楽しみのかけら

楽しみのかけら

Jul 31, 2007
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学生の頃、上京してじきにホームシックにかかってしまった。
一人暮らしの開放感で、前向きな気持ちが強かったせいか、
毎日めそめそ、ということはなかったけれど・・・。

下宿での生活が2日目のこと。
その日は昼間、買物に出かけて道に迷った。
おまけに生活用品を買い込みすぎて、ウデがちぎれるんじゃないか、
くらいの情けなさで部屋に戻った。
その時点では、まだなんとか持ちこたえていたのだ。

ところが夕飯時、初めて一人用の電気釜で炊き上げたご飯を口にした瞬間に、

涙がこぼれた。
おいしくない・・・。

実家の水道は、そのころまだ地下水を汲みあげていて、
蛇口をひねればおいしい水がいくらでも飲めた。
それが当たり前だったのだ。
東京の水が口に合わないことはわかっていて、お茶用の水は、
汲み置きしていたのだけれど・・・。
まさか、炊飯にまで気を使わねばならないとは、思いもよらなかったのだ。

噛むごとにカルキ臭が鼻につき、昼間の疲れがどっと全身を駆け巡った。
漫画のようだけれど、まずいようまずいようとつぶやきながら、涙を流し続けた。
そうして、泣いてる自分が、部屋に一人きりでいることを思い知らされた。


そんなことに気をとられている場合ではなかったのだろう。
まずは、毎日の生活をきちんと営むことと、
(いえまあ、後半はそんな立派なものじゃなかったですが)
学校でのあれやこれやをこなしていくことに、気持ちが移っていったのだと思う。

つい最近、夫と話していて、このときのことが話題に出た。

それでも話しているうち、ほんのちょっとだけ熱いものがこみ上げてきた。
ありきたりだけれど、若かったんだなあ・・・。
そんなことが、泣けるほどつらいと感じてしまうなんて。





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Last updated  Jul 31, 2007 11:30:49 PM
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