは世界で最高水準のスーパーコンピューターであり、その能力を最大限に利用したソフトが東京大学で開発されたのです。
それは解析精度と言う点でも演算速度と言う点でも世界最高レベルのものである可能性が大きい、最先端の科学技術なのです。 (2006.07.21 23:57:37)

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