『とんとこひ・セクスアリテ』

January 8, 2009
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ロード・オブ・ザ・リング


 二人の兄弟が路を歩いてゐた。
仲のよい兄弟であつた。
 途中で二人は、袋を一つ拾つた。
中を見たら誰が落としたものやら、目も眩いばかりの黄金の玉が二つ入つていた。
 兄弟はその黄金を一つづつ分けた。
夢のやうな倖に胸躍らせながら、二人はまた路を歩いた。
 しばらく行くと橋にさしかかつた。
その橋の上で、ふと弟は足を止めたが、なにを思つたか、持つてゐた黄金の玉をいきなり河へ投げ込んだ。
驚いて兄が訳をたづねた。
すると弟は言つた。







ロード・オブ・ザ・リング








 「常日頃、私は兄さんを敬つてをりました。
ところがいま黄金を拾つてみると急に兄さんが嫉ましくてなりません。
兄さんさへゐなかつたなら、あの玉が二つとも自分のものになれたのにと、さう思はれるのです。
生れてはじめて兄さんを邪魔にする気持になりました。
それといふのも、みなあの黄金の玉のせゐです。
だから棄ててしまひました。
もう二度とあんなものを欲しいとは思ひません」




ロード・オブ・ザ・リング





 それを聞くと兄は涙を浮べて言つた。
 「もつともだ。
実をいへば兄さんも、ちやうど同じやうなことを考へてゐたところだ。
なまじ黄金なんぞを拾つたばかりに、すんでのこと吾々兄弟は、もつと大切な宝を失くすところだつた
ああ危い、危い」

 さういふと兄も、自分の玉を懐から出して、同じく河へはふり込んだ。

顔見合わせて晴々と笑ひながら、二人はまた愉しさうに路を歩きつづけた。---









ロード・オブ・ザ・リング
“The Lord of the Rings”








本年も宜しくお願いします^^;





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Last updated  January 12, 2009 08:09:49 PM
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