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2004.11.29
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カテゴリ: カテゴリ未分類
一つの物事について、いろいろな角度から見ると違うよう
に見えることがある。

例えば円錐という物体があるとする。
真上から見ると円に、真横から見ると三角形に見える。
全体を見なければ点に見える人もいるだろうし、斜めから
見ると楕円に見える。

宮部みゆきの作品である「理由」を読んで、そんなことを
考えた。そのストーリーは、高層マンションの競売物件に
住んでいる、いわゆる「占有屋」が殺され、その犯人が

持ち主は誰なのか、なぜこの物件が競売されることになっ
たのか、そして誰が殺害の犯人なのか。その真相がいろ
いろな登場人物の視点・論理から描かれ、明らかになって
いく。

冒頭部分が、時間的には一連の話のエンディングになり、
事件に遡る形でストーリーが描かれていく手法、そして
話が進むにつれて、曖昧だった全体像が少しずつ、でも
明らかにはっきりとなっていく。

この手の小説としてはかなり異例なのだけど、小説の
中盤部で、殺人犯がわかるのだけど、それでも最後まで
「真実」はいったいどういうことなのだろうか、という

並々ならぬ実力を感じる。さすが直木賞受賞作。

でも、この小説は僕にとっては、何だか物足りない。
なぜなら、この小説には、宮部みゆきの作品に強く流れ
ている(と僕が感じている)、主人公、あるいは彼女が
思い入れを入れてを描いているであろう人物の描写に現

由」には感じられないから。

その”理由”は、一つには、事件にまつわる一人一人の
登場人物ごとにスポットを当て章立てを行い、事件を明
らかにしていく、技術的手法を駆使することに腐心しす
ぎたことにあるのかも知れない。また、さらには競売、
短期賃貸借という、一般的には身近でない法律用語(注:
現行法ではこの小説が書かれた問題点は改正されている)
を読者に分かりやすく書くのに苦労したことによるのかも
知れない。

宮本輝の、一見わかりやすい本ばかり読んでいて、読解力
のない僕には少々つらい本だった。

以上、実は書評でした!





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Last updated  2004.11.29 23:36:51
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