ホームバリスタへの道

ホームバリスタへの道

2009年05月15日
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 ラ・パヴォーニは、エスプレッソの王国・イタリアで最も歴史ある、由緒正しきメーカーのひとつだ。
イタリアのカフェやバールで当たり前のように置かれている、お馴染みの業務用のエスプレッソマシン。あれを世界で初めて完成させたのが、このラ・パヴォーニである。現在のエスプレッソマシンの原型となったマシンは、正確には 1901 年にルイジ・ベッツァラが発明し、特許を得たものだが、それをバール用の実用的な業務用マシンとして完成させ販売したのはデシデリオ・パヴォーニという男で、このデシデリオが、ラ・パヴォーニを旗揚げした人物である。


 ラ・パヴォーニがエスプレッソマシンの歴史にその名を刻む逸話は、他にもいろいろある。たとえば、アメリカのマシンエイジのプロダクトを彷彿とさせるバール用エスプレッソマシンの傑作「 45 ラコスタ」。これは、イタリアの風と呼ばれる天才建築家で、あの世界一軽い椅子「スーパーレジェーラ」をデザインしたジオ・ポンティが、ラ・パヴォーニのために手がけたものだ。ブルーノ・ムナーリやエンゾ・マリが関わったポスト・モダンなデザインの「コンコラルソ」もラ・パヴォーニの代表作である。そう、ラ・パヴォーニは自社のプロダクトデザインに著名な建築家やデザイナーたちをいち早く起用した点でも、この分野のパイオニア的存在なのである。



まず、水をボイラータンクに入れ、レバーを完全に下までおろす。
次にバルブを締め、水を温めている間にコーヒーパウダーをセットする。
水が熱湯に変わったところで(これは、プレッシャーゲージを見て確認することになっているが、慣れてくればボイラーから洩れてくる沸騰音を聞けば、もう頃合だというのは自然に分かる)、今度はレバーを上いっぱいに引き上げる。
そうすると蒸気と熱湯でパウダーが浸潤し、抽出先からコーヒーが数滴垂れてきてエスプレッソのいい香りが漂ってくる。
それを確認したら、今度は腕の重さをあずけるようにゆっくりレバーを下げてゆく。それに合わせるように抽出口から香ばしいエスプレッソが抽出され、やっとドッピオ(ダブル)分が一杯分だけカップを満たしてくれる。
この一種の儀式めいた行為を面倒と思うか、愉しいと思うかは、おそらく個人差がかなりあるのではないかと思う。

マニュアルの旧車の操作性や鈍行列車ならではの旅の愉しさを知る人なら問題はないが、なにがなんでもクルマはオートマ、旅は最速の急行でなければダメ、という人にはラ・パヴォーニは、単に厄介な時代遅れのエスプレッソマシンとしか思えないはずだ。
 つまりラ・パヴォーニは、そういう一連の儀式を楽しめる人。急行(エスプレッソの語源でもある)ではなく、鈍行の旅を心から楽しめる人。そういうアナログ的資質を持った男たちのためのマシンといえるかもしれない。












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最終更新日  2009年05月16日 01時49分15秒
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