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hihitos

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2005.03.06
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カテゴリ: 小説 きょうこ
夜毎、リーゼを飲んで白いソファーに横たわる。
川井郁子がレッドヴァイオリンを奏でる。 
やがて、船酔いの様な感覚に襲われる。
ゆらゆらゆれる廊下を歩いてベッドルームに向う。
白い壁に囲まれ、白いシーツに挟まれて眠る。
夢も…
足元に白衣のあの人が現れて夜明けの蒼い光りに消える。
鳥のさえずりで一日の始まりを知る。
暫くは起き上がらない。

六時半
まだ起き上がる気にはならない。
手を伸ばし時計を見る。
七時五分前
思い切ってベッドから飛び起きる。
少し長めの薄暗い廊下を抜け、柔らかい光りの差すリビングのカーテンに手を掛ける。開け放つと、窓外に明るい夏の朝が広がる
トーストを焼き、目玉焼きをサニーサイドアップに仕上げる。レタスとトマトを添え、一皿に盛って、ダイニングテーブルに出す。
アールグレイの香りが程良い刺激で食欲を誘う。
Aを起こさなくては。目覚し代わりにセットしたイギリス組曲が鳴っている。一向に起きる気配の無いAにお構いなく、グレン・グールドの演奏は続く。
「起きて、A、朝よ」
「……」

渋々起きてバスルームに向う後ろ姿を目で追ってから、リビングに戻る。
テーブルに活けたラヴェンダー越しに向かい合って、無言でナイフとフォークを動かす。互いに、今ある距離を程良いと思ってるかのように。
「ごちそうさま」
Aは再びバスルームに向かう。十分後、「行ってきます。」の声と共に、ドアの閉まる音を聞く。





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最終更新日  2005.03.06 11:28:17
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