B級映画ジャケット美術館

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2020.11.06
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2043 Z Inc./ゼット・インク


※ジャケット(オモテ面)

【スタッフ】
・監  督  ジョー・リンチ
           「クライモリ/デッド・エンド」
・脚  本  マティアス・カルーソ
・撮  影  スティーブ・ゲイナー「エヴァリー」
・製  作  バリサ・キャビアニ
       メルダッド・エリー
       ローレンス・マティス
      「バッド・バディ!私とカレの暗殺デート」
       マット・スミス「マレフィセント」

・製作総指揮 バディ・エンライト

【キャスト】
・デレク(花井千春)…スティーヴン・ユァン
              「ウォーキング・デッド」
・メラニー(福宮あやの)…サマラ・ウィーヴィング
               「スリー・ビルボード」
・ジョン(及川ナオキ)…スティーヴン・ブランド
          「ヘルレイザー/レベレーション」
・レスター(西山慎哉)…ダラス・ロバーツ
            「ダラス・バイヤーズクラブ」
・カラ(押川チカ)…キャロライン・チケジー
                   「エヴァリー」


※ジャケット(ウラ面)

【仕  様】

・製作年度  2017年
・製 作 国  アメリカ
・原  題  MAYHEM
・発  売  アルバトロス株式会社
・販  売  アルバトロス株式会社

・価  格  ----
・字幕翻訳  ----
・吹替翻訳  ----
・吹替監修  ----
・監  修  ----
・日本公開  劇場公開作品
・リリース  ----
・収  録   88分
・サ イ ズ  シネスコ
・音  声  1.オリジナル <英語> (Stereo)
       2.日本語吹替 (Stereo)
・字  幕  1.日本語字幕
       2.デカ字幕
       3.日本語吹替用字幕
・そ の 他  片面1層、COLOR、MPEG-2、複製不能、
       DOLBY DIGITAL、2 NTSC 日本市場向、
       DVD、レンタル専用 中古販売禁止
・映像特典  予告編


※ディスク

【ジャケット】
・オモテ面:各国映画祭感染!!
        [ブルックリンホラー映画祭
        主演男優賞受賞]
        [カタルーニャ映画祭観客賞受賞]
        [ファンタジア映画祭
        観客賞ノミネート]
        [サウス・バイ・サウスウエスト
        正式出品]
        [Overlook映画祭正式出品]
        [シドニー映画祭正式出品]
        [リスボン国際ホラー映画祭正式出品]
        [シッチェスカタロニア映画祭
        正式出品]
        [釜山映画祭正式出品]
        [トロントアフターダーク映画祭
        正式出品]
        [トリエステサイエンスフィクション
        映画祭正式出品]
        [パリ国際ファンタスティック映画祭
        正式出品]
      全社員287名感染。
      高層オフィスビル完全封鎖。
      地獄の社内を生き抜き、最上階を目指せ!!
・ウラ面 :「クライモリ デッド・エンド」の監督が放つ
      最凶サバイバル・アクション・ホラー!!

なかなか熱のこもった良いジャケットだと思う。荒々しいタッチのデザインが、本作品の雰囲気を表している。(それとも、INCとINKをかけて。インクをぶちまけたようにしたかったのかな?)
ただ、ウラ面は、イマイチかなぁ。(溜息) 左瞼を腫らしたスティーヴン・ユァンの顔が冴えないのが、一番の原因だ。SWATや防護服姿のCDCの職員(?)の出番は少ないんだからさ、オモテ面に配置するだけで十分でしょ? ウラ面は、変にコラージュせずに、場面の写真を大事に使った方が、本編の雰囲気が伝わったと思う。
でも、まぁ、このクラスの作品としては、上出来のジャケットではなかろうか。

【感  想】
「新型コロナウイルスと企業内の人間関係」

風刺に富んだパワフルなホラーコメディ。テンポがよく、展開もスピーディ。ツッコミどころも満載。ウイルスに感染して凶暴になった人間が襲われ、……違った、襲い、戦うアクション・ホラー映画。この辺りのアプローチが面白い。(笑)
でも、いまいちハジケきれていないところが難点。途中、まったりしている場面もあり、中だるみに見えてしまう。演出に緩急が必要なことは承知しているが、「こうじゃないでしょ」と思ってしまった。(苦笑)

――新型ウイルス《ID7》は感染した者の理性や道徳観念を破壊し、感情や欲望を抑え切れなくする。その結果、暴力や破壊衝動、性欲に走り、誰彼構わず攻撃するようになる。
297名の社員が働くタワーズ&スマイス・コンサルティングのビルにID7が蔓延。CDCとSWATに封鎖されてしまう。
中間管理職のデレク・チョウは上司に仕事の失敗をなすりつけられ、クビになってビルから追い出される寸前だった。突然生じた混乱に乗じて、デレクはクビを撤回させようと行動を開始する。彼もまた、ID7に感染し見境がつかなくなっていた。けれど、ボスの用心棒に呆気なく叩きのめされて地下の倉庫に閉じ込められてしまう。
デレクは、そこでメラニー・クロスと出会う。彼女は、自宅の差し押え期日を延ばして貰おうと、お願いしに来ていたのだ。けれど、デレクに冷たくあしらわれたものだから、暴れ、警備員に倉庫に監禁されていた。二人はビルの最上階に君臨するトップに「クビの撤回」「期日の延期」を掛け合うため、手を組むことになる。
……というお話し。

何となく、新型コロナウイルスを思い出させる設定だった。感染者が暴力をふるったりはしないが、社会や企業や地域住民が感染者に向ける視線は、暴力的だ。「感染者は誰か?」という犯人探しから始まり、治癒して復帰しても距離をおいた付き合いが待っている。「また陽性になるんじゃないか?」という疑念が脳裡に染み付いてしまっているからだ。昔風の言葉で言えば、村八分だ。
デフォルメされてはいるが、現実の会社も、これと似たり寄ったり。或る意味、時代を先取りしたようで、興味深い作品だった。

主人公のデレク・チョウ役を演じたのは、スティーヴン・ユァン。楽しそうに演じている。TVシリーズ『ウォーキング・デッド』にグレン役でレギュラ出演している方だ。

デレクと伴に最上階を目指すメラニー・クロス役は、サマラ・ウィーヴィング。『モンスタートラック(16)』に出演していたらしい。『マトリックス』シリーズのヒューゴ・ウィーヴィングの姪とのこと。そう言われると、似た雰囲気を持っている。キュートだった。(ヒューゴ・ウィーヴィングがキュートってことではありませんので、念のため)

監督は、ジョー・リンチ。『クライモリ/デッドエンド(07)』も『ジョン・ディーの魔導書/エバーモアの戦い(13)』も駄作だと思っているし、製作総指揮として名前を連ねた『GHOUL/グール(15)』もイマイチ。でも、本作品は、まずまずの出来映え。いろいろ凝った映像表現も、すべてが奏功しているとは言い難いが、何やら熱意のようなものが感じられて、好ましい。(実のところ、スティーヴン・ユァンとサマラ・ウィーヴィングの魅力に負うところが大きいような気もするが……)

興味深いのは、ID7に感染して理性がブッ飛んで感情が抑えられなくなっても、狂人になるワケではないってところ。デレクは、「自分のミスではない」ってことを認めさせ、解雇を撤回させるためにボスのジョン・タワーズの許に行こうと智略と暴力の限りを尽くす。その欲求は、「眺めのいい部屋が欲しかっただけだ」というセリフに象徴されている。もし、何のトラブルもなかったら、彼はID7に感染しても穏やかな時間を過ごしたかも知れない。そうした感染者が相手なら、本作品のCDCの対応は、至極当然に見える。感染者が過激な暴力にはしり、相手を殺してしまうことは稀なことなのかも知れない。この辺りの設定は、破綻寸前のところでバランスをとっている。裏設定がありそうで興味深い。

名作『禁断の惑星(56)』が描いた《イドの怪物》を、自我を失なった人間として描いた本作品は、潜在意識の安寧こそが解決策だとクレール人に言いたいかのようだ。
考えようによっては、滅亡したクレール人に起きたことを、オフィスビルを舞台に描いたとも言える。なかなか興味深い作品だった。(考えすぎ?)

オススメ!


【 ジョー・リンチ関係作品 】
『1921 ジョン・ディーの魔導書/エバーモアの戦い』
『1584 GHOUL/グール』





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Last updated  2020.11.06 05:30:06
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