それでもなお平穏な日々

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Mar 25, 2005
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カテゴリ: 社会
 私の毎日回るブログにWinStrategy氏のブログがある。
氏のブログは時事ネタが豊富で機を逸しない洒脱な記事が面白いので、なかなか読み応えがあるのだが、今回もすばらしいネタを仕込んでいる。

(対象とする日記)
http://plaza.rakuten.co.jp/civ3wants/diary/200503250000/#comment

 典型的な「方々」の発言のピックアップである。虚言妄言の複合装甲でおそらく開発中の電磁砲でも貫通できないのでは、と思わせるすばらしいシロモノの集大成だ。
この中で特に私が泡を吹いたのはある大学生の発言である。
おそらく近いうちに大学を卒業し、就職して今後数十年は日本を背負って立つべき若者の認識が、まるで小学生の放課後反省会レベルなのである。

 あまりに凄いので、その凄い部分を分析してみることにする。

>私は有事法案に反対です。




>制定を進めようとしている国会議員たちの主張は、アメリカとのよりよい国交をた持つための口実のように聞こえます。

 有事法は長らく国防にとって懸案事項だった。
自衛隊法のあちこちにある「細部は法令等によって定める。」と書かれた条文の、その細部の話だからだ。まだ左翼、社会党が一大勢力だった時代に、いらぬ摩擦を避けるために後伸ばしにされてきたものなのである。
有事法制が整っていない場合、いかなることになるか。
ここで栗栖弘臣・元統幕議長の有名な発言を引用する。
「法制に不備があるため、奇襲事態等に際して自衛隊の現地指揮官は止むに止まれず超法規的行動をとることになる。そのときは日本国民も、超法規的行動を許す気分になるものと期待している」
(この発言は大きな問題となり栗栖弘臣統幕議長(当時)は解任される)
当時のマスコミはこれを「自衛隊、暴走」とか「旧大日本帝国の軍部主導復活か」などと叩きまくった。だが法(国)が細部を定めないにもかかわらず、自衛隊は国防を遂行するために必要な防衛行動を取らなければならない、このジレンマの中で、早く有事法制を作って欲しい、それがないと任務遂行に支障が出る、国民にこう理解して欲しいという発言だったのではないか?
もし有事法制がこのときに存在していれば、栗栖氏はこのようなことを言う必要はないからである。
 また有事法制と呼ばれる一連の法律をよく読んでみれば、これは自衛隊が無制限かつ自由に国民の権利を侵害しないように枷をはめ、また政府、地方自治体、自衛隊が有事の際にいかにして国民を保護すべきかを定めるとともに、国を守るために国民が協力すべき範囲を示したものだとわかるはずだ。
米国追従などと妄想を膨らませる暇があったら、まずは有事法制を読むことが必要だ。



>戦争を放棄し、平和を願う国を誰が攻撃するのでしょう?

 よくある九条絶対主義者の妄言である。
質問形式を取っているが、当然真意は「戦争を放棄し、平和を願う国は誰も攻撃しない」と言いたいのだろう。
誰も攻撃しない、そう言い切る根拠は何か。
根拠が示されることはない。せいぜい「九条はすばらしい理念だから」とか言われる。

日本国憲法はいつから地球連邦法になったのだ?
なぜ「攻撃しない」とよその国の誰かの考えを断言できるのだ?


>仮に攻撃したとしても国際社会が許しません。

確かに許さないだろう。クウェートに対するイラクの侵攻も許されなかった。
だが、クウェートからイラクが放り出されるまで何日かかったか知っているのか?
その間に暴虐な侵略者がどのような略奪と暴行を行ったか、ぜひ調べてみるといいだろう。
それに黙って耐えるというのなら、耐えてみるといいだろう。
私はそのような命がけの我慢大会に付き合う必要を認めないが。


>今、ここで日本が下手に軍事強化につながる有事法案を作れば、それこそ参戦宣言をするようなものです。

繰り返して言うが、有事法案をまず読んで理解してから反対せよ。
有事法案は日本が攻撃を受けた際の「政府、地方自治体、自衛隊の各種行動(防衛準備や国民保護)、国民のそれに対する協力すべき義務の範囲」を記したもので、防衛力(軍事力)強化に関する法律ではまったくない。
そもそも防衛力、防衛費については「いくら使え」「これくらいの兵力をもて」などと法律で決まっているものは一つもない。すべて政策として数年単位で見直され整備されているものだ。
有事法案=軍事力強化などという図式はどこから沸いてきたのか、それを教えて欲しいくらいである。


>「北風と太陽の話」でもわかるように、自分他の国を守るのは、平和憲法を守ることだとおもいます。

憲法・法を守るために国があるのではない。
国民を守り国を守るために憲法や法がある。憲法を守るために殉じるなどというのは本末転倒の妄言に過ぎない。まず日本という国があってこその憲法である。


>私たち国民は政治家の言葉に耳を澄まし、危険を伴うような法律の制定は慎重にしなければならないと思います。

 確かにそれは重要だ。民意・国益に背くような政党に投票するような間違いを起こさないためにも政治家の言葉に耳を澄ますべきだ。
法律の制定は国民が直接行えるものではないのだから、間接的にそれを行うために選挙権を使いなさい。
選挙を伴わずに政府を転覆しようなどと言う考えは間違っても持たないように。


 この投書をした大学生はおそらく生真面目な性格なのだろうが、惜しむらくはイメージに振り回されて物事の本質を見る力を失っているように思える。

 人間は生きている間、常に何かを学ぶ存在である。
批判も良い、反論も良い、何かに反対するのも良いだろう。
だがそれについて何も知らずに、学ばずに、語っても誰にも相手にされない。
その顕著な例がここにある。

私もこのようなことにならないように、毎日何か一つでも学んで生きたいものである。





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Last updated  Mar 26, 2005 02:51:35 AM
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