風に吹かれて

風に吹かれて

2011.05.16
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カテゴリ: 日々の暮らし 


基調講演 兼子盾夫

はじめにー11996年10月2日のご葬儀から
    ・「遠藤さん ありがとう」という声
    ・遠藤の遺言:「沈黙」と「深い河」の二つを棺に入れるように
    沈黙にもふれつつ「深い河」のもつ今日性.21世紀の生命の意味を問う
1.遠藤周作はなぜ創作に向かったのかー「だぶだぶの洋服を和服に仕立てなおす」
    「二つの距離」の克服という難題
    ・西洋キリスト教と日本人の距離

2.「深い河」における平易な語り口と凝った構成
    ・登場人物の「名前」にこめられた意味
    ・キリスト教的「象徴」と「暗喩」と大津の説く「たまねぎ」
    ・作中の「身代わり死(自己無化)が示すもの
3. 多元的宗教状況と、遠藤周作の考える「宗教」
    現代の様々な宗教的立場
    ・排他主義、包括主義、多元主義、相対主義
    ・「深い河」の「転生」と「復活」
まとめー遠藤作品の持つ力を「今」の日本に活かす
    ・「遠藤さん、ありがとう」という声の意味するもの
    ・悲劇のなかの人間の美しさ、尊さ(自己無化)のもつ普遍的価値



印象に残ったお話は遠藤さんのご葬儀のときのこと。出棺のとき「遠藤さん、ありがとう」という声が遠くから聞こえた。その声を探すと川向こうの土手にいる人たちの声だった。なぜ「ありがとう」なのか・・・・・その意味するところは?

聞き逃してしまった。いつも肝心なことを聞き逃す私である。なので、私の勝手な解釈を書いてみます。
シンポジウムに行く前に「死海のほとり」を読み返してみました。そのなかにこんな場面があります
「私」はイエスに決着をつけるためエルサレムに行きます。エルサレムには大学の寮で一緒に過ごした戸田がいます。戸田は聖書学者になり今は国連の仕事をしながら生計を立てています。「私」は戸田にイエスの足跡を案内してもらいます。その旅の途中で信徒を連れて巡礼に来ていた牧師に会います。牧師との会話のなかで遠藤さんは戸田にこのように語らせています

「素直にそのまま信じておられますか。聖書を」

「しかし、実感のないことがいくつかあるんです」
「・・・本気でそのまま信じている日本人が今の世の中でどのくらいあるでしょうか」
「西洋人のイエスなんか、どうでもいいんです。日本人のぼくにわかるイエスのほが・・・」
「聖書のなかでわかるのは、素直に謙虚にイエスに従った弟子よりも、彼を見棄てた連中のほうでして・・・」

牧師は言います「そういう見方は、自分の弱さを甘やかし、正当化するためだけのもんだ・・」
「そんなのは信仰てではない」

だが人間には素直に信じられる種族と、ねじくれた心をどうにもできぬ種族との二種類があるのだと、いつの間にか私は考えるようになっている。

牧師の言うことはひとつひとつ正しかった。正しかったから、その相手に自分の気持ちを説明する時、戻ってくる答えが何もかも、私にははじめから想像できた。


「遠藤さん、ありがとう」と叫んだ人々は、きっとねじくれた心を持つ種族だったのだ。その人たちは自分の心の葛藤と共に歩いてくれた遠藤さんに、ありがとうと言ったのだと思う私であった


旅の終わりの「私」に遠藤さんはこのように語らせています

「私があなたを棄てようとした時でさへ、あなたは私を生涯、棄てようとされぬ」






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Last updated  2011.05.16 18:16:24 コメント(2) | コメントを書く


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obasan2010 @ Re[1]:PCステレオスピーカー(04/13) もず0017さん >あ、FMVだ!(笑) >…
obasan2010 @ Re[1]:PCステレオスピーカー(04/13) ふかごろうさん >よさそうな、ステレオス…
もず0017 @ Re:PCステレオスピーカー(04/13) あ、FMVだ!(笑) 色もうちの奥さんの…
ふかごろう@ Re:PCステレオスピーカー(04/13) よさそうな、ステレオスピーカーですね。 …
obasan @ Re[1]:PCステレオスピーカー(04/13) ceciさん ありがとうございます。 ポ…

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