「きらりの旅日記」

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ほしのきらり。

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2022.03.20
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カテゴリ: 美術館・博物館
​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ヨハネス・フェルメールの大好きな風景画「デルフトの眺望」の鑑賞のポイントを見てみましょう手書きハート

オランダ・ハーグ「マウリッツハイス美術館」内

(中央) 『デルフトの眺望』


引いて見てもいい絵ですね〜フェルメールを独り占め


ヨハネス・フェルメール
Johannes Vermeer
(1632-1675)


1632年10月31日?〜1675年12月15日?(43歳没)

 Jan van der Meer van Delft
ヤン・ファン・メール・ファン・デルフト

オランダ(ネーデルランド共和国)の画家。

バロック期を代表する画家のひとり。


​代表作『デルフトの眺望』鑑賞のポイント! ​​


ヨハネス・フェルメール
​Johannes Vermeer​

View of Delft.c,1660-61

『デルフトの眺望』 1660年〜1661年頃​

油彩 カンヴァス 96.5cmx115.7cm


鑑賞のポイント1 .

オランダの風景画ならではの ​「空と雲」​



雨の降る日が年間180日を超えることもあり、

この絵のような雨上がりの曇天が多かった。


描かれている季節は・・・ 夏の初め。

覆いかぶさるような暗い雲や

水蒸気に反射して、

きらめく光を、

あますことなく表現するために、

フェルメールは、

画面の7割を空に費やした


雲間からのぞく青空には・・・

愛用の ウルトラマリンブルーの絵の具 が使われている。

ヤコブ・ファン・ライスダール作

『ウェイク・ベイ・デュールステーデの風車のある風景』

1670年頃 


「アムステルダム国立美術館』所蔵。


17世紀のオランダの風景画家:ヤコブ・ファン・ライダールも、

画面の大部分を使ってオランダらしい曇天の空を描いている。


ヨハネス・フェルメール
​Johannes Vermeer​

ロッテルダム門(右端)とんがり屋根が2本ある所

鑑賞のポイント2 . ​「ロッテルダム門」​



周囲を防御のための壁で囲まれており、

人々は、各所に設けられた

門を通って街に出入りしていた。


画面右手に描かれる 「ロッテルダム門」 は、

すでに取り壊されてしまっているが、

デルフト市街から東へ1kmのところには、

「東門」が現在も残されており、当時をしのばせる。


また、この絵でフェルメールは、

「スヒーダム門」の位置を (中央)に

実景とは少し変えて描くことで、

景観との調和を図っている



鑑賞のポイント3 水面にも塗られた ​「ウルトラマリンブルー​」

空の青をキラキラと映し出している水面は、

白い下塗りの上に、

ウルトラマリンブルー を薄く塗り重ねて透明感を出している。


建物の影の部分は・・・

茶色がかった灰色と、

灰色がかった青い絵の具で表現。


さらにそれぞれの筆跡の間を、

柔らかい筆でなでつけてかすみを与えている


新教会(中央右の白い塔)

鑑賞のポイント4 . ​「 デルフトを象徴する新教会」 ​​

1381年に建てられた「新教会」には・・・

代々、オランダ王室の墓があることから、

デルフト市民の誇りになっている。


高さ約109mの塔を、

雲間から差し込む光で照らし出すことで、

デルフトの象徴的な建物を

強調しようとする構図もあったのだろう。



鑑賞のポイント5 . ​絵の具に混ぜられた「砂」​

建物に使われた絵の具には・・・

なんと〜「砂」がっ!

混ぜられている。



さらに下塗りにも粒の粗い絵の具が使われており、

厚く絵の具を塗り重ねた絵の表面には、

凸凹が出ている。


これが光を乱反射させ、

雨に濡れた街の輝きを表現しているのだ。


薄く塗られた空や水面との対比によって、

さらに立体感が強調されている


中央の左側が「時計塔」

鑑賞のポイント6 . ​「午前7時を示す時計塔」​

「時計塔」の針は、朝の 7時10分 を指している

その時間なら、

水面に映る建物の影は、

もっと短いはずだが


フェルメールは・・・

影を午後のように引き伸ばして描いた。

そうすることによって、

港に奥行きが生まれ、

画面の下半分が安定


実景を描きながらも、

理想的な風景 にするため

景観に微調整を加えたのだ。



鑑賞のポイント7 . ​「消された男性」​

手前の船着場を歩く人々は・・・6人。

最初、

右端の二人の女性の右側にもう一人、

帽子をかぶった男が描かれていたが、

のちに塗りつぶしている。


小さな人物一人という微妙な差ではあるが・・・

画面全体の調和 がとれなかったのだろう。

妥協を許さない画家の精神 がうかがわれる。

なお、

初期の修復作業で、

1度その男が描き加えられたが、

1994年の調査 によって、

フェルメールの意図が判明し、

男は再び塗りつぶされた。


(参考文献:朝日新聞出版/フェルメールへの招待より)
(写真撮影:ほしのきらり)


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最終更新日  2022.03.20 00:10:12
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