桧山　良秀「クラシックの愉しみ」裏話

この前複雑な大阪の地下道で散々な目にあったが、札幌の地下道は、有名な地上の碁盤の目同様、直線だけで出来上がっているので、シンプルなものである。とは言え、駅と大通りを結ぶ一番新しい地下道については、かなり疑問がある。歩いて１０分もかからない距離だが、地上はそもそも駅前通りと言う、言わば札幌の顔だし、地下鉄もある。その地下鉄は毎年ひどい赤字だが、この区間はドル箱だったはずだ。たしかに冬はありがたいし、地下鉄代も浮く。しかし、単なる通路のため、経済効果は皆無に等しい。と言うより、地上の商業施設のことを考えれば、むしろマイナスであろう。せめて、なぜ、あれだけ幅広い通路の片側だけにでも、店を配列しなかったのか、理解に苦しむ。夜間閉鎖されるから、今問題になっている、寒期のホームレスの逃げ場所にもならない。いったい誰が考案したものか知らないが、誰のためにもならない施設のために、膨大な時間と金をかけたわけだ。他所の街の人から見たら、きっと笑いものだろう。