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2006.07.17
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先日は、バルブ周りや、ピストン周辺で起きるトラブルなどについて書きましたが、もう少しその辺について書いてみようと思います。

各部品が極限まで軽量化されているというのは前にも書きましたが、部品にクラックなどが入る原因は、一般的応力ばかりではありません、熱による耐力の低下も大きな問題ですし、振動や高周波の共振も油膜切れや金属の脆性破壊に繋がることがあると思われます。

エンジンにとって、振動とは金属の伸びと縮みがごく短いサイクルで繰り返すことであり、振幅によっては交番荷重となって、衝撃荷重についで危険な応力となることが知られています。

そういう意味ではコネクティングロッドやピストンピン、クランクシャフトなどは非常に過酷な状況にさらされている訳ですが、単純な繰り返し応力や交番荷重のほかに、回転するクランクシャフトに取り付けられたピストンやコネクティングロッド等の運動体はクランクシャフトの回転軸に対して動バランスを取る必要があり、もしクランク軸周りのバランスが完全に取れていれば、エンジンはほとんど振動せず揺れe>


クランクと言うのは回転中心に対し、偏芯したクランクピンを持つ構造なので、クランクピンに取り付いたコネクティングロッドやピストンの重量と偏芯したクランクピンの重量のアンバランスに見合ったカウンターウエイトをちょうど反対側に取り付けることで、回転に伴う遠心力で起きる振動の発生を防いでいます。

しかし、レシプロエンジンではピストンとピストンピンは純粋な往復運動ですから回転部分での打ち消し効果では、それらの慣性が引き起こす振動をなくすことは出来ません。

そこでシリンダのレイアウトを対向させたエンジンなどが考案され、ポルシェ等は水平対抗エンジンでピストンの質量が起こす往復運動の慣性による振動を打ち消す様に作られたりしていました。

ただし、現在のF1では90度V型しか認められておらず、またもし認められていたとしても水平対抗エンジンで得られるメリットよりV型エンジンのレイアウトで得られる空力的メリットの方が車の総合性能の向上に効果的なことから、いずれにせよ現在はV型エンジンが選ばれていると考えられるのです。

市販車の4気筒エンジンではそうした振動やコネクティングロッドが理論的に有限の長さであるが故の2次的不釣合いを打ち消すために、ランチェスターバランサー等のバランサーやそれをさらに三菱が改良したクランクケースのローリングモーメントも打ち消すバランサーなどが広く用いられているのです。(この辺の技術については説明がなかなか難しいので、興味があればランチェスターバランサーなどをキーワードにしてweb検索でお調べください現在のF1エンジンは、90度V型であり、クランクピン配列はおそらく180度でフラットプレーンと呼ばれるものでしょうから、一次バランスは悪いが、カウンターウエイトを必要とせず軽量に作れて、高回転に都合が良く、片側のバンクで均等周期爆発を得られるので、エキゾーストパイプが等長で理想的に作れることもあって、F1エンジンには向いていると言えるでしょう。

F1エンジンでは、このフラットプレーン特有の一次振動を打ち消すための一次振動偶力バランサーシャフトを内臓していると考えるのが妥当であると思うのですが、見ていないのでなんとも言えません。(いずれにせよ、エンジンの動バランスと言うのは、なかなか理解も難しいし、説明も難しく、もし、解説を試みるとすれば、そうとうな長文になってしまうでしょうし、私もきちんと説明し得ないと思うので、さらに興味のある方は、Web情報を検索するか、や文献等を参照してみていただければと思います。)私は仕事柄、まれに1万rpmを超えるスピンドルなどを設計することがあるのですが、回転軸の僅かな振れも問題になり、ベアリングの等級や組み込みクリアランス、発熱への対応、給油等、かなり気を使っても上手く行かないことがしばしばあって、もともと円筒回転体でない4サイクルエンジンが2万rpmで回ると言うことの物凄さを強烈に感じています。

続く





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最終更新日  2014.01.30 22:45:38
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