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2010.04.30
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カテゴリ: 洋画

 第1作は、公開当時は特に注目されなかったが、テレビ放映などで意外にも評判になった。
 そんな訳で、5年振りに製作された続編。
 前作では単なる出演者だったブライアン・ブラウンが、本作では製作に携わっている。
 ブライアン・デネヒーもリオとして再登場。前作では口髭をたくわえていたが、本作では髭を綺麗に剃っていて、本作の方が後に製作されたのに、若く見える。


粗筋

元特殊効果スペシャリストのロリー。
 3年前に重大な事件に巻き込まれ、恋人を失うなどの悲劇に遭ったが、現在は、新しい恋人とその息子と幸せな生活をしていた。
 そんなある日、恋人の元夫――マイク――がロリーを訪ねる。マイクは刑事だった。彼はある連続殺人犯を追っていた。次のターゲットはある女性。女性をおとりにして殺人犯をおびき寄せたいが、危険過ぎるので、マイクが女装してターゲットの振りをし、殺人犯をおびき寄せることになった。その全体のトリックに、ロリーが必要とされたのだ。
 3年前の事件のことが頭にあるロリーは、最初は乗り気でなかったものの、マイクに説得され、参加することに。
 ロリーの特撮により、連続殺人犯を女性の家におびき寄せることに成功。しかし、手違いによりマイクは殺害されてしまう。ただ、侵入してきた連続殺人犯は射殺できた。事件は一応解決。
 ……解決した筈だったが……。
 ロリーは、隠しカメラを現場に仕掛けていて、マイク殺害の場面を捉えていた。連続殺人犯として、そしてマイクの殺人犯として射殺された男と、映像が捕らえた人物は、全くの別人だった。ロリーはマイクの犯人は別にいる、と警察に訴えるが、無視される。
 それどころか、警察はマイクを悪徳刑事扱いして家宅捜索する始末。
 それを見たロリーは、マイクの死には裏がある、と考える。元刑事で、現在は私立探偵のリオの助けを仰ぐ。
 リオは、マイクが手掛けていた未解決事件の捜査を調べる。その中の事件の一つに、美術品窃盗事件があった。その事件では窃盗犯は逮捕されていたが、美術品の行方は分からないままだった。
 窃盗犯は今も監獄にいたが、病床にあり、先は長くなかった。そんな彼を、ある人物が頻繁に訪れているという。どうやら美術品の隠し場所を聞き出そうとしているらしい。
 マイクはその陰謀を知ってしまった為、連続殺人犯の逮捕失敗を装って殺害されたのだった。
 ロリーとリオは、その陰謀を阻止する為、警察幹部との対決に挑む……。


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感想

 本作は、第1作が予想以上に評判になった事から、続編が製作されることになったらしい。
 ロリーを演じたブライアン・ブラウンが製作を指揮している。

 本作は全体的に第1作の焼き直し。
 第1作ではロリーが主人公、リオがサブだったが、本作ではロリーもリオも同程度に活躍している。第1作ではロリーが恋人を失うが、本作ではリオが恋人(らしい)を失う。ちなみに、この女性は、第1作でも登場(同じ女優が演じていたかどうかは不明だが)。いわゆるレギュラーキャラを殺してしまって良かったのかね。
 登場人物は全員が相変わらずドライに描かれ、感情移入は出来ない様になっている。

 最初は、マイクの死は連続殺人が絡んだものかと思われるが、実際には全く関係なく、マイクがいわば私的に追っていた事件が動機になっている。
 そんな訳で、映画の中ほどに入ると連続殺人事件は完全に忘れ去られてしまう。
 前作同様、ストーリーは淡々と進む。どんでん返しはあるものの、観ている側からすると想定の範囲内で、サプライズはない。その意味では安心して観ていられる。

 本作で登場する特撮は、第1作と比較すると進んでいるものの、CGが主流の今となってはレトロというか、アナログ。
 ロリーも、現在だったら活躍の場がないだろう。

 最大の見せ場は、ロリーが特撮の知識を駆使して、迫ってくる暗殺者を撃退する場面。
 テレビ番組「マクガイバー」を髣髴させた。

 ロリーとリオは第1作の終わりで数百万ドルの金を得るのだが……。
 いずれも大した暮らしはしていない。
 本作でも、最終的に二人は大金を手に入れるが……。
 どうするのかね。

 キャラはドライ、ストーリーもドライなので、人生の見方を変えたくなる程の感動はないが、失望もしない。
 1980年代から1990年代のハリウッドらしい作品といえる。

 背景シーンで、2001年の同時多発テロで崩壊したワールドトレードセンターが一瞬だけだが映っていた。その意味では時代を感じさせる。

 本作の成功によってはまた続編が作られていたのかも知れないが、流石に二匹目のドジョウはいなかったらしく、第3作は製作されていない。


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Last updated  2010.04.30 10:57:28
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