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主に購入を迷われている方向けのネタバレなし感想です。
2023年最も面白かったと太鼓判を押せる完全新作でした。
【世界観】
イタリアに留学中のヒロインが、友人に呼び出されたレストランで殺人事件を目撃してしまった事を発端に冤罪を着せられ、6人の犯罪者と共にヨーロッパ中を駆け巡り逃亡劇を繰り広げる現代モノです。
ややファンタジー的な要素も織り込まれてはいますが、国籍を活かしたキャラクター設定や舞台背景となる欧州各所の雰囲気など、違和感をおぼえることなく楽しめました。
【キャラクター、グラフィック】
一般ゲーム界隈でキャラクターデザインに定評のある絵師さんが起用され、個性溢れる6人のメインキャラクターから、アクの強いサブキャラクターまでしっかりと描き分けられています。
立ち絵に関しては、もう少し服装等の差分が欲しかったなと思います。
スチルに関しては近年タイトルの美麗なものばかり目にしていると目が肥えてしまう為か、あと一歩感はありました。
また、序盤の段階で早々にわかるので記してしまうと、序盤の集合1枚以外はほぼ全てツーショットで、 真相ルートに1枚もスチルがない
のは少し残念でした。
万人ウケしそうな、乙女ゲームの攻略キャラらしいイケメンは決して多くありませんが、彼らを動かしているシナリオが良くできているので、進めていくうちに愛着が湧いてきます。
CVも全員見事なハマり役だと感じました。
決して有名どころではない小さな都市の背景も再現率が高く、よく描き込まれています。
ヒロインは完全個性ありなので、やや人を選ぶところもあるかもしれません。
苗字は変更不可、デフォ呼びあり、ボイスあり(ON/OFF可)、スチルにもがっつり。
言動は序盤こそ致し方なく足手まといなところは否めませんが、基本的に賢いのでストレスには感じませんでした。
徐々に逞しくなっていく様と、最初はバラバラだった彼らの鎹になっていくのが好感触でした。
【シナリオ、糖度】
短いプロローグ、共通12章、個別4章の計17章展開。
共通ルートが長めですが、後半へ進むにつれキャラクター差分の占める割合が増えていき
チャートや選択肢ジャンプもあるので、金太郎飴的なストレスは感じずにブレイできました。
また、犯罪とは縁遠かったヒロインがれっきとした犯罪者である彼らと信頼を深めていくのに
これだけの時間を要するのは必然的とも思いました。
エンディングは6人の個別ルート→ハッピーエンドとバッドエンドの2種
真相ルートは入った時点でトゥルーエンド確定です。
糖度はキャラクターによってバラつきがありますが、CERO Dは彼らが犯罪者である(が故の諸々)というのが大きな要因なので、性描写が苦手な方でも安心してプレイできます。
暗躍する敵側との戦闘等々もありますが、過剰な流血グロはないので、その辺りもご心配なく。
キャラによっては好感度マイナススタート、恋愛過程がしっかりしています。
共通後半から信頼を超えた感情へ移り変わり、個別ルートで相手のパーソナリティに触れ、最終的に結ばれる流れがとても丁寧。
紡がれる愛の形もそれぞれ毛色が異なり、公式さんは「普通の乙女ゲームではない」と言っておられますが、サスペンスADVとしても乙女ゲームとしても満足度の高い仕上がりでした。
共通や各ルートに散りばめられている伏線、個別ルートを通ってみるとわかるあれこれが各章や別キャラのルートにまで盛り込まれており、周回も楽しめます。
【攻略】
・攻略制限
真相ルートには攻略制限がありますが、メイン6人は誰からでも攻略可能。
・攻略推奨順について
制限も公式さんからのアナウンスもない以上完全に自由ではありますが、個人的には
アッシュ…最後
ハミエル、ジブ…ハミエルが先の方がいい
ラミー、カミュ…強いて言うなら後半
サリィ…どこに持ってきてもOK
かな?と思いました。
筆者は
サリィ→ハミエル→ジブ→ラミー→カミュ→アッシュ→真相
の順でクリアしました。
サリィは色々と気になる点が多いと思いますし、シナリオが比較的優しいので初手におすすめ。
ハミエルとジブの年長組はしっかり恋愛できた感があったので、乙女ゲームとして楽しまれたい方は先にしてもいいと思います。
・攻略法
メニュー画面を開けば好感度が一覧表示され、アクションが少なく済むのが高ポイント。
キャラクターのアイコンが無表情→笑顔→目を閉じた笑顔と変わっていき、15章最後の選択肢で目を閉じた笑顔になっていればハッピーエンド、笑顔止まりだとバッドエンドなので
比較的選択肢の自由度が高く、複雑な分岐をしないので自力でもフルコンプできると思います。
【システム】
不便に感じた点はスキップ速度の調整ができない点(爆速です)。
惜しかった点はスチルのシーン再生や、フルコンプのご褒美などおまけ要素が薄い点です。
あとは、選択肢ジャンプで周回しているとオートセーブや章の切り替わりで画面が止まる時間がやや長いので、体感的にはスキップの方がサクサク進む印象でした。
それ以外は自力攻略に便利なフローチャート搭載、周回に便利な選択肢ジャンプ
ボタン配置変更などのカスタマイズもできますし、ADVとして快適にプレイできる仕様でした。
やや緊張感のあるミッションモードについてですが、失敗しても自動で直前の選択肢かミッションの頭に戻る事ができますので、あえて外してキャラの反応や展開を見てみるのも一興です。
辞典システムが非常に充実しており、これがある意味最大のおまけ要素と言えるかもしれません。
【BGM、UIなど】
Zweiさんの担当されたOP曲、めちゃくちゃカッコいい!
筆者は常々主題歌重視なので、OPムービーが公開された時点でとてもテンションが上がりました。
キャラクターBGMは各々良く合っていますし、各シーンを盛り上げるBGMも気に入っています。
UI周りもおしゃれで、現地時間が表示されていたりとこだわりが感じられます。
【総評】
とにかく絵柄で敬遠されるにはあまりにも勿体ない良作。
プロジェクトが発表された時点では、近年ヒット作のツギハギのような印象を受けましたが、フタを開けてみれば全く別物と言えましたし、今年一楽しめたタイトルです。
ネタバレなしなので細かい事は書けませんが、確かに共通する要素はややあると言えばあり…かな。
共通だけで初回は20時間程度かかりますので、じっくりシナリオを楽しみたい方向け。
全ての点が繋がった真相ルート、タイトル回収は非常に爽快でした。
カミュ本命、ジブ次点くらいで購入しましたが、ハミエルが筆者のダークホース。
サリィは別のベクトルで気になっていましたが、とても愛着の持てるキャラクターでした。
サブキャラの絡み方も絶妙です。
出しゃばり過ぎず、それでいて各々重要なポジションを担っているので、サブキャラが気になっている方にもおすすめ。 各個別ルートでしか登場しないキャラもいます。
カミュ最推しはブレませんでしたが、是非この7人の鮮やかな逃亡劇と、それぞれの紡ぐ絆の物語をより多くの人に楽しんでもらいたいなぁと思っています。今後の展開に期待大。
発売日:2023/11/30
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