さくら日誌
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本日はちょっと特殊な摂食姿勢を紹介します。この利用者さんはパーキンソン患者さんです。車椅子の前輪に注目してください。前輪を15cmほど上げて車椅子を後方にたおしています。この利用者さんは舌の運動障害が著しいため、食べ物を咽頭に送り込むことが難しく、通常の姿勢では食べ物が口からダラダラとこぼれて食べられません。他所ではリクライニングで全介助です。胃瘻の話も出ていますが、ご本人は自分で食べたいのです。この姿勢のポイントは小鼻と耳の穴(正確には耳珠)を結んだ線(鼻聴道線)を床面に平行にするところです。くれぐれも車椅子の転倒にご注意ください。パーキンソン患者さんの嚥下障害は舌の運動障害による送り込み障害が著明で、嚥下反射は比較的保たれていることが多いのです。それでも飲み込めない時には少し上を向いてもらうと気持ちの良いゴックンという音が聞こえます。
2005.05.23
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