
ショコタ;
チヨコのバースデー連載、ワインの続きです。前回は 白ワイン
でした。
我が家では、おなじみの顔です。今回はチヨコの誕生日ということで普段、愛飲している
ジャコバン
ではなくボーヌの1級を選んでみました。
今年のお正月に、収穫年は同じで畑の違う
【 ルイ・ジャド ボーヌ・プルミエ・クリュ・ アヴォー 1998 】を
チヨコと味わったので印象を比較してみたいと思っています。
トクトクトク。色合いは濃く、思っていたよりも若々しいような気がします。
乾杯をし、ほぼ同時にグラスに鼻を近づけて香りを聞きます。
ゴク・・・・・・。
しばし沈黙です。
チヨコは言葉を発することなく、液体を口に含みます。
・・・いい香りです。まだ沈黙は破られません。
ハッピーバースデーの空気とは違うものを感じながら、
僕も液体を含みます。
ゴク・・・・・・。
普段なら、キャーとか、チョーとか、ウヒョヒョォ~とか
奇声を上げながら味わいを表現するチヨコが、
黙ったままです。僕も黙ってしまいました。
・・・この沈黙から状況を察すると、
ワインが期待していたよりも美味しくないので言葉がでない。
ましてやバースデーに選んだワインだもの。
普段なら、これ、マズイよぉ~と平気で言えるチヨコでも
僕に気を使って何も反応が出来ない沈黙である場合と
あまりのおいしさに何も言うことができないまま、凝り固まってしまった場合との
ふたつが思い浮かんだのだが、そのどちらの場合でもなかったのです。
物静かで、張り詰めた1本の線を見せられたようでした。
舌に辛さを感じます。口の内側が小気味よく引き締まります。
グラスを揺らしてもうひと口。一瞬前よりもずっと果実味が増して、液体の肉付きもよくなっています。
再び辛さと収斂が静かに訪れてきました。
ようやく小声で、おいしいと言葉を音にすることができました。
チヨコも静かに、おいしいねぇ。と発します。
同じ作り手、収穫年も同じで、ボーヌという括りの中の畑違いで
これほどまでに違うものなのかと思いました。
アヴォー 98 を口にしたときは2人ともすぐに声を
あげて微笑みあったことを覚えています。
もみほぐした紅茶の茶葉をまとった赤い果物の香り。
赤茶の色調だけでなく、主張はしないが青々とした
フレッシュハーブの香りに、あまい赤身肉と
ヨーグルトの香りまで記憶に残っていいます♪
辛さなど感じなかった。
渋みはあったけれども
柔らかい印象のほうが強く残っています。
今回のブーシュロットは違います。
濃いとか薄いとか、かわいいとか、上品とか骨太とかじゃないのです。
なんと表現したらよいのだろうか・・・。やはり1本の線が見える。
現代美術の作品で見たような・・・。カンバスに1本の線がひかれているだけの作品。
よくみると一気呵成に引かれた線ではなく、緻密に造形された溝のようだ。
このとき感じた空気と似ている。
姿勢を正したくなる、心地よい緊張感の漂うワイン。
フランス料理とあわせるよりも和食と引き合わせたくなるようなワイン。
赤黒い果実とスパイスの香りが、ほどよい重量感をもって肌に触れてきます。
楽しく酔ってはいるのだけれど、気持ちは正座をしている気分。
バースデーのワインにしては違和感もありましたが、楽しく美味しく、いただきました♪
ルイ・ジャドさん、ありがとうございました♪
これからも末永く、よろしくお願いします。

ワインを飲んだ後、なんだかお腹が空いてきて、チヨコからパスタのご注文。
ワインに感じた辛さから連想したのか、大根おろしを使ったパスタとのこと・・・。
【塩漬けのケッパーとアサリ、ツナ、大根おろしのパスタ】を作って食べました(笑)。
酔った勢いで作るパスタはパンチが効いています。
おいしかったですよ。大根おろしの辛味が(笑)。。
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