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2021.03.17
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2174 ラスト・ブラッド


※ジャケット(オモテ面)

【スタッフ】
・製  作  ビル・コン
       『HERO』『グリーン・ディスティニー』
       エイベル・ナーシアス
・監  督  クリス・ナオン『キス・オブ・ドラゴン』
・脚  本  クリス・チョウ
       『SPIRIT/スピリット』
・アクション監督 コーリー・ユン
       『レッドクリフ Part 1& 2』
       『トランスポーター』シリーズ

       (プロダクション I.G.)

【キャスト】
・サヤ………チョン・ジヒョン『猟奇的な彼女』
      『僕の彼女を紹介します』(弓場沙織)
・オニゲン…小雪『ラストサムライ』『ALWAYS/
      三丁目の夕日』(高橋理恵子)
・アリス……アリソン・ミラー
      『セブンティーン・アゲイン』(樋口あかり)
・マイケル…リーアム・カニンガム
      『麦の穂を揺らす風』(石塚運昇)
・ルーク……JJフェイルド(内田直哉)
・カトウ……倉田保昭『帰ってきたドラゴン』


※ジャケット(ウラ面)

【仕  様】

・製作年度  2008年
・製 作 国  香港・フランス
・原  題  BLOOD THE LAST VAMPIRE
・発  売  アスミック
・販  売  角川エンタテインメント

・価  格  ----
・字幕翻訳  松浦美奈
・吹替翻訳  栗原とみ子
・吹替演出  ----
・制作協力  ----
・日本公開  ----
・リリース  ----
・収  録  本編 91分
・サ イ ズ  16: 9 スクイーズ
・音  声  1.英 語 Dolby Digital 5.1ch
       2.日本語 Dolby Digital 5.1ch
・字  幕  1.日本語
       2.英 語
・そ の 他  片面2層、COLOR、R-15、
       DOLBY DIGITAL、2 NTSC、
       DVD VIDEO、レンタル専用
・映像特典  ----


※ディスク

【ジャケット】
・オモテ面:斬って、斬って、
      斬りまくれ!
        全人類の存亡を懸けた
        サバイバル・アクション超大作!!
・ウラ面 :500年にわたる人類の存亡を懸けた
      “オニ”との壮絶な戦いは
      たった一人の少女に委ねられた…!!
        日本発傑作アニメーション待望の実写化
        強く美しいヒロインが繰り広げる
        壮絶なサバイバル・アクション!

ヴァンパイアも狼男も、もとを辿れば「都市伝説」だ。それぞれの時代における社会不安や因習などが結合して生まれ出でたモンスターだ。数百年の間に、揺ぎないイメージが出来上がった。でも、現代はスピードが速いから、わずか半世紀で口裂け女さんはモンスターになってしまった。貞子さんや伽椰子さんなんか、たった二十年で既にモンスターだ。(苦笑)
本作品は、セーラー服姿で日本刀を振り回す吸血鬼の女の子が主人公。ジャケットのオモテ面では、カッコよくポーズを決めている。まさしく、このジャケットの通りの作品だった。

【感  想】
「セーラー服と日本刀」

本作品に対する酷評を随分と読んだ。いつものことながら、マニアの方々の観る目は鋭い。「そんなトコまで観るか!」と思わないではないが、そうした批評が作品のクォリティを高めて行く一助になっていることは確かだろう。

個人的には、なかなか面白く観ることが出来た。特に前半の出来がいい。セーラー服姿で日本刀を振り回し、バッタバッタとヴァンパイアを斬り倒して行く。主人公サヤが女の子を守りながら奮闘する姿にはカタルシスを感じることが出来た。時代劇風に言えば、“一刀 100人斬り”ってヤツだ。(血糊で百人も斬れないことは、さておく)

ところが、物語が進むにつれてハイテンションのアクションが、徐々にトーンダウンして行く。後半は“ほとんどフツーのアクション映画”だ。単なる『アンダーワールド(03)』の二番煎じ。トラックで逃げるサヤをモンスターが襲うシーンなんかは、そっくりだ。パクリとは言わないが、著しくオリジナリティに欠けていると言える。

脚本にはロニー・ユーの名前もあるから、オリジナルのアニメに付け足された部分は、おそらく彼の手によるものだろう。そう言えば、彼が監督した『フレディ VS ジェイソン(03)』も、映画やアニメ、コミックからインスパイアされたシーンがてんこ盛りだった。好意的に解釈すればオマージュだが、作品の出来映えを見る限り、「カッコいいから真似しちまったゼ」というレベルだ。

正直、クリス・ナオン監督も曲者だから、一概にそうとは言えないかも知れない。
もともと作品の途中でトーンを変える方だ。幼稚で奇をてらった演出を堂々とする。『エンパイヤ・オブ・ザ・ウルフ(05)』の時もそうだった。善い悪いは別にして、どうやらそれが彼の持ち味らしい。個人的には、物語が破綻するギリギリで転調しているようにしか見えないが……。(笑)

本作品は、香港と仏国の合作だが、“言い出しっぺ”はフランスだろう。日本のアニメやコミックを高く評価する国だ。「ワイヤー・ワークでアクションを撮りたい!」という企画から香港と手を組んだのではなかろうか、と邪推している。まぁ前半を観る限り、このプロジェクトは成功している。コーリー・ユンやロニー・ユーなどの力量もあって、80分間厭きさせない仕上がりになっている。

ワイヤー・ワークを使ったアクションには、さすがに“一日の長”があり、あれだけ動かしても違和感なくシーンが流れる。殺陣にも工夫がなされ、どこか様式美を感じさせられるほどだ。
ハイスピード撮影とVFXにも力がこもっている。手抜きがない。独特な世界観を構築するために色彩のトーン・コントロールがなされているが、これも不快ではない。『300〈スリーハンドレッド〉(07)』を見習ったのかも知れない。刀でバッタバッタと敵を切り倒し、血しぶきが舞うのだ、リアルに描いたら気分が悪くなってしまう。有効な手法を選択したと言えるだろう。

その一方で、CGで作られたモンスターや主人公のアクションはいただけない。幾つかの場面で用いられていたが、この出来映えが非常にチープ。モンスターは兎も角として、主人公のサヤが屋根の上を駆け回るシーンで何故、CGを使わなければならなかったのか――。セットを組む予算がなかったとか、おそらくそんなとこだろう。崖に“挟まった”トラックの上でのアクションも同じ。
近年、こういうケースをよく目にするようになった。ライブよりCGの方が安い、という現代の製作環境は嘆かわしい限りである。

主人公のサヤを演じるのは、チョン・ジヒョン。『猟奇的な彼女(01)』の女の子だ。ほとんどセリフらしいセリフはなかったが、あの目つきで睨むカットが随所にあり、ファンにはたまらない一本だろう。(笑) かく言う私も、俄かにファンになってしまった。
日本からは小雪さんが出演。貫禄のあるところを見せている。

アニメ映画『BLOOD THE LAST VAMPIRE(00)』の実写化としては、成功と言えると思う。サヤの出世の秘密やら助けることになった女学生のことなど、ストーリーを膨らませるために付け加えられた部分も、違和感なく本筋と絡んでいることは評価したい。何となく物足りない感じもするが、あまり多くを求めない方が、こうした作品では健全な気がする。「人物が描けていない」とか「アクションばかりで物語が疎かになっている」とか、そんなことを言ってもはじまらない。もともとそんなのはないのだ。延々と続くアクションに添えられるささやかな“彩り”でしかない。そもそも“セーラー服”と“日本刀”は世界中のオタクにとっては必須のアイコンだ。二つが揃って面白くないわけがない。(笑)

70年代、日本や香港のアクション映画で冴えない少年たちのヒーローだった倉田保昭氏が勇姿を見せてくれたことは、望外の喜びだった。それだけでも観る価値はあるかも知れない。オススメ!


【 『アンダーワールド』シリーズ 】
『1204 アンダーワールド』
『1205 アンダーワールド2/エボリューション』
『1206 アンダーワールド/ビギンズ』
『1207 アンダーワールド/覚醒』
『1208 アンダーワールド/ブラッド・ウォーズ』

【 ロニー・ユー関連作品 】
『0604 フレディ VS ジェイソン』





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Last updated  2021.03.17 05:30:07
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