白化[編集] 褐虫藻がサンゴから抜けてしまうと、サンゴから色が抜け、石灰質から成る骨格の白色ばかりが目立つようになる。これをサンゴの白化(白化現象)という。白化は元に戻る場合もあるが、長く続くとやがてサンゴのポリプも死滅してしまう。白化の現象自体は古来から知られていたが、近年は大規模に起こる傾向がある。 2016年度の環境省調査では、白化度が100%から90%の地域も見られる[1]。2018年度のサイエンス誌に掲載された論文「Spatial and temporal patterns of mass bleaching of corals in the Anthropocene」での世界100カ所の1980年から2016年間の調査結果でも、地球温暖化によって白化期間からの回復期間が短く回復が難しくなっている現状が報告された[2]。 原因[編集] 富栄養化 サンゴ礁はもともと外洋に面しており、光合成に必要な無機塩類に乏しい環境なので、海藻や植物プランクトンは少ない。サンゴの体内の褐虫藻はライバルの少ない環境で、サンゴが出す老廃物を利用して光合成を行い、ひいては宿主のサンゴも養うことができる。 海が富栄養化すると、海中に漂う植物プランクトンの方が光合成に有利になるため、植物プランクトンの増殖により海水の透明度が低下、褐虫藻が生存できなくなる。 水温の上昇 その他にも水温の上昇などにより、褐虫藻がサンゴの組織内に保持できなくなる場合がある[2]。この場合のメカニズムは、富栄養化した海水中で水温が高くなると褐虫藻の光合成活性が著しく上昇し、炭酸同化に使いきれないほどの光エネルギーを吸収、これが活性酸素を大量に発生させてサンゴの体組織を損傷、褐虫藻の排出に至ると考えられている。 その他 日焼け止めに含まれるパラベンなどの成分が引き金となり低濃度でもサンゴの白化を誘発することが確かめられており、また、藍藻に有害なウイルスの増殖の誘発が同時に確認されている[3]。 マイクロプラスチックを取り込んだサンゴは、褐虫藻との共生が上手くいかないという研究結果もある[4]。