kakokiroku

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2012.04.25
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カテゴリ: その他
「深海のカンパネルラ」は友人の死を扱った作品でした。

「友人の死」

世の中に掃いて捨てるほどあるありふれたモチーフです。

それを扱った映画は山のようにあり、小説や漫画を含めると、間違いなく星の数ほどあるでしょう。

しかしながら、去年多くの死に直面し、改めて思ったのは、

「ありふれた死など存在しない」ということです。


それが友人や親、兄弟、恋人といった近しい人の死でなくても、そこに闇を見てしまう人間は必ずいる。

嘆き、捕われ、何故自分がそんな状態になっているかも分からないまま沈んでいく。

あるいは都合良く死者を語る。死者の物語を自分につながるものとして構築する。あるいは死者にあり得たかもしれない人生を生きようとする。






「銀河鉄道の夜」を扱った作品も数多くあり、同じ数だけの解釈も存在しますが、決して避けて通れないのは「カンパネルラは死んでいる」という事実です。「実は死んでいない」「全ては夢」という具合に解釈を捩じ曲げることを許されない。少なくとも僕はそう思いました。

だから真っ向からこの事実と向き合う物語を描くことにしました。


死と向き合う、というのは決して綺麗なことではないと思います。

例えば葬式だって、残されたものが生きていくための行為です。

全ては生きていくため。それが他人の死を消費することと同義でも、死者を冒涜することであっても仕方がない。日常は流れるのだから。生きている人間はそれを続けていかなければならないのだから。





「深海のカンパネルラ」という作品を作るにあたり、執筆中も稽古中も、フカミリクというたった一人の男の子の出す結論をひたすらに考えていました。

彼が生きていくためにはどうしたらいいのか。

もしかしたら、生きていくことを放棄する方が幸せなのかもしれない。そんなことも考えました。

しかし、今回集まってくれた役者さん、スタッフさん、そして宮沢賢治の作品に流れる精神と共に至ったのは、あの結論でした。






あれが正しい選択だったのかどうか。彼のあの後の人生に光はあるのか。

それは分かりません。





けれど、作品を作った者として、彼が出した結論には希望があると信じています。

ご覧頂いたお客様にも、その希望をほんの少しでも感じていただければ幸いです。
空想組曲-7.jpg





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最終更新日  2012.04.26 02:11:50


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