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Jul 21, 2008
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カテゴリ: 本
先に読んだ「シリウスの道」ですっかりはまってしまった、藤原伊織の二冊目の本です。

前作(私にとって)と同じく、やたらと熱い中年男、堀江雅之が主人公です。
彼はタイケイ飲料の宣伝部課長ですが、リストラによる退職を後数週間に控えたある日、会長室によばれる事になる。
会長から人命救助の瞬間を捕えた映像を渡され、このテープをCMとして使えないかと相談される。
しかし映像の不自然なおかしさに気づいた堀江がその点を会長に報告した夜、最後の言葉「感謝する」との言葉を残して会長は自殺してしまいます。

入社に際して上司と社員、それ以上の浅からぬ縁があったこと。
自らがその死の原因に関わってるのでは?と考えた堀江は、退社までの日々をその死の真相を探りだすこととする。
会長の自殺の真相、映像がCG合成されたものだった、ここまですることの理由。

その過程で少しずつ明かされる堀江の過去などで、上司の肩たたきに簡単に応じたくたびれた中年男であったはずが・・・・


会長石崎と、加々美順子・佐伯貴恵姉妹の関係は、この物語の軸となっている。
それぞれのキャラクターが際立っており、それぞれが格好良い!
登場人物ひとりひとりに向けた作者の眼差しの温かさが感じられる。

大企業と暴力団、そして政治家と暴力団。この独特の関係って!?どうなのでしょうか。
堀江の過去が明らかになるものの、たったひとりで暴力団の事務所へ乗り込む凶暴な部分などは、いくらなんでもとハラハラさせてくれます。

過去に影を持っている、妙に格好つけた生き方、でもスタイリッシュにさえも見えてくる主人公の姿は、ハードボイルドそのもの!!
オシャレな男女の会話もテンポよくてカッコイイ。こんな調子でお喋りされたら・・・・イチコロネ、キケンデス!(笑)
堀江のもとへ訪ねてきた佐伯親子の姿をそっと見守る・・・と言う穏やかな結末、ほっとするものが感じられました。


先に読んだ「シリウスの道」。
こちらの小説に登場する主人公も、くたびれたアウトローっぽい中年男。
広告代理店の営業部長の辰村が主人公。

広告業界については全くの素人の私達でも理解できるような解説を作者はしつつ、チームがひとつになって仕事を作っていく様子を描いて、読者を飽きさせる事はない。
元広告マンならではの臨場感があります。

そして、辰村を含めたかつての幼馴染3人が持つ25年前の「秘密」。
少年時代の回想シーン等も交えてはいますが、それは作品の中心となるものではないのです。

メンバーがそれぞれ得意分野を披露しながらプロジェクトを一つにまとめていく姿・・・仕事に生きるってこれだ!と思わせてくれるのがこの作品の一番の魅力なのです。


競馬好きで酒好き、見た目はくたびれた中年男であるのだが。
内外の汚い妨害にも屈せず、野性味あるその生き様はいかにもハードボイルドそのもの。
あと「テロリストのパラソル」の登場人物が登場したり、思わず「ニヤッとさせてくれる」読者へのサービスもありました。

どちらも、格好よすぎる登場人物のキャラクターが良いですね。
闇は確かにあるのですが、読み終えるとエンターテイメントとして割り切れるのも良いところかと。


WOWOWにて 、「シリウスへの道」 がドラマ化されました。
辰村役は、昨年NHK大河ドラマ主演の内野聖陽。
「風林火山」主役の山本勘助役から現代の企業戦士に変身した内野聖陽も見たいものですけれど。


こうなったら、昨年ガンで亡くなってしまった作者の遺作となった「名残り火 てのひらの闇2」も読むしかない。。。





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Last updated  Jul 22, 2008 01:18:51 PM
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