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オペラ鑑賞備忘録

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オペラ鑑賞備忘録Ⅰ
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March 21, 2021

今日はヴェルディの「マクベス」を映像で鑑賞しました。エイドリアン・ノーブルの演出、ジェームズ・レヴァイン指揮メトロポリタン歌劇場による演奏、2008年1月12日の収録です。

さる3月9日、レヴァインが亡くなりました。享年77。大きな足跡を残した音楽家であり、追悼の意をこめて鑑賞する作品を一つ選ぶことは難しいかもしれません。しかし、私には容易でした。

今世紀の初めまで、私はメトロポリタン歌劇場を一流とは認めつつも、「超一流」とは思えませんでした。あれだけの大歌手を揃えることができる劇場であるにもかかわらずです。それは、オーケストラの技量に疑問があったからです。

オペラハウスとコンサートのオーケストラを同じ土俵に乗せることには異論があるでしょうが、米国といえば技量に優れたオーケストラが軒並み揃っています。どうしてもMETが聞き劣りしてしまうことは否めませんでした。

レヴァインの芸風も、オーケストラビルダーというよりは、音の塊をぶつけてくるようであり、レヴァイン帝国METにあまり関心が湧かなかった理由の一つです。

ところが、10年ほど前だったでしょうか、この「マクベス」を見て驚くことになります。前奏曲を聞いた瞬間から、METがヴィルティオーゾオーケストラの仲間入りをした衝撃を受けたのです。この功績はレヴァイン以外の何者でもないでしょう。

これが機会となって早速WOWOWを契約し、東劇にも年何回かは足を運ぶようになりました。今ではMETが最も好きなオペラハウスの一つとなっています。

なお、ノーブル演出による「マクベス」は6年後の2014年にルイージの指揮で再演されています。
https://plaza.rakuten.co.jp/glyndebourne/diary/201908010013/

Maria Guleghina: Lady Macbeth
John Relyea: Banquo
Dimitri Pittas: Macduff
The Metropolitan Opera Orchestra, Chorus, and Ballet
James Levine
Production: Adrian Noble
Live from the Met, 12 January 2008