ボーカロイドによるボイスヒーリング

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与那観

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富良野の富士さん@ Re:「南無阿弥陀仏」は人生破滅の教えです(04/07) 全くこの通りと深く感嘆致します
2015.06.12
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信濃路の小諸の古い城跡の
ほとりにて、一人、たたずんでみた。

大空を、あてもなくさまよう雲、
旅人と称する私の心とまるで同じだな。、
ふとそんな、哀しい気持ちで、たたずんでみたのだ。

早春とはいえ、黄緑に色づいたハコベはまだまだ幼い
若草に寝転がりたくても、
なんだか、かわいそうで、それもできない

目の前に、広がる山の背、一面の雪。


それも陽に溶け、はじける泡の如く
残雪も溶けて、細々と流れている。

春の日差しは、多少ポカポカしてきた
でも野原一面、けぶり立つほどでもない
そうか!春は、まだ、浅いのだ。
「微かに春」というものだ。

麦の青さも、まだ、わづかだ
幾組かの旅連れが、
畑の道を急ぎ足で、去って行く

日も暮れてきた。もう浅間山もみえない。
遠く草笛を吹くのが聞こえる。


千曲の河縁の、宿屋で今夜。
独り、せせらぎを聞きながら
どぶろくでも飲み明かそう

旅の寂しさも、僅かながら
慰めになるだろう



小諸なる古城のほとり  -落梅集より-
                             島崎藤村

小諸なる古城のほとり          雲白く遊子(いうし)悲しむ
緑なすはこべは萌えず          若草も藉(し)くによしなし
しろがねの衾(ふすま)の岡辺(おかべ) 日に溶けて淡雪流る

あたゝかき光はあれど          野に満つる香(かをり)も知らず
浅くのみ春は霞みて           麦の色わづかに青し
旅人の群はいくつか           畠中の道を急ぎぬ

暮行けば浅間も見えず          歌哀し佐久の草笛(歌哀し)
千曲川いざよふ波の           岸近き宿にのぼりつ
濁(にご)り酒濁れる飲みて       草枕しばし慰む


【原 作】島崎藤村落梅集より「小諸なる古城のほとり」
【現代訳】与那観P
【語り手】結月ゆかり
【モデル】くま氏まお氏「くまゆかりん_着物袴v1.0」im2982157
【BGM】Azell氏 聞こえる吐息:ポケットサウンド http://pocket-se.info/
【効果音】小森平氏 川のせせらぎ http://taira-komori.jpn.org/
【画 像】photo-ac.com googleストリートビュー






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Last updated  2015.06.12 19:46:51
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