2004年03月16日
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日本ではまだ未公開だと思うのですが

公式サイトは
コチラ(英語)


ちなみに邦題にもなるであろう「(The) Passion」は
情熱というオーソドックスな訳語で解されるよりも
「受難」という意味に取るべきでしょう。
「The Passion of the Christ」で、キリストの受難という
慣用句になります。

上演前から反ユダヤ的(Anti-Semitism※)であるとか、

本当に物議をかもしまくっていた作品で、
成功については少々疑問視されていた部分もあったのですが、
ふたを開けてみれば3週連続ボックスオフィス一位達成。
興行収入は2億ドルを超。 
等々……。
商業的な成功については疑う余地がありません。

※Anti-Semitism
反ユダヤ主義:イスラエル対アラブの長年の抗争なんてのを
みてても判るように、ものすごーーく深いテーマです。
ある意味Semitismの総本山ともいえるアメリカでは、
非常に深い社会問題であったり。
アメリカのAnti-Semitistの主張としては、ユダヤ人は選民思想があり、
自民族のために公共の利益や国益を損ねている(おそれがある)って感じです。
ちゃんとした解説になってないので
そのうち、このテーマできちんと一本書きたいなぁ。


3000万ドル(30億円超)という巨費を
ポケットマネー(!)から投じ、
監督・プロデュース・脚本と担当した上、
自らパブリシティを積極的に行ってきた
メル・ギブソンも、とりあえずほっとしたことでしょう。

 商業的成功を目指していたわけではないでしょうから、
 満足はしてないでしょうが)

パッション上演に伴う様々な社会的事件は、
それぞれリンクの所へ飛んでくださると詳しく判ると思います。

・カンザスの女性がショック死してしまった事件

 :朝日comだと磔刑のシーンでショック死なさってしまったよう

・映画評論家のあいだでは、賛否両論


・宗教関係者による試写会では皆さん慎重にコメントを選んでいるよう


・ローマ法王も太鼓判?


:実際には、「聖書に忠実である」というお言葉をもらしたのみで、法王側近によると「薦めたいわけではない」という消極的肯定だったらしいのですが。

わがテキサス州でも、
ダラスでキリスト教関係者による大規模な特別上映会があったり、
ヒューストンでAnti-Anti-Semitism(ややこしいっ)の
デモがあったり、かなり話題になっていました。

補足ですが、
メル・ギブソンは、アメリカでは少数派のカソリックの上、
聖書に書いてある言葉を信奉する
ファンダメンタリストです。
そのため、アメリカでも超保守(中絶・同性愛反対など)の
勢力には、今回の映画は支持されています。


それはともあれ、肝心の内容。


私はキリスト教徒ではないため、
いささか聖書の内容には疎いです。
しかし、聖書の大まかな内容、キリスト教の宗派の宗旨を
知っていれば大体のストーリーは判ったので、
予習はその程度で大丈夫だとおもいます。


総合的な印象ですが、
とにかく重い。暴力シーン※も確かに激しい。
画面は重厚、ひたすら暗色。
宗教画でいうなら、ラファエッロではなくエルグレコ。

その暗色な色彩のなかから
スピリチュアルなテーマがびりびり伝わってきます。
重く垂れ込めた雲の合間から差し込む日の光を求めるように、
キリストの福音を感じる映画に
作り上げたんだろうな、って思いました。


※暴力シーンはそんなにスプラッタなわけではありません。
流血ありなので、血が苦手な人は心してください。


正直、見るのに気合が必要な映画といえます。
大体、音声はが英語ではなく、当時使われていた
アラム語とヘブライ語なんです。
英語は字幕のみ!
(もっともヒヤリング駄目人間の私は、かえって助かりました)

あらすじは極めて聖書に忠実です。

簡単に言えば、キリストが磔刑にかけられて死ぬまでの
最後12時間を描いた作品。
(回想シーンが始めにありますので、その分を入れると前日夜まで、
 かの有名な最後の晩餐シーンもあります)

せりふ、行動、描写――ディテールはともかく、
全てが聖書にかかれている言葉に従って作られています。

したがって、ネタばれということは基本的にはありえません。
しかし、見所というか注目すべきは
4つある福音書のうち、どのエピソードを取捨選択して
ストーリーを作っているのかということ。

ここに各宗派による神学論争・聖書解釈の議論が
生まれるわけです。

実際どれが取捨選択されていたのかを書いてしまうと、
楽しみにしている未見の方に申し訳ないので、
未記入にしておきます。

映画のラスト近く、磔刑にかけられたキリストが
言う言葉は議論を呼びそうだ~。

というわけで、この映画を楽しむためには
この映画を取り巻くニュースと聖書の基本、
意外に激しいキリスト教宗派間の戦い、
アメリカの社会状況あたりを
ざっくり頭に入れていくと、かなり楽しめると思います。

って、
それじゃ映画を純粋に楽しんでいるとはいえないぞー。
でも、日本で公開したら、キリスト教に詳しい人に色々
お話を聞きたいところです。





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最終更新日  2004年03月16日 01時49分52秒
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