『とんとこひ・セクスアリテ』

June 11, 2009
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テーマ: 裁判員制度(5)
手書きハート 大田洋子 さん(1903~1963)の「半人間」(昭和29年)より抜粋です。




 篤子はジョイの斜めに見える背のうしろで、ぎくりとして眼を見ひらいた。若い女の身のうえにではなかった。女医が患者にしている注射を、イソミタールだと気がついたからだった。




 その粉末は篤子もこの病室にきてのんだが、病的な敏感さで思いだしたのは、北海道の警察で起こったある事件についてである。 白鳥事件 と云われていた。




 白鳥という警官が何者かに射殺され、共産党員が検挙された。北海道の警察の留置所で、黙秘権を使っている党員に、刑事は 自白 を強いた。




 刑事は町の開業医を訪ね、その党員の 自白 のために、 イソミタール の注射を依頼した。開業医は人権侵害であることを理由に、警察に屈しなかったのだ。




 それならばその麻薬の使用方法を教えてくれるように依頼した。しかし医者は同じ理由で応じなかった。




 篤子はその事件を新聞記事で知ったとき、それとの関連はないのにもかかわらず、ふっと良人のHの姿を心に描いた。・・・




 「おっしゃりたくなければ、仰言らなくてもいいのですけれどね」
 房田医師は他にききとれないように、声を低めたが、たたみかける調子で訊いた。
 「北大のX講師は、ご主人なのですか」




 篤子と同姓の北大の講師が、 白鳥事件 の関連者の容疑で、札幌の刑務所にいた。
 房田医師は、新聞記事で知っているものと思われた。篤子はその人が自分の良人ではないことを言った。・・・



びっくり自分曰く 「人類史上初めて“白鳥事件”を描いた作家といわれる大田洋子(1903~1963)。近年取り上げられることが少なかった、いわば“忘れられた”作家だ。」
 おいおい、全作品に触れさせて貰うと思います^^;





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Last updated  June 11, 2009 08:23:57 AM
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