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久恒啓一

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4月10日刊行の本が進行してい る。NPO法 人知的生産の技術研 究会が創立40周年を機に企画した出版の一つだ。「知の現場」(東 洋経済新報社)は21人の知的生産者の取材だったが、こ ちらの本は9人と少なく、その分それぞれの方の個人史も入っているなど内容が濃い。私自身、蟹瀬誠一さんを除いてインタービュアーとし て全員に取材を行っているが、どの方からも強い刺激を受けた。私は取材も受けているが、編著者であるNPO知研の代表者として 「まえがき」も書いているので、それを紹介する。

もうアマゾンでは 予約ができるようになっているようだ。表紙のデザインもお しゃれで本ができあがるのが楽しみだ。

以下は、「達人に学ぶ 知的生産の技術」(NTT 出版)ご登場いただいた方々。

    * 関口和一(日 本経済新聞論説委員)
    * 茂木健一 郎(脳科学者)
    * 軽部征夫(東 京工科大学学長)
    * 久米信行(久米繊維工業代表取締 役)
    * 勝間和代(評 論家)
    * 佐々木俊 尚(ITジャーナリリスト)
    * 土井英司(エイリス・ブック・コ ンサルティング代表取締 役)
    * 蟹瀬誠一(国際ジャー ナリスト)
    * 久恒啓一(多摩大学経営情報 学部教授)
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「まえがき」

梅棹忠夫先生 の歴史的名著「知的生産の技術」(岩波新書)が 世に出たのは40年以上前の1969年だった。この本の与えた衝撃はす さまじく、ロ ングセラーとなって、広く深く、そして長く、今もなお社会に大きな影響を与え続けている。


梅棹忠夫先生 によれば、「知的生産とは、頭をはたらかせて、なにかあたらしいことがら――情報――をひとにわかるかたちで提出すること」であり、この本でも「工業の時 代に続く次の時代は情報産業の時代になり、その中でもとくに知的生産による部分」が大切になると予言している。まさに今日の 情報社 会の本質を見事に言い当てているのは驚きである。



この本が与えた影響の一つが、今はNPO法 人となっている「知的生産の技術」研 究会(略称・知研)の誕生だった。1970年に八木哲郎氏が設立した知研は当 時の知のスター達のセミナーを毎 月行い、そのエキスを1978年に 初めて「わたしの知的生産の技術」(講 談社)という本として出版、好評を得て「続」「新」と続けて出版を重ね 数十万人の読者がこのシリーズを手 にしている。
「わたしの知的生産の技術」には「八木さんのような人物の出 現だけでも、わたしの「知的生産の技術」という本は意味があったといえる のかもしれない」との梅棹先生の序文がある。


現時点で振り返ってこの三冊の本の目次を眺めてみると、紀田順一 郎、加藤秀俊、羽仁五郎、外山滋比 古、小中陽太 郎、渡部昇一、竹 内均、小室直樹、岡 村昭彦、西堀栄三 郎、今西錦司、竹内宏、加藤栄一、大 岡信、堺屋太一、桑原武夫、渡辺京二、唐 津一、長 谷川慶太郎、飯田経夫などの錚々たる方々が並んでいるが、よくこれだけの知の巨人が毎回出講して下さったと驚きとともに改めて感謝の念が湧き起 こってくる。

さて、今回ご登場願った方々は、まさに現代の知の最前線を疾走す る人達である。私自身ほとんどの方々のイ ンタビューに参加したが、時代や社会を鷲づかみにするキーワー ドの連続であり、目を開かされる経験を何度もすることになった。

また、知的生産を巡る環境の大きな変化であるIT技術の爆発的な進展が、知的生産の方法 と技術を 一変させつつあることを改めて確認することになった。

彼らはそれぞれ独自の個性で際だっているのは間違いないが、 やはり知的生産に取り組む姿勢や心構えなどを中心に共通する部分 も多い。それは次にあげるような点である。

世の中がどう変わっていくかについての独自の見識を持っている。自らの環境を活用して人生を自らの手でつかみ取っていく姿勢が ある。自ら学び自ら育つ姿勢がある。自らの進むべき方向につい て明確な方向感覚を持っている。独特の見方、独自の思考など強烈なオ リジナリティを追求している。


私自身は、人はそれぞれの「生い立ち」「出会い」「出来事」から、人生でもっとも大切にしたいものを「価値観」として形成して いくという仮説を持っている。今回のイ ンタビューでは生い立ちから現在までの個人の歴史を語ってもらえる ように質問を構成し、取り組んでいるラ イフワークを持つに至った経緯などを確認することにしたのだが、こういった仮説の裏付けを得た感じもある。



多彩な知のプレー ヤーが生み出した多種多様な知 的生産と、それを導き出した独自のやり方、それを誰もが一定の訓練を施すことによって獲得できる「技術」に高めること、そういった継続的 な努力の積み重ねが情報社会の進化に向けて豊かな実りをもたら すと確認する良い機会になった。

知研の特別顧問をお願いしている梅棹忠夫先生 がアドバイ ス下さったように「「わたし」に即しつつ、「わたし」をこえて多数が共有できる普遍的な技術体系の開発という目標」への道を歩 んでいかねばならないと改めて思った。

知の最前線で活躍している登場 者たちの熱い想いが読者に届くなら編者として幸いに思う。

         久恒啓一(NPO法 人知生産の技術研 究会理事長)






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Last updated  2010/03/28 07:31:40 AM
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