懐かしい人からChristmas&Happy New Yearメールが来た。2年前の春、出張でスイスのバーゼルへ行ったとき、宿泊先のホテルの地下から日本の歌が聞こえてきた。「上を向いて歩こう」だった。即座にチェックインを済ませ、地下に降りると黒人が一人、ピアノで弾き語りをしていた。我々を日本人だと理解したらしく、一緒に歌わないかと言ってきた。少しばかりお酒も入っていたこともあり、数人で「上を向いて歩こう」やビートルズの「Let It Be」、エリッククラプトンの「Tears in Heaven」を歌い盛り上がった。そのとき彼がもうひとつ日本の歌を知っているといって歌いだした。その歌は滝廉太郎の「荒城の月」だった。ローマ字で書かれた1枚の歌詞カードを見ながら一生懸命日本の歌を歌う彼に、異国の地に仕事に来ていた私たちはとても癒された。その彼が私に「この歌は1番までしか知らない。もし続きを知っているなら教えてくれ」といってきた。「いまは出張できているから日本に帰ったらわかる。メールアドレスを教えてくれたらそこに送ってやるよ」と。彼はポケットの中の名刺をくれた。 10日後に日本に帰った私は即座に荒城の月の歌詞をインターネットで調べ、2番と3番をローマ字に変換しメール配信した。数週間後、彼からメールが来た。そのメールにはこう書いてあった。君にもらった歌詞を今もいろんなところで歌っている。数日前、日本人親子が来た。両親と女の子二人で観光している様子だった。荒城の月を歌いだすと、少女が立ち上がってきた。ピアノの伴奏に合わせ歌う少女の音色はとても美しかった。その音を録音してよく聞いている。本当に感謝している。これからもこの歌を歌っていきたい。またスイスに来たときは歌を聴きに来てくれと書いてあった。 今日も地球の裏側で美しい日本の歌が奏でられている。