楽しみのかけら

楽しみのかけら

May 22, 2007
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カテゴリ: 手仕事
-とんぼ玉教室にて-
いつもの席に座ると、足元に金だらいと、金物のバケツが置いてある。
久々のご対面、思わず先生に、
「懐かしいですね。ほんとに数十年ぶりにみましたよ。」
と告げると、驚くようなお返事がきた。
「でしょう?それね、私の母の嫁入り道具なのよ。」
と。

先生は、とんぼ玉以外にも型染めをされたり、手仕事のこしらえ物を
多く手がけている。

耐久性にかけ、道具として役立たなかったのだそう。
家中にあったそれらの金物をこれ幸いと、便利に使っていたところ、
最近になって、当のお母さまから、
「あの、バケツと、たらいはどこ?私の嫁入り道具なのよ。」
と、おっしゃったのだそうだ。

とりあえず、今は自分が使っている、と告白したそうだが、
先生自身、まさか母親が嫁入りのときに持ってきた道具とは、
思ってもみなかったそうだ。

先生のお母さまは、90歳。
20歳の頃にお嫁にきたとしたなら、軽く70年は持ちこたえている計算だ。
その間、この国では戦争もあった。

といえるわけだ。

簡単には壊れないものだからこそ、長く使うことができる。
それはもちろんだけれど、その場しのぎで安価なものを手に入れ、
使いまわしの効かない道具が、今どれほどあるだろう。

人の手に馴染んだ金だらい、と金物バケツ。





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Last updated  May 22, 2007 09:27:19 PM
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