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2006.02.22
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カテゴリ: オリンピック
トリノ五輪も残すところあと4日。


で、今朝方はフィギュアスケート女子シングルSPを見て、5位以下の選手をブッちぎってしまった上位4人のレベルの高い演技に感服した。この中に、荒川静香と村主章枝がいるのが嬉しい。

一方、コンビネーションジャンプやスパイラルでのミスが響いて8位スタートになった安藤美姫は残念だった。やはり、初めてのオリンピックに緊張したのだろうか。フリーでは4回転ジャンプにチャレンジするそうだし、緊張感から解き放たれた、彼女らしい伸びやかな演技を期待したい。



ところで、演技を終えた安藤選手のコメントもそうだったのだけれど、今回のトリノでは、日本選手の、特に若手がしきりに「エンジョイできた」「楽しめた」という言葉を連発するのが、妙に気になっている。
それを聞いているうちに、バルセロナ五輪で期待に応えられなかった日本水泳女子代表選手たちが、まるでハンで押したように「エンジョイできたからよかった」と言っていたことを思い出した。

そういう言葉で悔しい思いをベールに包みたくなるほど、4年に1度のオリンピックのプレッシャーというのは計り知れないんだろうな、とも思うのだけれど、自己ベストすら出せずに負けて「エンジョイ」なんて言われてもなあ、という気もする。
岡崎朋美のような、百戦錬磨のベテラン選手が言う「エンジョイ」と、オリンピック初出場の若手選手の「エンジョイ」では、その意味も言葉の重みも、まるで違う。41歳の越和宏が人目もはばからずに悔し涙を流している一方で、負けてもさっぱりとした顔で「楽しかった」という若手選手が多いことに、何とも言えない違和感を感じてしまう。

──「よく頑張った」では通用しない。

あえて晴れやかな表情をしてみせる選手たちを見ていて、頭に思い浮かんだのは、この言葉だった。

サッカーエッセイ「フィジカル・インテンシティ 3~アウェーで戦うために」(知恵の森文庫)の中に出てきたフレーズだ。
一見、情け容赦ない言葉だが、一瞬が勝負を分けるオリンピックという舞台で勝ち抜くためには、この程度のシビアさがなければ生き残れない。

だから、「悔しい」と泣いた成田童夢や、努めて無表情に「これが今の自分の実力」と語った加藤条治のような選手たちを見ると、なぜかホッとしてしまう。
言い訳をせず、悔しさを決して隠さない彼らなら、きっと次のオリンピックでリベンジするだろう。そんな気がするからだ。

前出の「アウェーで戦うために」の一節には、こうも書かれている。

「アウェーの概念は、一度体感したら忘れることがない。そしてそれはホームでの戦いの際に、自分を客観視するのを助けてくれる。」

国際経験が少ない若手が多かった、トリノの日本選手たち。初めてのオリンピックで体感した特有な空気や、胸に刻み込んだ悔しさは、彼らは絶対に忘れないと思うし、忘れて欲しくない。ここで掴んだ「何か」を形にするために、次のバンクーバーまでの4年という時間をどう使うか。それ次第で、トリノでの経験の「本当の価値」が決まる。





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最終更新日  2006.02.22 15:09:47
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