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コミュニケーションでは、「信頼」「感情」「論理」の3要素を意識する
コミュニケーションは、難しい。
なぜなら、「これだけに気をつければ大丈夫」という、 わかりやすい指針がないからだ。初めて言語が生まれた太古の昔より、人類はコミュニケー ションに多大な苦労を経験し、そして、多くの工夫を重ねて改善してきた。
コミュニケーションにおいて大切なのはテクニックではなく、問われるのは人間としての総合力だ。
しかし、単に「コミュニケーションには総合的な力が大切だ」といわれただけでは身もフタもなく、どうすればいいかもわからない。なのでここでは、本来は非常に複雑な要素がからみ合って成立する「コミュニケーション」というものを、大切な3つの基本的な要素に分解したうえで考えていきたい。
コミュニケーションを構成するのは、主に「信頼」「感情」、そして「論理」の3つの要素だ。この3つをバランスよく満たすことが、円滑で効率的な意志疎通を可能にする。
これは、2000年以上も前に、哲学者アリストテレスが弁論のために必要な要素として説いていたものだ。
しかしこの考え方は、弁論だけに限らず、人と人とのコミュニケーション全般に適用できる、非常に有用なものだといえる。
まずは相手に 「信頼」 してもらうこと
の基本中の基本となるのが、まず「自分という人間を信頼してもらう」というプロセス。これがなければ、3つの要素のうちの残り2つがあったとしてもコミュニケーションは機能しない。
信頼関係ができていない相手の話は、たとえそれがどれだけ素晴らしい内容だったとしても、心から信用して聞くことができないのだ。
たとえば知人から、何かのプロジェクトを一緒にやろうと持ちかけられたとする。そのプロジェクトの内容自体ももちろん大切だが、その前に、まずは相手への信頼が最も重要だ。
普段からあまり信用できないと思ってる人物からのオファーだと、いくらプロジェクトの内容が良く思えても、怖くて乗れないものだ。
逆に、普段からとても信頼している人からのオファーだと、話をすべて聞き終わらないうちに「OK、やるよ」と返答することもある。
たとえ、プロジェクトの内容に少し課題があるように見えても、「この人が企画するのだから、きっと解決できる道があるだろう」と思えるのだ。
それくらい、コミュニケーションの前提となるお互いの信頼関係は重要だ。
人に動いてもらうには 「感情」 が大切 人は、基本的には感情の生き物だ。いくらロジックが正しいとわかっていても、それだけでは心は動かされない。
心が動かないと、真剣に行動に移そうとはしないのだ。ビジネスは、一見、論理で動くように見える。「お金」を媒介とした、厳密な損得の世界といえるから。
しかし面白いのは、そのビジネスを動かす「人」は、決して損か得かというロジックだけでは動かないということ。AとBという選択肢があって、明らかにAのほうが儲かる話であっても、相手が気に入らないなどの理由があると、儲からないほうのBを選んでしまう。
そして、そういうことは決してまれではないのだ。
そしてその傾向は、近年特に高まりつつある。ビジネスの世界においても、企業は単に利益を追求するだけではダメだ。
人の心を動かすには「ビジョン」が必要。そしてこのビジョンこそが、会社の永続的な成長にとって、最も重要なものなのだ。
ビジョンは、会社の話だけにとどまらない。個人と個人の関係においても同じだ。たとえば、ある商品を買ってもらいたい営業担当者がいたとして、その商品のスペックやコストパフォーマンスだけをアピールしても、顧客はなかなか心を動かされない。
その商品の持つ背景やストーリー、そして営業担当者個人の思いなどが十分に伝わって初めて顧客の心が動き、その商品を手に入れたいという気になるのだ。
正確なコミュニケーションのための 「論理」 この「信頼」と「感情」の2つの要素はとても大切だが、それだけではまだ不完全だ。
効率的で効果的なコミュニケーションを実現させるためには、「論理」の存在が欠かせない。
いくら信頼できる相手から感情を揺さぶる話を聞かされたとしても、もしその話が論理的でないとすると、残念ながら内容を正確に理解することが難しくなる。これは起業の世界でもよくある話だが、いくらビジョナリーで情熱があふれる起業家でも、プレゼンテーションで結局何が言いたいのかがわからないことがある。
その起業家が非常に好人物で、やる気と情熱を応援したい気持ちはやまやまなのだが、 話が正確に理解できないと、結局はこちらも具体的な行動を取ることができない。
リスクが大きすぎるのだ。「論理」的であることは、相手の時間をムダにしないことにもつながる、 コミュニケーションにおいてとても重要な要素だ。
、この3つがすべてそろったときに、理想的なコミュニケーショ ンを実現させることができる。いつも、これを意識しておこう。
この記事は、アースメディア代表 松本 淳 著 『リクルートに会社を売った男が教える仕事で伸びる50のルール』(フォレスト出版)からの一部抜粋です。
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