キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

プロフィール

HUMANO

HUMANO

2005.08.30
XML
 彼女は、壊れてしまいそうなほど、もろいイメージのある女性だった。
 片思いの人がいて、でも思いが通じなくて、何となく悲恋のヒロインのような、応援したくなるような。あの頃は、そう、確かにそんなイメージの人だった。
 ほんの少し。
 女のずるさは感じないでもなかった。
 自分がその人を好きだと公表してしまえば、他の人はちょっと遠慮するかもしれない。後から「私も好きなの」なんて、言いにくくなるから。

 どこかに出かける時には、必ず誰かの助手席に座る。
 免許がなかった頃の彼女は、ふと助けてあげたくなるような、頼りなげな人だった。
 笑顔もどこか寂しげで、どんなに明るくふるまっても、ちょっと根暗のイメージから抜け出しにくいのが気の毒ではあったけれど。

 そんな彼女が運転免許を取った。そしてマイカーを手に入れた。

 どこへでも1人で運転して出かけて行く。片思いのままではあったけれど、以前よりもずっと積極的に頑張っているのが分かる。
 守ってあげたいとか、応援してあげたいとか。そういうイメージからは、どんどん遠ざかって行った。

 それが彼女にとって良かったのか、悪かったのか。
 でも、以前とは比べものにならないほどパワフルになり、たくましい女性になった。
 ただなぜか、幸薄いイメージだけは消えなかったのが不思議。それはきっと、車のせいじゃなくて、彼女自身の生き方とか価値観とか人格とか、そういうものからくる印象なのかもしれない。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005.09.16 14:47:31
コメント(0) | コメントを書く
[恋愛は楽しいほうがいい] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

サイド自由欄







クリックで救える命がある。




© Rakuten Group, Inc.

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: