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Dec 30, 2004
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カテゴリ: カテゴリ未分類
その時なんだよ、きっと。
――ちがうわ、たまたまよ。
必然てもんが
あるんでござんしょう
てのが、ぼくの陣立て
でございますよ。
――たまたまよ、やっぱりそれは
とあたしは
言うのよ。   みなわ ひとし
フーアーユー

それにともない、万福寺は
ここにきて、大忙しとなった。
檀家の総代が、急死したからだ。
まったく、寒暖の差が激しいときには、
こういうことが、よく起きる。

元は、郷里に帰るのを
断念せざるを得なくなった。

「というわけで、帰らない
ことになったんです」
と、喜一に訴えている。

これまた、飛び込みの仕事で、

入っているかどうか、定かではないが。

「聞いてるんですか」
ひとわたりしゃべり終わると、
喜一の気のない返事に、
業を煮やして、じれている。


と、下を向いたまま喜一。
「ボクが訴えられるところは、
ここしかないんだから」
元は言いつのる。

(こんばんは)
私が立ち寄った時は、
まさにそんな状況だったらしい。
「やあ、こんばんは」
待ってました,と、元さんの愛想のいいこと。

「ボク、残らなきゃいけなくなったんです」
(あら、まあ)
「聞いてくださいよ」
といったが最後、雪崩を打つがごとく、
話が続いた。
「と、こんなわけなんです」

「さっきから、繰り返してばかりですよ」
やっと仕事の区切りがついた
喜一さんが、顔をあげて、
元さんをからかう。

「よかったら、ちょっと
飲みますか」と喜一さん。
「賛成です!」
と機嫌のいい元さん。
(私、お重をもってきたの。
なんだか、飲みそうな予感が
したから)
「でもキミ、家のほう、かまわないの?」
と心配して喜一さん。
(父と母、温泉に行ったの。
誘われたけど、断っちゃった。
邪魔するようで悪いでしょ)
と言うと、
「そんないい子ぶって、
鬼のいぬ間、じゃないの」
とすかさず元さん。
「そうだよな」
と喜一さんまで調子に乗る。
本当に、からかうのが生きがいみたいね。

「まあ、乾杯と、いきましょう」
元さんが、音頭をとる。
「待ってー」
ドタドタと、桃子ちゃんが
入ってくる。
「あれ、どうしたの?」
と喜一さん。
「風祭さんに誘われちゃったの」
「風祭さん?」
元さんと私が、同時に叫んだ。

「こんばんは」
風祭さんが、スーパーの袋を重そうに
抱えて入ってきた。

「とりあえず、乾杯」
飲みたくて仕方ない元さんは、
テーブルの準備もそこそこに、
もう仕切っている。
風祭さんがみんなのグラスに
ビールを注ぐ。
「乾杯」
桃子ちゃんが、ジュース片手に叫ぶ。
「お疲れさん」
(お疲れさま)
いつも思うが、
最初のビールって
どうしてこんなに美味しいんだろう。

「ボク、みんなに話そうと思って」
と風祭さん。
「なんですか、あらたまって」
と喜一さん。
「今年中に話そうと思って」
と重ねて風祭さん。
元さんがあれっという顔をする。
「ボク、実は、沖縄……」
と風祭さんが言いかけると、
「いいよ、いいんじゃない」
と桃子ちゃん。
みんなどうしていいかわからない。

「行かなかったんだ。
というより、行けなかった」
一同、うんうんとうなずく。
「二駅で降りちゃった。
情けないね」
と、風祭さん。

「夜こっちに舞い戻ってきたら
急に落ち着いた気持ちになりました。
ボクは、ここにいるべきだったんだ。
言えなかった。ごめん」
風祭さんは、ほっとしたような
晴れ晴れした顔をしていた。

だれも、なにも言えなかったし、
気の利いたことを言おうなんて
思わなかったわ。
ただ、にこにことうなずいただけだった。

「この煮しめ、うまいね」
風祭さんが、褒めてくれた
(うれしい)と私。
「まあまあだな」
とは、元さん。やっぱり生意気ね。

「じゃ、私がデートしてあげようか」
元さんの愚痴に、桃子ちゃんが応えた。
「エーッ、ボク、
レモンさんとならいいけど」
と元さんの憎まれ口!
「桃子、おじさんは、許さないよ」
と酔ってきた喜一さん。
「冬ソナですね。
いいですね」
と風祭さんがうれしそうに言った。
(それで決まり、ね)
桃子ちゃんに笑いかけると、
Vサインで応える。

「よし、行くか。
ただし、保護者同伴だよ」
と元さん。
「保護者?」と桃子ちゃん。
「喜一さんと風祭さん、
ついでにレモンさん、
でどう?」
「いいけど」と桃子ちゃん、
ちょっと口がとんがっている。

「じゃあ、2日でどう?」
と元さんが、みんなを見回す。
「初詣、行きましょう」
と風祭さん。
「そうしよう」
と完全に酔っ払った喜一さん。
「お姉ちゃんもいいでしょ」
と桃子ちゃん。
(はーい、行きます。
でも保護者はイヤらな)
少し酔ってろれつが回らなくなったみたい。

日めくりが、あと一枚を残すのみとなった。
平凡な繰り返しのようで、
思い起こせばやはり
いろんなことがあったね。

新しい年がよい年となりますように。
輝ける一年となりますように。  楠田レモン





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最終更新日  Jan 10, 2005 11:30:12 AM
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Re:日めくり あと一枚(12/30)  
masumi k  さん
私も『世の中は偶然でできている』と
思いたい方です。
計画がうまく行く事ももちろん好きですが
びっくりして喜んだりするのが
もっと好きなのです、きっと。
だから「必然」っていう観念を
時々わざと忘れてしまう。

今年は楽しいお話をどうもありがとう。
良いお年を(^^

(Dec 30, 2004 11:46:21 PM)

Re:日めくり あと一枚(12/30)  


ごちそう様でした(*^_^*)
来年もどうぞヨロシク。 (Dec 31, 2004 08:06:23 AM)

Re:日めくり あと一枚(12/30)  
禰ね  さん
毎日 不思議な世界に引き込まれて
風景がしっかり見えるような感じで読んでいます。。
触れれば温かみが伝わってくるような
匂いまでもしてくるような。。

来年もよろしくお願い致します。
ありがとうございました <(_ _*)>ぺコリ (Dec 31, 2004 02:42:46 PM)

Re[1]:日めくり あと一枚(12/30)  
禰ねさん
こちらこそ、来年もよろしくお願いいたします。
この広場で出会えた
大切な友達、です。
お互いに幸多からんことを! (Dec 31, 2004 04:47:15 PM)

Re[1]:日めくり あと一枚(12/30)  
ふなや自転車操業ふなやゆうじさん
こちらこそ、たくさんの元気と
微笑をいただきました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
(Dec 31, 2004 04:52:43 PM)

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