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”難しいことは分からないけど”って彼女はいつもの調子で、
俺の言葉を知ったフリして、聞いているんだか、聞いていないんだか。
それに耐え切れなくなって、涙を見せそうになった時があってさ、
それでも彼女は”目にゴミでも入った?”ってお構いナシ。
タイヤが水たまりを蹴り始めた。
サエない顔で信号待ちをするヤツに、しぶきをかけちまって、
俺は何だかそいつの”不幸の理由”を一つ付け足しちまったんじゃないかって、
神に懺悔したい気持ちになったが、考えないことにしたんだ。
夜の海岸に着くと、足場の悪い公園を彼女と歩きながら、
ベンチで見え透いた愛を語って、イカした自分を装いながらKissをした。
何故だろう?
彼女の纏う上品な香水と、俺の安っぽい香水の”かをり”が、
いつもキレイに調和しないんだ。
いくらだって彼女に触れることは出来るけど、
”心までは入らないで”って言われているようでさ、
溶け合わない互いの想いの虚構を、ただ確かめているだけなんだと思った。
どこかで、得体の知れない獣の遠吠えが聞こえた。
負け犬だか何だか知らねぇが、
まるで俺の歌そっくりだな。
そういや、いつか、
彼女にギターで曲をプレゼントしたことがある。
題名は、
”公園から見上げた夜空”
今は見えない輝く星を二人で探してる、ってそんな曲だったけど、
君はまだ覚えているかい?
海の上で一艘の船が、キテキを鳴らして通り過ぎた。
この道で俺は、生きる意味を追い越したい。

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