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 最近、JR旅客6社の営業施策の変化に関する報道が続いています。
青春18きっぷの利用ルールが変更される
往復乗車券、連続乗車券の廃止(長距離乗車券の往復割引ルールも廃止)
 それぞれの施策の変更には、それぞれの理由がり、それに対して賛否様々な意見が寄せられています。
 青春18きっぷに関しては、5日分を有効期間内なら別々に利用可能、加えて複数人が同日に利用可能だったものが、5日間連続の有効期間で1人での利用に限られることとなりました。代わりに、5日用に加え3日用の新規発売と、自動改札が利用可能となる措置が取られています。(従来の青春18きっぷでは有人改札を通らなければならず、利用期間中、設置が少なくなった有人改札口の混雑を招いていた)
 私からは、以下の3点を指摘したいと思います。
1 一方的なサービス「切り捨て」ではなく利用者に代わりとなる新たな「価値」を提供できないのか
 最近のJRは、利用者減を理由に鉄道だからできるサービス、あるいは気軽に、少しでも安価に利用できるサービスを、新たなサービス提供無しに止めてしまう事例を多く見かけます。JR各社で事情は異なりますが、車内販売の廃止、安価な割引きっぷの廃止、果ては駅のトイレの廃止に至るまで、いろいろなものがあります。時代が変わり、利用者の利用傾向に変化が表れているのは事実です。また、人件費の増加や人員確保の問題もあるでしょう。そこで、知恵と他者の協力が必要になってくるのではないでしょうか。力を他者から借りるには、それなりの信頼関係の醸成が必要です。一例として、沿線地域が主体となった石北本線特急の車内販売を掲げます。今冬も車内販売が実施されます。
2 JR自身の「都合」を前面に押し出し過ぎていないか
 現在のJRは、今から40年以上前、赤字を出し続けて破綻したと言われていた国鉄を解体して、地域で分割した株式会社に移行し、その代わりに一定額の負債を新たな株式会社から切り離す「国鉄改革」を起点としています。国鉄改革で、全国1社体制だったものを6つの分割会社に移行させるに際し政府は、会社が分かれたことで利用者に不便をかけないという「公約」を掲げました。それが現在のJRの運賃料金体系に表れています。
 時が経過し、JR各社が自社の運行や営業を優先させる中で、会社またがりのサービス、列車の運行や割引きっぷの設定などが、次第に整理されてきました。
 しかし、会社がまたがっても維持されるべきサービスはあるはずです。例えば在来線会社またがりの夜行列車。東京~大阪間に何便もの夜行バスが走っている現実。なぜそこに未だ着目しないのでしょうか。
複数社またがりのきっぷでは、自社の取り分が少なくなる。複数社またがりの列車では、運行の調整が大変。一見、もっともらしい理屈ですが、国鉄改革の出発点から考えると、これはJRにとって「宿命」であり、むしろ逆手に取って営業するくらいの意欲が無ければならないと思います。どうしても現状のJR各社間では難しいのであれば、夜行列車専門の会社を立ち上げ、運行を任せてしまう方法もあるでしょう。究極のところJR各社の「面倒くさい」という意識が、根底にある気がします。
3 新たな顧客の獲得につながる「夢のある旅」を提供できないのか
 国鉄解体の直前からJRが発足したしばらくの間、JR各社は国鉄改革の負のイメージっを払しょくしようと、様々な営業施策に打って出ました。中にはサービスの量として過剰だったり、ニーズを読み違えた見当外れのものもありましたが、次の時代を作ろうとする一生懸命さは伝わってきました。そのひとつが、JRの全国鉄道網を活用した営業施策でした。青春18きっぷは、1982年の販売開始なので時期的には早めですが、国鉄~JRの全国鉄道網を活用した商品であり、超ロングラン商品となったわけです。
 JR発足後、廃止や第3セクター鉄道へ転換した線区が増えたり、青春18きっぷが利用できる夜行列車がなくなったりと、青春18きっぷを利用する「お得感」は年々減ってきています。それでもなお、このきっぷに魅力を感じるのは、JR線ならどこでも乗れる、どこへでも行けることにあるのではないでしょうか。知恵と工夫、そして体力をフル活用して目的地へ向かう。目的地までの行程を楽しむ。JR全線普通列車のみ有効というシンプルなルールから広がる「夢」が、鉄道そのものの魅力を提示し、そのことで新たな鉄道利用者の獲得、リピーターの獲得につなげられるはずです。非常に残念なのは、青春18きっぷ利用者を、JRにとってもプラスになる優良な顧客に育てていく、その発想がJRに無いことです。
 往復乗車券に関しても、新幹線網の整備が、往復割引制度の再評価につながると考えています。一例として、東京から鹿児島まで新幹線で7時間弱で着く時代になりました。「4時間の壁」という言われ方もしますが、私もこの夏、この区間を往復新幹線で移動しました。移り行く車窓を楽しみながらの旅は、飽きることはありませんでした。これも「夢」のひとつです。その時利用したのが、乗車券の往復割引制度でした。
 青春18きっぷの利用ルール変更については、それに反対するネット署名が行われ、約3万4千筆を集めました。しかしJR東日本はその署名の受け取りを、事実上拒否しました。

 予想された事態の一つではありましたが、私自身、怒りではなく大きなショックと落胆を感じました。
 確かに、顧客の要望の中には、カスタマーハラスメントともいえるものもあります。しかし鉄道利用者、多くの鉄道を愛する顧客は、鉄道事業者に無理強いをせずに、客観的かつ前向きに事物を捉えています。このネット署名の主宰者も同じと言ってよいでしょう。
 JR旅客各社には、鉄道利用者を置き去りにしないでほしい。切にそう願います。




 今年、関東から九州まで新幹線で往復しました。味気ないと思っていた新幹線の車窓が、実は豊かな日本の風景を映し出していることに気づきました。新幹線によって、鉄道による長距離旅行がしやすくなった側面はあると思います。そこに有効な営業施策を打てないものでしょうか。(12月13日追記)






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Last updated  2024/12/13 11:48:45 PM


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