スチャラカ鍼灸師の行き当たりばっかり

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2005年12月24日
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百貨店でバイトをしていたAは焦っていた。

目の前にに大勢の客が待っているのだ。

受付の最終日と祝日。

この2つのことでも混雑することは予想できた。
問題はそれを捌く人がいないことだった。
自分の後ろでレジを打っているBは自分のことで精一杯の様子だし、
自分もこれ以上何をしていいのかわからなかった。

誰かにこの状況をよくしてくれたらと思いながらも誰も来るはずもなく、


その中で一人の客が目の前に立った。
その客にも今までと同じように対応した。
客も送り状を書き、代金もつり銭無くお金をだした。
お金の入ったトレイを後ろに回し、レジが打たれたらレシートを受け取り客に渡す。
それで一人の客の対応が終わり、また次の客に同じ事をする。
そのはずだった。

しばらく待つ。
レシートが入ったトレイが来ない。

待つ。
こない。

目の前の客の表情がだんだん険しくなる。


この時Aの後ろではBが次から次へとくるレジ打ち待ちのトレイを必死で捌いていた。
もうどれが一番最初のトレイかわからない。
ただひたすら目の前のトレイを取り、レジを打っていた。

Aの前の客は更に苛つきを増していた。
最初の時は気にならなかったがその客はガムをかんでいた。

Aは客に顔を向けることも出来ず、今しなくてもいい用事をするしかなかった。

客は確かに苛ついていた。
しかしそれは遅いという理由だけとは少し違った。
順番通りしていればいつもは怒らないのだ。
(自分の順番がとばされている)
そういった疑念が客の怒りをわきおこしていた。

またガムをかむのも理由があった。
この時期風邪予防としてガムをかんでいたのだ。
ガムをかむことにより唾液が出る。
唾液には殺菌作用があり、また咽喉の保湿作用があるためかんでいたのだ。

客もそれが相手に悪印象を与えていることはわかっていた。
ただそんなことはもうどうでもよかった。

ここに客の妻がいれば場を和ませることが出来たかもしれない。
だがここにはいない。

互いに自分が悪いわけでは無いにもかかわらず、
不幸な時間が過ぎていった。

永遠に続くかと思われた状況はトレイにのったレシートによって突然終わった。

お互いに長く感じた時間は本当は5分もたっていないかもしれない。
だがお互いには1時間も耐えた気がしたのだった。






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最終更新日  2005年12月25日 18時46分45秒
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